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ペナン島~南国の楽園まであとちょっと!

マレーシアのペナン島に行ってきた。
シンガポールからわずか1時間半のリゾート地。プラナカンについての本にプラナカンの文化が残っていると書かれていたのと、シンガポール人が手ごろな旅行先としておすすめするので行ってみた。


1. プラナカンの雰囲気を堪能!

プラナカンとはマレー語で「地元生まれの子」の意味で、東南アジアに主に貿易商としてやってきた中国人と現地マレー人との間に生まれた子孫を指す。その中でマレーと中国が混じった独自のブラナカン文化が形成されたわけだが、その片鱗が今も残っている場所として、シンガポール、タイのプーケット、マレーシアのマラッカやペナンがあがる。
そんなプラナカン文化の代表地にせっかく来たのと、思ったより安かったこともあり、プラナカンデザインの「セブンテラス」に宿泊。
プラナカンを紹介した本「プラナカン 東南アジアを動かす謎の民」にも載っており、元々プラナカン建築の住居だったのを宿泊用に改装したもの。1部屋1泊16,000円=1人8,000円計算。今回の旅でプラナカンなるものを感じたかったので、お値打ち。

セブンテラスの中庭             ホテルの部屋の内装

エントランスは歴史がありそうな重厚感。華美だが黒系で落ち着いた色合いが多いデザイン。通された部屋は非常に広い。トータル床面積は今住んでいるマンション以上はありそう。部屋はロフト形式で、階段を上るとベッド。ここかしこに細かく繊細なデザイン。ソファが木で足が高すぎてどう使えばいいのこれ・・・と自分の行動様式とどうマッチさせればよいかわからないところもあり、壊しそうで怖いものもあり、と住むには難しいが非日常感はたっぷり感じられる部屋だった。

実際に滞在してる間にじっくり観察して味わうことはほぼしなかったので猫に真珠味レベルだけど個人的な感想は、プラナカン様式の屋内は、優美・繊細なデザイン、華美だがシックという雰囲気。よりキッチュだがCath Kidstonと同じカテゴリー。自分の好みはもっとシンプルなので、日常に取り込みたいデザインではなかった。

木造の古い建物のためか、ベッドへの階段もギシギシなるが、寝ていると様々な木の鳴る音が聞こえてきて、ちょっと怖い。部屋自体もとても広かったし。私より寝付きの悪い相方はびびっていた。また、初日だけだが、クシャミと鼻水がすごいことになった。古い建物なので、ソファやマットから拭いきれぬ過去の残滓(=ホコリ)が立ち上っている可能性がある。

2. 人と土地が交わって時間をかけてできた街

欧米人向けの保養地として発展してきたことが感じられる。イギリス人が植民して街を作り、そこにさらにマレー・中国のカラーが加わり、鮮やかな街並みになっている。市街地であるジョージタウンは世界遺産に指定されたエリア。同じく世界遺産であるホイアンと比べて、よりあるがままな感じがする。

街のいたるところにストリートアート

到着した夜、遅い時間だったが夕食を取りに街に出たら、音楽があふれていた。オープンテラスのバー・レストランがズラッと並ぶ。音楽がガンガンかかっていたりシンガーがメジャーな曲を歌っていたりと、非常に賑やか。若者~中年の欧米系がとても多い。
観光ガイドに載っていたホーカーのRed Gardenには、観光客向けのようで中心にはステージがあり出し物や歌を聴きながら食事を取る形式。想像していたホーカーと全然違った。

ベトナムの観光地として有名なダナンは、特に海岸沿いは、資本が入って急速に整備され商業施設が建てられた印象がある。建設スピードに対して人口も文化も追いついていないため、何も入居していないがらんどうの大型施設が目に付いた。
一方でペナンは政府・企業主導の開発はせず、一定の歴史のスパンの中で、人々の需要と供給にあわせて動いて出来上がっている感じがした。個人的にはこちらのほうが街が生き生きしていて好き。

3. ごはんが美味しい

全体的にごはんが美味しかった。シンガポールと比べればどこも食材の鮮度が高くて美味しい説もあるけど、ペナンはそれに加えてレストランの技術の高さも感じた。

Kommune Penang Hill
2日目 ハイキングしたときに山頂近くで食べたカフェ。
朝ご飯をほぼ食べていなかったので、ほんとにライフセーバー。野菜が美味しい。日本で同量食べる場合の9割の値段感。カフェラテはマレーシアならではの安定のまずさ(ミルクの味が致命的)。

