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[企画]同人小説ってどう書いてる?-内容と質問回答まとめ

先日、Twitterにて同人字書きスペースを開催しました。
二次創作のボーイズラブを書いている字書きを集め、疑問や質問をお互いにしあったり、募集した質問に頭を抱えつつ答えさせてもらったりするスペースです。

当日は一番多い時で120名弱の方々が聴いてくださっていたらしく、驚きと共に「やっぱり気になりますよね…!」と握手を求めたい気持ちでいっぱいです。当スペースにお時間を割いてくださり、本当に有難うございました。

様々な悩みや疑問、質問を読み上げては参加者一同頭を抱え、議論しては頭を抱え、全員の考えが一致することもあれば真逆だったりもし……。ひたすら「おもしろ〜!」と騒いでおりました。凄く楽しかった!

というわけで、せっかくご質問頂いたにも関わらず時間の関係上回答しきれなかった質問などもありましたので、以下に当日のざっくりとした流れと、質問の回答をまとめました。

回答が難しいご質問もあった為、いただいた質問全てにお答えできてはいませんが、当日を思い出す手がかりにしていただけたら幸いです。

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✑ 読んでいただく前に

①回答者全員商業小説家ではなく、しがない同人字書きの為、質問に対しての回答は『正解』ではなく『ただの提案』であることをご理解ください。そもそも完璧な正解はこの世にない、ということを大前提としています。

②よって納得いく回答は得られない可能性が高いです。まあそんなもんだよな、と流していただければ幸いです。

③いただいた質問は一部編集させていただいております。個人宛のメッセージも有り難く読ませていただきました!本当に有難うございました。

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✑ 当日はこんな感じでした

▶まずは…
企画の趣旨説明と主催・参加者ご挨拶。
参加者は以下4名(リンク先二次創作BL要素アリ
emu(主催) https://twitter.com/e_mu_um_e
ことは https://twitter.com/haritobou
サヤカ https://twitter.com/syk_alee
ひらかわ https://twitter.com/hirrra_kawa

▶質問への回答開始
マシュマロにて事前に質問を募集、参加者へ共有・シートに回答を書き込んでいただいていました。
当日はそのシートを元に回答・議論・頭を抱える、を繰り返しています。
2:2で意見が別れたり、1:3になったり、4人全員同回答だったりと面白い結果に。(後半に記載した「質問への回答まとめ」でぜひご確認ください)

余談ですが、小説を書くにあたっての役立ちツール紹介の流れで『官能小説「絶頂」表現用語用例辞典』の話になり、中身は最高に面白いがBLに使える表現が極端に少なく、それがまためちゃくちゃ面白い……と話題になりました。機会がありましたらぜひ!
「牝」という字をこんなに見る機会もう無いかもしれない。

▶共通お題SSについてと雑感
スペースをはじめる前に、Twitterにて「共通お題SS」を投稿していました。(事前に読んでおいていただけるとスムーズかなという理由)
名前は伏せておいて、当日誰が誰だったか、を公開しました。

お題:冬が来る
大まかなキャラ設定:
A→一人称俺/よく泣く/大学生
B→一人称僕/よく笑う/高校生
字数:300字以内
※カップリングや細かい設定は自由

上記の設定を元にオリジナルBLを書いていただきました。
萌えるポイントや文体も似てたり似てなかったりすることから、共通のお題を用いて小説を書いたらどんな仕上がりになるんだろう? と思って企画したのですが、結果、めちゃくちゃ面白かった!
合わせて、本人がこの辺かな? と位置指定した物語/文体マトリクス図も公開しました。

