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痴呆の羽    詩

アスファルトの上で頭を打った。
後々痴呆の羽がひらき、はばたいて、
お空の下で旋回する。
彼女は夫を失った自由人。
阿呆、阿呆とカラスが鳴く。
偶然にも春が来た様でらんらんと
目と鼻の先に入道雲がいまする。
この光を帯びた立体的な雲は自己主張を強く持ってまして、叶わぬと彼女は
雲の中を飛んでひょっこり顔を出しました。
痴呆だった彼女はベットの上で夢を
見てました。
空を高く飛んだ楽しい夢を。
縫った頭は抜糸が一週間後にあるそうです。

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