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オオカミこども 2021.08.10 曇り

今日の絵画教室で出会った子供の話。

小学1年生のSちゃん。
ものすごくおしゃべりで、落ち着きがなくて、とても可愛らしい大きい目をまんまるにあけて、ものすごく豪快に絵を描く。
豪快というのは少し気を使った言い方で、悪く言えばめちゃくちゃ雑だ。
どれだけ「Sちゃん、もうちょっと丁寧に描こうか?」と言っても1ミリも直らない
直す気すらない。
色を塗る時も、下書きの意味がないほど豪快にはみ出し放題で塗っていく。
早く終わりたいから、投げやりに適当に描いているのかと思いきや、私が手伝っているのを見て、「描きたい!」と無邪気に言ってくる。
この子は反抗期などではなく、純粋に絵が好きだし、純粋に雑なのだ。

絵というのは正解がないからある意味厄介だ。
子供が好きなものを好きなように描くのはとてもいいことだ。だけど、絵をうまく描こうとすることによって、物事を良く見る観察力が養えるし、同時に世界のいろんなものが見えてくる。それが絵が上手くなることの一番の良さだと私は思う。

彼女は今、「絵が好き」という気持ちだけが先走っていて、上手く描くという概念がないような状態なのかなあ、と見ていると感じる。
私は小さい頃から良くも悪くも真面目で、いつもうまく描こうとしていた。なので、純粋に感情だけで絵を描くなんてこと、幼い状態でもできなかった。
そういう意味では、彼女の今の状態は貴重な時期なんじゃないかなと思う。

そして成長するにつれて、「丁寧に描く」とはどういうことなのか、じっくり感じて考えるようになってくれればいいな、と思う。
そしたら、本当にすごくいい絵が描けるんじゃないかなあ。見たいなあ。
「おおかみこどもの雨と雪」のゆきちゃんみたいに、今はオオカミだけどどんどん「女の子」になっていくのかもなあ。それはそれで少し切ないなあ。

と、妄想を膨らませる大人でした。


写真は教室終わった後に食べたプリン。うまかわ。

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