【みちらん35】浴衣の季節が似合う町並み ~旧東海道有松・鳴海~
菜の花畑の先に藍染の旗印と白装束。2021年渋澤の大河ドラマを見ていて、父市郎右衛門の葬列の映像にすっかり魅せられてしまいました。「青は藍より出でて藍より青し」という諺もありますが、青空をバックに紺色がよく映えていました。
そんなこともあって、今回は昔有松を歩いた時のことを書いてみようと思います。
木綿の白に藍染の紺が鮮やかな有松絞り。その技法は代表的なものでも10種類以上あり、初夏に涼し気な浴衣姿で歩く女性を想像しながら町並みを歩きます。下の写真はそのイメージ。
冒頭の写真は毎年6月に行われる有松絞りまつりの様子。今度は藍色と白の浴衣が似合う季節に来てみたいなと感じました。
有松鳴海絞会館で絞りの展示を見てから、常夜灯を目標に旧鳴海宿に向かいます。
横綱白鵬関のあの浴衣も有松絞り
先日TVの大相撲名古屋場所の中継を見ていたら、元横綱白鵬の浴衣が有松・鳴海絞りだと紹介されていました。そう言われてみれば、名古屋は目と鼻の先、藍色の季節は確か7月、梅雨明け頃だったなと腑に落ちた次第。
所属の部屋の滞在先が鳴海だったのが縁で、横綱に着てもらえば伝統工芸のいいPRにもなるという話だったと思います。茶色の地色に綱と白星をあしらった大柄はインパクトがあったので覚えている方も多いのではないでしょうか。このデザインはもちろん、生地のサイズから絞りの数まで、何もかもが規格外でいろいろ苦労があったそうです。(この部分2022年7月に加筆)
鳴海宿には東海道随一の規模といわれた本陣があり賑わったそうです。広重の東海道五十三次にも描かれた町並みは今も残り、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
この先笠寺まで旧東海道は、名鉄本線と少し離れて続いていきます。
笠寺観音には平安時代、玉照姫が荒れたお寺の観音像に笠をかぶせたところを貴人に見初められた玉の輿伝説があります。今や縁結びには興味はなくなった私ですが、お参りして今日の街道歩きを締めくくりました。
愛知県名古屋市
距離:7km 中京競馬場前駅~本笠寺駅
[星の数] ★★(遠回りしてでも訪れる価値のある、道歩きが好きな人向けのみち)
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