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図書室

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俳句に関する書籍の紹介だけでなく、事務局長が出逢った書籍の感想などを思いのままに綴る、個人的な図書室です。好みに偏る傾向があります。
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2023年8月の記事一覧

井伏鱒二『黒い雨』

本日8月15日は「終戦の日」。日本俳句教育研究会(nhkk)の旧ブログ記事の移行が完了し…

江國滋『俳句とあそぶ法』

1984年に単行本で発売、1987年には文庫化されるなど、昭和の俳句ブームを牽引したといわれる江…

松本侑子『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』

第29回新田次郎文学賞受賞作品です。裏表紙には、 と紹介されています。 すさまじい取材に裏…

菊池寛『真珠夫人』

『文藝春秋』を創刊し、さらに『芥川賞』『直木賞』を創設した菊池寛。 彼を流行作家にした新…

宇佐見りん『推し、燃ゆ』

第164回芥川賞受賞の話題作です。私自身、絶賛推し活中ということもあり(笑)、ずっと気にな…

大江健三郎『燃え上がる緑の木』

前回の『「自分の木」の下で』を読んで、四国の森が舞台となった小説を再読したくなり手に取り…

大江健三郎『「自分の木」の下で』『「新しい人」の方へ』

先月の大江健三郎さんの訃報には大きな衝撃を受けましたが、様々な追悼記事に触れる中でぜひとも読んでみたいと思ったのが、子どもの疑問に答えるエッセイと紹介されていた『「自分の木」の下で』『「新しい人」の方へ』でした。 (「厳しく怖い」伝説の大江健三郎 編集者が体験した冷や汗と忘れられない笑顔〈週刊朝日〉) 子供向けのエッセイという頭で読み始めたのですが、大人が言葉を尽くして潔く率直に答えるカッコよさに満ちた作品で、読み始めてすぐにその奥深さに心を揺さぶられました。 2章では

梅沢富美男『句集 一人十色』

プレバト!! 初の永世名人の句集が刊行されました。 番組内で、50句の完成と句集刊行が発表…

平野啓一郎『ある男』

石川慶監督✖妻夫木聡✖安藤サクラ✖窪田正孝で映画化され、第46回日本アカデミー賞でも話題と…

角田光代『対岸の彼女』

第132回直木賞受賞作品は、小夜子と葵(アオイ)とナナコという女性たちの物語です。 主人公…

中勘助『銀の匙』

灘校で『銀の匙』を使って伝説の授業が行われていた、ということを知った時からずっと読んでみ…

三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』『まほろ駅前番外地』『まほろ駅前狂騒曲』

まほろ市の駅前で便利屋を営む多田と、そこに転がり込んできた(高校時代とは別人のように)破…

村上春樹『女のいない男たち』

カンヌ国際映画祭・アカデミー賞・ゴールデングローブ賞・日本アカデミー賞などで話題となった…

森博嗣『ηなのに夢のよう』『ジグβは神ですか』『捩れ屋敷の利鈍』

森博嗣さんの描く天才・真賀田四季(四季シリーズ)が気になって、手に取ったGシリーズの『ηなのに夢のよう』と『ジグβは神ですか』でしたが……、この2冊だけでは四季の幻影を追うだけにすぎず……、結局、現在進行中のGシリーズ後期三部作(第二弾まで既刊)が気になってしかたがなくなるという森さんの掌で転がされた読書体験でした(笑)。 『ηなのに夢のよう』 『ηなのに夢のよう』は、ミステリーの明解な種明かしもないままに終わってしまい(謎解きに主眼がない印象)、四季との関連性もフワッと