それを元に共通お題SSの内容と絡めて感想戦。この感想戦は、物語について、というよりは傾向や文体などについて話した感じです。

▽以下雑感
・①②はキャラ名無し/③④はキャラ名有りで分かれた(②「キャラ名が明確に決まっていたら名前を出していた」)
・③はトラジカル寄りの話ではあるがバッドエンドではない説(③「きっかけがないと前に進めない人たちもいる。ここが始まりになる可能性もある」)
・②④は『冬が来る』というお題に対して『春を予感させる』爽やかな終わり。①③はお題そのままを捉えて『冬らしい』話に。
・それぞれ話の「一番いい感じに出来た」と思った一文
①『だからせめて、冬よ終わってくれるなと、繰り返し繰り返し願っている。』
②『すぐ隣で営まれていたその人生が遠くに旅立ってから、次の春でもう二年になる。』
③『ずっと一緒いられるって、僕は馬鹿だから素直に信じてた。』
④『電車を待つホームにAを見つける。』

共通お題SS、オリジナルでやると自由度がありすぎるため難易度が上がり、より面白いなと思いました。300字という字数制限にも普通に苦しめられて笑いました。マジでなんも書けない。
古来からある企画ですが、まだやったことのない方、ぜひ!! 感想戦含め物凄く楽しいです。
(ちなみに①emu/②ことは/③サヤカ/④ひらかわでした)

▶締め
ご挨拶して締めさせていただきました!
ご視聴くださった皆様、本当に有難うございました。やってる側は永遠に楽しいばかりのスペースでした💝
よかったら当日のスペースや、質問回答について下記マシュマロにてご感想いただけたら嬉しいです!
そして何より、下記の質問に対して「私はこう思ったよ」「ツールはこれがおすすめだよ」などもありましたら、ぜひぜひ教えてください!
マシュマロ:https://marshmallow-qa.com/space_you_marsh

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✑ 質問への回答まとめ

以下、いただいた質問への回答をまとめました。当日お話した分量より文字数絞っていますが、大体こんな感じだったんだよということが分かれば!
改めて、沢山のご協力を誠に有難うございました!

※もう一度確認※
回答者全員商業小説家ではないので、回答についてはマジで「こんな考え方もあるんやね」という気持ちで読んでください。
正解なんて無い!!! 基本我々も「教えて〜〜」と言いつつ頭を抱えながら回答してます。
ご提案に関しても我々が出来ているかというと、出来てないこともいっぱいあります。出来るようになれたらいいよね…みたいな感じで答えてることも沢山あります。
上記ご理解いただいた上で、以下より回答をご覧いただければ幸いです。
(めちゃくちゃ予防線張ってすみません……🥺)

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自分は普段絵描きをしているのですが、いつか小説を書きたいと思っています。けれど、どこから始めればいいのかわかりません。小学生の時代も作文をどういう文章から始めればいいのかわからず苦労していたタイプの文才0人間です。
皆さんは小説をどんな風に書いていますか?ざっくりで申し訳ないのですが、自分でも「何がわからないのかわからない」状態で…
恐れ入りますが、もし枠に空きがありましたらお答えいただけますと幸いです。

emu:
もし漫画を描いてるなら、小説も同じ方法で落とし込めそうだなと思いました。同人小説の原動力は何よりも”萌え”なので、自分が萌える! と思うものを”どう昇華させるか”を考えるのが、一番の近道になるんじゃないかなと思います。

ことは:
自分がどんな風に書いているか、というと、書きたいネタを膨らませていくやり方ですが、たぶん参考にならないかなと思います。
まずはセリフのみの遣り取りを書いてみるのはどうでしょう。それから、セリフの間に声の調子や表情などを描写して、どう思ったかの心情を説明する。こういう短いシーンを書くところから始めてみるとか!

