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『イタリア人、ヴァカンスは全力です』

世界的にこれまでに我われが目にしてきた気象条件とは異なることが続きますが、日本ではお盆期間中ですね。

こちらイタリアでは夏休み期間真っ只中ですが、ちょうど日本のお盆期間の8月15日はイタリアでの祝・祭日です。
はじまりはローマ帝国・アウグストゥス帝時代にまで遡り、それが現代にまで続いています。
この日は『フェラゴスト・Ferragosto』と呼ばれ、皇帝の名前と『休暇、休息』を合わせた言葉が由来で、労働者への休息日を意味していました。
その後、マウリキウス皇帝時代にカトリック教徒にとり大切な『聖母の被昇天』を祝う日を8月15日に定めました。

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いずれにしてもここではご先祖様をお迎えし、例年であれば帰省する日本らしいお盆休みとは随分と異なり、暑さを逃れて山、海、湖で過ごすのが一般的です。欧州は陸続きでの移動も可能なので、各地へ移動すると車のナンバープレートでどこから来ているのかもよくわかり面白いです。
海に囲まれた国であっても海水温度が高く、穏やかな海を求めるひとはオランダ、ベルギー、ドイツからもやって来ます。海だけでなく、サイクリング文化が浸透している欧州では自転車も積み移動しているひとも多く、まさに夏休みはちょっとした引っ越しのようです。

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昔ほど夏休み期間が長くなくなり、都市部では開いているお店もたくさんあります。それでも都市残留組が目にする朝の光景はかなり静かです。企業やお店もこの8月15日がある週を挟み前後1‐2週間、平均で2-3週間の夏休み期間とするところが多いです。
日本で社会人になると長い夏休みなど考えられないかもしれませんが、それでも何となく機能しているこの国はある意味すごいなと毎年思います。

『ヴァカンス』はラテン語が由来の言葉で、『空、空虚、空白』などの意味があります。
この期間は思い切って仕事、日常から離れて思いきり自分を『空』にして徹底的に楽しむことで、新しいこと、面白いこと、知らなかったことに触れられる時間になるのかもしれません。

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パワーチャージした後の夏休み明けも、はりきり過ぎずまずは夏休みをどう過ごしたかおしゃべりからスタートし、そのリハビリ期間を経て仕事や日常生活への切り替えをしているのかもしれませんね。


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