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情報を最も早く得られるのは・・・

通訳を生業としていると、調べ物に精通せざるを得ません。発言の背景、またそもそもその会が設定された経緯などを知ることなしに、よい通訳はできないからです。社内の特定のトピックに関する通訳などは事の経緯を把握するのが一番大事だったりしますが、それでも社会動向などの調査は欠かせません。

調べ物をする時に一番よく使われているのはインターネットでの検索と思います。

この記事でも述べたように、

職業通訳者・翻訳者にとってGoogle検索の色々なテクニックを身につけることは必須です。一般社会人にとっても必要なスキルでしょう。こういうサイトが参考になります。

ウェブの情報は速報性があり、なにより簡便で、手軽に調べられるのがいいですね。ただし、いくつか注意点があります。

ウェブ上の情報は、

1. どちらかというと「点」の情報であり、そもそもどの検索語で調べるかを知っていないと情報にたどり着くことができない

2. 自分が関心のある情報しか入ってこない

3.情報の修正が簡単にできるため閲覧時期によって内容が異なることがある。また、情報そのものがなくなってしまうことがある((=当該記事の掲載取りやめ・削除、ウェブサイトそのものの消失等)。バージョンや掲載日時、閲覧日時の確認が必要。特にウェブ上の情報をエビデンスとして使いたい場合には、スクリーンショットやアーカイブサービスの利用を検討すべき時がある。

昨今のようにウェブ検索が主流になってくると、1.2.に言及したような「ウェブ情報の一覧性の低さ」には特に注意が必要と思います。

一覧性」とは、この記事に書いてあるように、ぱらぱらとめくってどこに何が書いてあるのか分かること

一覧性があると、調べたい事象のみならず、関連した事象を一度に調べられます(辞書など)。また、検索に使用した、自分が興味のある事柄以外のことも隣り合わせで掲載されているので、それを見ることによって興味関心が広がったりします(新聞、雑誌など)。

特に後者の、「今まであんまり興味がなかったのだけど、ついでに見てみて面白そうだったから読んでみた」というような関心の広がりがウェブ検索では期待しづらいのですね。サジェスト機能である程度補われているとは思いますが、ウェブと紙媒体と比較するとウェブが弱い部分として認識すべきと思っています。

「点」である個々の情報ではなく、情報と情報の繋がりを把握する、すなわち「面」の情報を得るという点では、ウェブ情報よりは、雑誌や論文・書籍などが優っていると思います。

ことの発端は何だったのか、そしてどんな経緯をたどったか。その事象や理論にはどういう意義があるのか。歴史においてどういう位置づけになるのか。

そういう、まとまった情報を得るには、やはり新聞・雑誌・論文・書籍に当たるのが一番です。

新聞・雑誌・論文・書籍の一番の難点は、速報性に欠けること。

速報性の高い順番で並べると、

ウェブ上の単独記事(新聞などの速報含む)→新聞・雑誌(論説記事など)→論文・書籍という感じでしょうか。

時間がかかる分、より総合的な情報を入手できるといえるので、この点を意識しながら情報を得る媒体を選ぶのが大切かな、と思っています。

これまで、情報の「速報性」と「包括性/堅牢性」の観点からウェブ記事とその他の媒体について述べてきました。

ところで、最も速報性の高い媒体は何だと思いますか? 

それは「」です。

例えば、学会や業界団体、あるいは懇親会等での情報交換。あるいは、SNSでの情報拡散。あるいは口コミ。検証が済んでいないものがほとんどですが、まとまった文章の形で発表されるよりも早く伝播します。

だからこそ、鮮度の高い情報を求めて、人は集まりに出たり、人とのつながりを持ったりするのでしょう。特に、専門的な事柄を専門外の人にも分かりやすく伝えられる人とのつながりは貴重です。

仕事に役立てるだけではなく、安全で健康な生活を送る上でも情報や知識を身につけることが今後ますます重要になってきます。それぞれの情報の特性を知って、自分の生活に役立てたいですね。







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