サヤカ:
ゼロから書き始めるのが難しいようなら練習として好きな1ページ漫画を小説におこしてみるのはどうでしょう?まずは「小説を書く」ことに慣れてみるのがいいのかな~と思います。

ひらかわ:
頭に浮かんでいるストーリーがあるのなら、その景色を文字にしてみたり、あるいはまず会話だけ書き起こしてみたりして、とにかく「文字にする」ことを反復していくといいのでは?
書き出しは自分も凄く考えてしまうんですが、セリフから始めるのが一番ラクです。
「えッ!? キスしないと出られない部屋だって!?」と言わせてしまえばもう登場人物も設定も全部説明できてる。やってみてください。


自分は即興で短い話を作る…見たものの光景や言葉、色からふわっと場面が思い浮かんだり、セリフが出てきて、それを文字にすることは出来ますが、プロットが全く作れません…仮に作ったとしても、
二人出会う、好きになる、うっかり他の人が好きだと言ってしまう、すれ違う、何やかんなあって、ハピエン
のレベルです……そのため長い話がうまく書けず、終わりや中間が空のまま、行き当たりばったりで話を書いてしまうのですが…(最悪書けなくはないが、話のバランスが悪い、みたいになります)
どのようにプロットを、もしくはお話を作られていますか?

emu:
5万字以上の”長い話”を書きたいのであれば、全体の起承転結の他に”章ごとの起承転結”も意識して考えたほうがいいかと思います。
今は恐らく全体の起承転結ばかりに意識がいっていて、細かい部分の萌えに対する考え/道筋の立て方にフォーカスが絞れていない…?
頭とオチを先に考えて、中間を埋める作業に専念するのもアリかもな〜と思います。物語を書く練習になりそう!

ことは:
プロットをもう少し詳しく立ててみるとよいのでは。
「好きになる」の部分だったら、どういうことがきっかけで好きになったのかを具体的に決めて、後々にそれが効いてくるといいですよね。すれ違ったときに、でもオレはこいつのこういうところを好きになったんだ…!と再度自覚するとか、流れや繋がりを作ると長い話としてバランスがとれるのではないでしょうか。

サヤカ:
私の書き方はこんな感じです。
①テーマ(思想)を決める
②起承転結の4章を設定する
③章ごとの一行プロットを作る
④章の中のさらに場面に分けて詳しいプロットを作る
⑤プロットに沿って本文を書く

詳細プロットは起承転結の「転」から書くと書きやすいかなと思います。
「何がおきて」「最終的にどうなる」を先に考えて、あとで導入と展開を考える、いただいた例で言うなら「うっかり他の人が好きだと言ってしまう」ことの理由やシチュエーション、そのときの二人の行動を最初に考える感じです。
※私のプロットの作り方を別記事に書いたのでもしご興味のある方がいらっしゃいましたらどうぞ~

ひらかわ:
「何やかんやあって」の部分プロットでやりがちなんですが、そういう細かいところ詰めていかないと本文書くとき困っちゃう。逆に言えば、その流れだけ組み立てられるのなら細部をもっと詰めてしまいさえすればプロットになるのでは? と思います。
しかし私もプロットは全然得意ではないのだった。
プロット、作ってる最中にもうこれが本文でいいんじゃない? ってなるんだよね~~~!!!!! プロット作ってひとっ走り終えた!!! みたいになっちゃう。
以上、お悩みへの同意でした。


物語を書く時にプロットは立てますか? 立てる人に質問です。何文字規模の作品からプロットを立てますか?

emu:
5000字未満はプロット立てない、5000字以上はプロット立てる!
理由は5000字未満なのに3000字のプロットを立ててしまうことがあり、時間が勿体なく感じたから……。

ことは:
どんなに短くても、書きたいセリフやシーン、詰めたい萌えポイントなどを2~3個はメモしてから書き始めますかね。書きながら思いついたこともその都度メモっておきます。忘れるので。
ちゃんと展開を考えてプロットを立てると3,000字以上はいくかもしれない。何字にしよう!と思って書き始めないので、字数基準というより、今考えた展開忘れそう!と思ったら立てます。

サヤカ:
何字でもたてます。私はプロットをたてないとテーマが途中でブレたり薄まったり、伏線の回収を忘れてしまったり、うまく着地できなくなったりしてしまうので…。今のジャンルで書いた一番短い話がたぶん3600字で、800字程度のプロットをたてました。

