[Vol.3 主語の仕組み]

皆さん、こんにちは!本日のテーマは、強調についてです。あれ、タイトルと違うぞ?と思った方、正解です(笑)。実は、主語の仕組みを正確に理解する事で、その本質である強調に辿り着きます。今日のキーワードとなるので、是非、最後まで読んでみて下さい。

まずは、例文です。

There is an apple on the desk. 「机の上にリンゴがひとつあります」
There are some trees in that park. 「あの公園にはいくつかの木があります」

所謂There is  / There are構文ですね。私も学習塾という教育現場にいた際、テキスト通り教えていたので(塾の方針としてそうせざるを得なかった背景もありますが…)、いきなり単元として、「There is ~/ There are ~ は~がありますというフレーズだ!」と導入しましたが、これはあり得ないほどに簡略化しています。
よく、生徒からは、こんな質問が来ました。「先生、今まで'there'という単語は、"I'll go there."(私はそこにいくつもりだ)のように、文末に来ることが多かったのに文頭に来るんですか?」それに対して、説明する時間がない為、これはこれとして覚えろ!と伝えていました(情報を与えすぎてパンクしないようにという意図で教えませんでしたが、今となっては将来を考えてきちんと教えてあげればなと思いました。。。)。
実は、文末→文頭に至るまでには、英語という本質を理解していないといけません。突然ですが、上記と次の例文と比較します。

An apple is on the desk.  「りんごは机の上にあります」
Some trees are in that park. 「いくつかの木が公園にあります」

どちらも、りんごが机にあり、あの公園にいくつかの木がある事を伝えています。では、これらは全く同じなのでしょうか。いいえ、違います。実はこれらは明確な違いがあるのです。ぱっと見で見比べてみて下さい。何が違うでしょうか。

ここで、本日のタイトルです。そう、「主語」が違いますね。では、主語が違うと何が変わるのでしょうか。ここで英語の本質が関わります。英語とは言いたい事が先に来るという事です。これは是非、覚えて帰って下さい。

例えば、一番最初の文章では、最初は'There'から始まっています。'There'は「そこへ、そこに」という副詞ですが、文頭に来ています。副詞って文頭に来るんですか!?と衝撃を受けた方。来ます。それが言いたい事であれば、です。例えば、最初の文で言えば、'There'は'on the desk'上のりんごがあるスペース(?)を指しているので、「机の上のそこにりんごがあるよ」と言うことを強く言いたい訳です。

逆に、二個目の例文"An apple is on the desk."は'An apple'が最初に来ているので、「りんごが机の上にある」と強く言いたい訳ですね。treeの例文も同様に考える事ができます。要は、強く言いたい事は、先に置くことが英文の本質になるのです。この理論でいけば、次の文章も容認可能となります。

On the desk is an apple. 「机の上にりんごがあります」

'On the desk'を先に持ってくることで、机の上にあるんだと言うことを強く伝える訳ですね。これをよく教育現場では「強調(構文)」「倒置(構文)」と言ったりしますが、これらは、特段構文だからと言うわけではなく、これが英語の本質なのです。よく大学受験の英語では、受験生を惑わす為に、上記のような'on the desk'を最初に持ってくる文章などを使ってきますが、本質を理解していれば何も怖くありません。

ではここからはこの考え方を基に話を拡張しましょう。ここでまた例文です。

It is true that Nancy has the hots for Ken. 「ナンシーがケンに好意を抱いている事は確かだ」

よく学校では、It is ~ that という形と教えますが、本質を突きましょう。まず、先ほど伝えた通り、この文ではまず'It'が伝えたいことになります。しかし、この'It'はthat以下を指している代名詞となっています。つまり、'Nancy has the hots for Ken'を'It'でまとめているような感じですね。よく英語は主語が長い時は短く'It'でまとめてから'that'以下で説明すると受験生には説明しますが、これは大きく語弊があります。厳密には、'It'で短くまとめて、早く'true'を伝えたいからなんです。形容詞単体は文頭に来る事がないので、まずは'It'を前におきます。そして、'true'を先に行った後でその内容について説明するのです。つまり上記の文では、確かだと言う部分が強調されるわけです。例え長くても次のように言うことも可能なわけです。

Nancy has the hots for Ken is true. 「ナンシーがケンに好意を抱いている事は確かだ」

また、次の例文も見ましょう。

Did you finish your homework? 「宿題終わらせた?」

上記は疑問形ですが、これも今回のテーマと同じ考え方です。平叙文(普通の肯定文)では、"You did finish / finished your homework."「あなたは宿題を終わらせた」です(did finishの部分は前回の'notの本質'で言及しているのでわからない方はそちらもご覧ください)。ここで、終わらせたのかどうか、つまりそれが、過去に行った行為なのかどうかを聞きたいわけで、一番伝えたいことになります。つまり、それを表す'did'が一番前に来るわけです。これも、強調の本質になっているのです。私たちが普段何気なく使っていたこの疑問形も、実はロジカルに詰めていくと面白い発見になりますよね。全ては英語の本質からやってきます。

他にも、よく'Never'の倒置など受験生に教えるようなもので形式立てたものは沢山あります。是非、「英語 倒置構文」なんかで検索してみて下さい。解説しているページが沢山あると思いますが、私のような考え方のもと説明している人たちは恐らく誰もいません。全ては何が言いたいか、これに尽きます。是非、知らなかった方、面白いと感じた方はいいねお願いします!

では、また次回。

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