失敗が変えた未来
これは自分を人生の経営者と考えて、望む最高の人生と明るい人間関係へ自分自身を導くためのヒントを、私の経験をアレンジして会話形式でお伝えするオリジナルストーリーです。
[主な登場人物]
主人公:佐々木只美(コミュニティ運営会社で研修中)
メンター:中根雪江(佐々木の指導係)
失敗と捉えればただの失敗
私は佐々木只美。前職の旅行会社で無断欠勤後、退職して以前一緒に働いていた雪江先輩の会社で研修中です。でも先輩は私の前職の無断欠勤を事あるごとに指摘してくるので、責められている気分。今日は、思い切ってそこのところを聞いてみたいと思っています!
佐々木:雪江先輩。私、ここで研修するってなったとき、社長は「過去じゃなく未来」みたいに言ってくれましたよね?
雪江:うん、言ってたね。
佐々木:でも、研修って毎回、私の無断欠勤のことを元にしてるみたいで、なんか私、責められているような気分になるんですけど、、、その・・・。
雪江:あっ、気づいてた?まあ、・・・なんていうか、ネタ的にね、いいかなって思って(汗)。
佐々木:えーっ!ネタって、先輩!私の忘れたい過去の失敗をネタなんて、ひどいですよ!
雪江:いや、だから、ネタってのは佐々木さんがそうやって「失敗」として封印しようとしてるからであって、他の人の研修とかに使うわけじゃないんだよ。佐々木さんに理解して欲しいからネタにしたってこと。
佐々木:(疑いの目で)どういう意味ですか?
雪江:人生に失敗なんてないってこと。人生はずっと気づきと学びの連続。だけど出来事のひとつの側面だけを見て、なにも学ばず「失敗」として記憶を封印してしまえば、それはその人にとって本当にただの失敗になってしまうの。
佐々木:そういえば、前にも雪江先輩に言われました。学びにしないと繰り返すって。でも失敗ですよね?無断欠勤して逃げたんだから。
雪江:でも、その後、佐々木さんはどうした?
佐々木:退職届を出して、ここで研修してます。
雪江:それは失敗?
佐々木:いえ、おかげで再出発みたいな気持ちです。けど、前の会社の人には迷惑かけたし・・・。
雪江:佐々木さんがあのままガマンして出勤してたら病気になったかもしれないし、ここでこんな風に言いたいこと言って研修してないよね(笑)。
佐々木:あっ、すみません。雪江先輩だから、つい言いたいこと言ってしまって。確かに私はそうですけど・・・。
雪江:旅行会社のみんなが気になる?
佐々木:はい、迷惑かけちゃった人は怒ってるだろうし、支店長は表向きは笑顔でしたけど、内心は分かんないですよね?
雪江:自分の見える所ってね、多面体のたった1面程度なんだよ。よかったら坂本くんに会ってみたら?
佐々木:えっ?坂本さんですか?あの営業の?
雪江:そう。坂本くんは佐々木さんの後始末を支店長に命じられたって、ブーブー文句言ってたんだけど、自分をマーケティングすることで見違えるように仕事が楽しくなったんだって。
佐々木:えっ?あのチャラ男…、あっ、いえ、坂本さんが私のお客さんの対応をしてくれたんですか?
雪江:そうなの!あのチャラ男がね(笑)!で、その変化に驚いた支店長が私に、坂本くんに何を話したんだ!って、乗り込んできて支店長も自分の言動が佐々木さんをはじめ、部下のみんなにどんな影響を与えていたかを自覚したんだよ。
佐々木:だから辞めるとき、笑顔で送り出してくれたんですね。
雪江:ねっ?気づいた?失敗じゃないでしょ?佐々木さんが無断欠勤したことで周りの人は、その人なりに何かを学んでいい方向へ活かしてるんだよ。だから、佐々木さんも失敗ってだけではもったいない体験だと思ったから、ネタにしたってわけ♪
【コラム】
人生が続く限り、あるのは学び
最後までお読みいただきありがとうございました。
物語の中の佐々木さんの後始末をした、坂本くんのお話しは下からどうぞ↓
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