ひらかわ:
本にする話、つまり2万字以上の時はプロットをたてます。ウェブに上げる話はたてない、頭の中だけで決めるし書きながら流れも好みのままに変えちゃう。ただ、手が止まったときに指針をなくすんだよねプロットないとね。


私はとにかく物語を書き始めても終らせることが出来ません。どうすれば完結させることが出来るでしょうか?

emu:
先にオチから決めとくといいと思います!
こういうオチにしたいな〜から始めると自ずと物語は収束していくので。

ことは:
”どこを終わりとするか”が大事なのかなと思います。
伏線を張ったのならそれは回収すべきですが、そうでないならどこで終わらせようと書いた人が終わりと言えば終わりです。考えている展開を書けないまま放置してしまう、ということであれば、書きたいシーンだけを別々に書いて、あとは間を埋めて辻褄を合わせればなんとかなります。

サヤカ:
プロットをたてずに書き始めているようなら、プロットを最後まで書いてから本文を書き始めるといいんじゃないかな~と思います。プロットに肉付けするつもりで書いていけば、プロットが終わってるなら本文も終わります!

ひらかわ:
短い話を書くことから意識して、終わらせる練習をすればいいのでは!
これどういう展開かな~どうやって終わるかな~という想像しながらいろんな小説をインプットするのも練習になるかもしれません。


情景描写がすごく苦手なんですが、どう文章を組み立ててますか?

emu:
「何を」「どこまで伝えたいか」が大事なのかな…? と思っています。キャラクターが何を考え、何を見ているかを客観視して書き起こすのが一番の近道……なんでしょうか……。
ひとまず、情景描写3:セリフ3:心理描写3:風景描写1で書いてみては!

ことは:
私は視点を意識しています。カメラがどこを向いているか、なにを映しているか、アップなのか遠景なのか。そこから読み取れる心情はどんなものか、を想定して書きます。あと、音とか温度とか匂いとか手触りとか、五感の描写も入れます。これも心情とリンクさせます。

サヤカ:
私は一人称で書くことが多いので視点キャラの五感に沿って書いています。最初に何か見るなり聞くなり嗅ぐなりして、そこから掘り下げるか広げる。カメラワーク的にロングからだんだんアップにしていく、またはその逆にすると書きやすいかもです。
でも自分で苦手だ~と思うならたぶん書いていて楽しくないと思うので、無理して書かずに、書いてて楽しいキャラのセリフや行動をメインに書けばいいんじゃないかな!

ひらかわ:
情景描写って……何。ってググってしまった。
キャラクターの仕草や姿勢ばかりを表現しすぎたなと思ったときに、感情に沿った景色や感覚の動きを入れるようにしています。
完全に「なんとなく」やっている。
みんなどう組み立ててるんだろうね……。


字書きの皆さん、小説内の情景描写はどこまで書き込みますか?書き込み過ぎるとゴテゴテになってくどくなりますし、どの程度が丁度いいのか知りたいです。もし良ければ回答ください。

emu:
完全に好みだと思いつつ、
情景描写3:セリフ3:心理描写3:風景描写1
の割合で書くと個人的には丁度いいです。
私はとにかくキャラにセリフをいっぱい喋らせたいし、心の中で無限にぐるぐるしていて欲しいのでこの割合です。風景描写0レベルになることが多い。

ことは:
一つ前の質問の回答とかぶりますが、情景描写が心情描写のつもりで書いているので、ここは丁寧に描写したいな~って思ったら書き込みますし、ここはてきと~に流したろ!ってところは程々にします。
例えば、シリアスなシーンでさらに緊迫感を高めたいときは「〇〇は冷たい声でそう言った」とするより、「〇〇の声は低く響いて地面を伝い、この身を震わせるようだった」とする方がより伝わるんじゃないかなあと。
とはいえ好みの問題だと思うので、自分がどっちを好きかで決めたらいいんじゃないかなと思います。

