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【みちらん37】奥州藤原氏のイリュージョンを見つけに ~世界遺産・平泉~

こんにちは、さんぽみちでツアコンをしている坂上です。私は今年の大河鎌倉殿の13人にハマっています。中でも気になるのが義経。牛若丸の童謡や判官びいきという言葉も残るほど、私たち日本人には元祖ヒーロー的存在です。
でも、今回のキャラ設定は何だかちょっと違うかも。兄頼朝との今後のやりとりにも目が離せません。そこに、この先もちょくちょく顔を出であろうお方が藤原秀衡です。

前置きが長くなりましたが、平家を討ち果たした後、頼朝の不興を買い追われる身となった義経は、16歳から6年間世話になった秀衡の本拠地平泉に身を寄せます。

平泉は領内で産出される黄金を背景に、初代清衡が中尊寺一山の造営に着手して以降、二代基衡が毛越寺を建立、三代目秀衡の時代に繁栄を極め、京に次ぐ都だったと伝わります。現存するものは全くといってよいほどなく、独自の文化を伝える痕跡が世界遺産となっています。

平泉駅から毛越寺に向かう通りは、道の両側に落ち着いた色の和風の家や店舗が立ち並び、気持ちよく歩くことができます。景観条例によって新しく整備したそうですが、少々整いすぎると言ったら罰当たりでしょうか。

毛通寺に到着したら、浄土庭園へ。平安貴族が憬れた極楽浄土の世界を具現化したものだそうです。境内に広がるのは大泉が池。ここに船を浮かべ曲水の宴などと思いを巡らしながら、のんびりと散策しましょう。

毛通寺浄土庭園

無量光院は、秀衡が宇治の平等院鳳凰堂を模したと伝えられています。現在は建物はありませんが、発掘調査から鳳凰堂を超える規模であったことが判明しました。無量光院跡の浄土庭園は神聖な山である金鶏山に焦点を合わせていることから、稜線に沈む夕日と西方の極楽浄土を重ねたのかもしれません。

金鶏山の夕日(写真提供:平泉町世界遺産推進室HP)

中尊寺に向かう途中、高館へ立ち寄ります。義経はこの地で自害したと伝わります。丘の頂上には義経堂があり、中には義経公の木造が安置されています。ここから望む北上川の風景は平泉随一ともいわれていますので、ぜひ。

源義経公像(写真提供:高館義経堂HP)

今回の旅のクライマックスは中尊寺です。幻となった都の主たちが眠る金色堂を目指します。月見坂参道の両脇には杉の大木が天高く伸び、静けさの中にも気持ちが昂ります。

すべてが黄金色のお堂、その奥には本尊が並ぶ須弥壇を目に焼き付け、その中に安置された奥州藤原氏四代のミイラを想像して締めくくります。写真撮影はできないので、中尊寺公式ホームページをかわりに。

遺構だけでは往時の姿が想像できない。。そんな方には、世界遺産平泉の鉄板ネタからディープな地元情報まで、親切丁寧なお話が聞ける古都ひらいずみガイドの会がおすすめです。 

毛通寺浄土庭園をご案内いただきました

岩手県西磐井郡平泉町
距離:5km 平泉駅~毛越寺~中尊寺
[星の数] ★(近くを訪れたら歩く価値のあるみち

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