山田詠美『血も涙もある』
まさに、タイトル通りの「血も涙もある」小説でした。新潮社のホームページ紹介には、次のように紹介されています。
良い意味での「ミスリード」もある紹介文で、「血も涙もない」ような展開を想像していたのですが、全く違った種類の「後味」が待っていて驚きました。
いわゆる不倫もの(⁉)のようにスタートしますし、誰かを傷つけてしまう現実も描かれていくのですが、そこには残酷性というよりも、誰もが皆、傷つけたり、傷つけられたりしながら、血や涙を流す「血も涙もある」悩める人間であることが浮か