Yin's Sourdough Bakery and Café
3日目朝ご飯に食べたカフェ。
サワードウ、確かに美味しかった。そして付け合わせの野菜も美味しい。鮮度万歳。

Two Frenchies Cafe Bistro
3日目 ランチに食べたフレンチビストロ。
この店は東京にあっても人気店になりそう。
オニオンスープ。ものすごい濃厚。
コンフィ。肉も柔らかくジューシーで美味しいが、マッシュドポテトがチーズ/ミルクと素晴らしいバランスで和えられていて絶品だった。

左|Two Frenchies Cafe Bistroのまろやかなマッシュポテトの上にカリカリジューシーなコンフィ
右|Yin's Sourdough Bakery and Caféのサワードウ・オムレツ・野菜のワンプレートとカフェラテ

Hema Hema Ice Cream
3日目フラッとと寄ったアイスクリーム店。
しっかり濃厚。店内もシンプルでおしゃれ。

FUKU Eatery
日本コンセプトのカフェ。雑貨も販売されている。
味は普通レベル(食べログ3.0くらい)。

OTTO PIZZA PENANG
夕食はジェノベーゼのパスタとピザをピックアップしてホテルで食べた。
ジェノベーゼはあっさりめ。そこそこなレベルで、期待値が高かった分がっかりしてしまったが、夫はうまいうまいと食べていた。

4. 憩いの場 Esplanade Walkway

海沿いの公園 Esplanade Walkway。
ジリジリと暑い昼間は人気が少ないが、涼しくなる夜は一変して老若男女、カップル、子供連れがあふれる。
そして不審な着ぐるみもあふれる。カオスで楽しい。良い意味で何が起こるかわからない不確実性からくるちょっとしたわくわく感。すべてが計画されたシンガポールには出現しないやつ。

わかりやすくフェイクなミッキー&ドラえもん

5. ハイキングは楽しい!けど熱さに要注意

ペナンにはGeroge Townから車で20分のところに「Penang Hill」がある。
Hillだし、日本では東京近郊の山をハイキングしていたため、たいしたことないだろうというノリでいったら大間違いだった。
自分が日本でハイキングしていたのは気候の良い春か秋。ペナンは湿度の高い常夏。結果、熱中症になりかけました。
遮る木々がない日差しにさらされた道をひたすら登った途中でちょっとクラクラしてきてこれはヤバいな・・・と思ったが、運良く休憩できる場所を発見。

床がコンクリートの日陰に寝転んで回復に努める。ひんやりとして身体全体を冷却。ラッキーにも水道もあり、頭から水を被ってこれまた冷却。
おかげでしっかり回復し、残りの道は気持ちよく登れました。ありがとう休憩所。

左|山登りの途中で出会った花木達。力強いパワー味がある。  右|岡街を一望     

6. タイ仏教の寺院

Wat Chayamangkalaram を訪問。大きな仏像の身体の下には大量の墓。。。新鮮。たとえ神でも死者の上に乗るという発想はなかった。神は死者の上に乗るのか。

7. タクシーの客引きがいない謎

夜に空港到着。客引きにも出会わず、Grabで呼んだ車でホテルに到着。
ベトナムのダナン・ホイアンの客引きは激しかったが、ペナンはゼロ。ちなみにクアラルンプールもゼロだった。
イマドキ風にChat-GPTにきいてみたところ、ウソかホントかわからないがマレーシアはLand Transport Act 2010という法律で公共空間での客引きに規制がかかっているという。何にしろストレスなく大変ありがたい。
ただ、これはGrabを使えることが前提。Grabがない場合はタクシーを使う必要があるが、そのときの対応クオリティは不明。

8. ビーチは残念 

街よし、食事よし、山よしで、ここで海よしだったら素晴らしかったのだけど、海わるしだった。まず、海自体がクリーンでなく汚れてみえた。マレーシアの排水管理の問題か、潮の流れのせいかもしれないが、期待していた分残念。さらに、砂浜には端にゴミが散乱。海に入っている欧米系の人は見当たらなかった。
ビーチについての規制は緩いのかもしれない。ビーチはメンテナンスに費用がかかるのはあるだろうが、ビーチの話もきくリゾート地なので、ここは規制・投資ができるといいのにもったいない。

晴れていたんのにどんよりとした色の海

おわりに

それでも、総合的にみればペナンはとても魅力的な旅行先。
食事は美味しく、街の雰囲気は楽しく、山登りで緑と触れ合える。
プラナカンというユニークな文化の雰囲気も味わえる。

ただただ海だけが残念。それがイケてれば年に1回は行きたい旅行先。

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