サヤカ:
たとえば「長い時間を一緒に過ごして信頼を深めていく二人」の話だったら四季折々の風景の移り変わりとかなにげない街の様子とかを丁寧に描写するのも素敵だと思うし、いちゃいちゃラブコメやエッチな内容がメインとかだったら情景描写はまったくなくてもそれはそれでテンポが良くていいと思います。お話の内容と好みで完全に自由にしていいのでは?
強いて言うなら意味を汲みにくい(なんのための描写なのかわかりづらい)情景描写が多いと話が進まないので、私は省いています。

ひらかわ:
わかんない。。。。。。。


(1)自カプの関係性や萌えポイントを何とか言語化するまでは辿り着くのですが、二次創作するにあたって、それを「物語」に落とし込むことが大変苦手です。どのようにして解釈・言いたいことを話の内容に組み込んでいますか? 方法、考え方の道筋を聞かせていただきたいです。(プロットの立て方と被る話題かもしれないです……すみません😭)

(2)寡黙なキャラの会話文、どうしていますか? 現在好きなカプの片方が本ッ当に喋らない人で、話しかけられても一言よくて二言くらいしか返さないタイプ(自分から話を切り出すことなんてほぼ無い)のため、とにかく話を進められなくて悩んでいます。無理やり台詞を付けては「この人はこんなこと言わない」の繰り返しで……。テンポの良い、無駄のない会話文に心底憧れます。
寡黙なキャラという条件を抜きにしても会話文は非常に苦手なので(……)なにかコツや、気をつけていること等あればぜひ聞かせていただきたいです。

emu:
(1)言語化まで出来てるならあとちょっとでは!!
例えば送り主さんの思う萌えポイントが「攻めの髪の毛がツンツン」だったとして、それに基づくストーリーって死ぬほど考えられると思います。
そのツンツンは生まれつきなのか? それともヘアセットしてるのか? セットしてるならどれぐらいの時間かかってるんだろう? ってことは髪の毛おろしてる瞬間があるのかも? それを見た受けはどんな気持ちになるかな?
こんな感じで一つの萌えをガンガンに掘り下げていって、その妄想が入れられるエピを考えればいいのかな? と。
今の例でいうと「攻めの髪下ろしてる姿初めてみた…!」から始めれば全部入れられそう〜。

(2)その昔、陽キャと寡黙のカップリングが好きだった者です!
その時は基本、寡黙には原作以上の量は喋らせず、陽キャが色々察してるよって話にしてました。表情を読み取ってるから分かるよとか、逆に全然読み取れない瞬間があるから不安になったよとか。陽キャに動いてもらうことの方がどうしても多かった。
でも、寡黙も寡黙というだけで心がないわけじゃないから、それこそ三人称視点で「実はこのように思っているようだ」的解説入れまくればいいんじゃないかなと思います。
寡黙キャラの一人称視点モノローグほど難しいものないよね…。

ことは:
(1)よくある題材とか自分好みのお話に落とし込んで、パターン分けしてみるとかはどうでしょうか。
例えば、私は「身体の関係から始まってハピエン」話が好きなのですが、まず始まりからして、両片思いなのか攻めの片思いなのか受けの片思いなのかどっちも別に好きじゃないのかで4パターンありますよね。それぞれのパターンで自カプだったらどう行動するかな?と考えてみることで物語が出来上がります。しかもなんとこれをやると4パターンの話ができてしまうのです!

