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夏井いつき『子規365日』

この記事は、日本俳句教育研究会のJUGEMブログ(2019.08.11 Sunday)に掲載された内容を転載しています。by 事務局長・八塚秀美
参照元:http://info.e-nhkk.net/

朝日新書『子規365日』が、11年ぶりに新しく文庫になりました。朝日新聞紙面で一年間連載されたコラムが元になっていますので、正岡子規の俳句を一日一句完結で、解説と共に味わうことができ、どのページからでも読み始められるのが特徴です。研究者の視点から解説するのではなく、俳人の目線で選ばれているので、有名な子規の句はもちろん、生活者であった子規の姿の見えてくる句がたくさん紹介されています。病気と闘う子規が、苦しみの中にも作句し、書き続けられたのは、彼の精神の明るさ故であったのだ、ということを感じられる一冊です。

文庫版になるにあたり、季語一覧の目次や、読者が頭の中に残っているキーワードなどから目当ての俳句に行きつけるような索引も追加されていて、より知りたい俳句が見つけやすくなりました。文庫の見開きで3句を紹介しているので、子規を知らない人、俳句を知らない人にとっても楽しめる分量です。一日一句、子規俳句と出会ってみませんか!?