(2)寡黙なキャラに喋らせるのは諦めた方がよくないですか…? 質問者さんもコレは違う、と思っているようですし…。会話文のコツというか、そのキャラらしい話し方になるように言い回しや語尾は気を付けています。あとはまあテンポというか…めちゃくちゃ喋るキャラでない限りは長文を喋らせずに、適宜聞いてる側の合いの手を入れます。

サヤカ:
(1)「そのキャラがどう行動したら萌えるか」「どう行動させたらそのキャラの表現したい面を表わせるか」を考え、そう行動させるための「アクシデント」を考えます。どんなアクシデントが良いかは商業作品からインプットするのが良いかな~と思います。

(2)寡黙なキャラ書いたことない!他の人助けて……。
通常のキャラの会話で気をつけていることは「会話で問題を解決しない」です。私の場合ですが、会話で問題を解決させるとセリフが冗長になりストーリーの起伏が小さくなるので、問題を解決する(ストーリーを動かす)のは出来事やキャラの行動にしたいと思っています。

ひらかわ:
(1)その関係性や萌えポイントを表現するに適した「事件」をまずでっちあげる、それを「解決」することがストーリーに繋がる、ので、そうやっています。
Aのことが苦手なBがある日コンビニでお金足りなかったときにAに小銭を貸してもらったというのが「事件」、BはAに後日お金を返したいんだけど、じゃあどういう方法で「解決」するか。お金を返されたときのAの反応は。みたいな感じで……。

(2)「この人はこんなこと言わない」という自分を「でも、それは本編での話!! 推しカプ二人っきりの時は、言うんだよ!!!!!!」って力でねじ伏せる。だってそういう幻覚が、同人だから……。
あとは、セリフじゃなくて、普段はどうやって他の人と意思疎通をしているのか、頷いていたり、ハンドサインがあったり、視線や表情、そういう描写を盛り込むといいんじゃないでしょうか。寡黙な子が頷く、それを見てさらに相手が話を続ける、そういうやり取りをセリフの合間に入れていけば会話のようになると思います。


とにかく短い話が書けません!!!ただ推しカプにキスさせるだけで1万字です!!!1000〜2000字ぐらいでまとめたいしスナック感覚で読んで欲しいのに全然出来なくて苦しいです!!!助けてください!!!短くまとめる才能が欲しい!!!!

emu:
推しカプにキスさせるだけで1万字、普通に才能だからそこを伸ばしていった方がよくないッ?
1000字で済ませたいならセリフ4:心理描写5:情景描写1の割合で書けばいいと思います。割合の話ばっかりしてすみません……。

ことは:
キスさせるだけで1万字って、キスシーンに1万字かけてるわけじゃなくて、そこに至るまでのことを色々書いてますよね?
書きたいシーンを一つに絞って、そこだけを書けばいいと思うんですが、それが難しいですか? どうしてもたくさん書いちゃうんなら、書き終わってから該当シーンの前後を思い切って削除する!短くまとめるというのはそういうことだと思います。もったいない、ここも書きたかったところだし…と思うのなら、そこも含めたうえでの1万字の作品です。短くまとめるのは諦めてください。

サヤカ:
書きたいことを詰め切らないまま書き始めてるから着地できないのかな?もしそうなら書き始める前にプロットをたてれば解決する気がするけどどうだろう…。ちなみに1000字でキスシーンならもう唇くっついたところスタートでいいと思います!

ひらかわ:
プロット立てるとたぶん書きたいことが整頓されすぎて情報が多くなりたくさん書きたくなっちゃうよ!!! 勢いだけで突っ走ったほうがいい! 唇くっついたところスタートでいいのは同意です。もしくはキスに至る仕草や感情の動きなど描写する要素を絞ってしまえばいいと思う 景色とか、周囲の音とかは、省く!


「あなたが書くものは小説ではなくポエムだ」と言われたことがあります。恐らく心理描写と一人称メインで情景描写がほぼないからだと思います。どうすればポエムから脱却できますか?

emu:
そんなこと言ってくる奴は殴れ!うそうそ 殴っちゃダメ でも怒っていいよ!!
ポエムって散文的なことを言うんだと思うので、普通に時系列立てて順序よく会話させたり描写すればストーリーになると思……います多分……。
私は逆にポエム書きたくて書くことあるぐらいポエムが好きですよ!!!!

ことは:
それを言った人は失礼にも程があると思いますし、ポエムにはポエムにしかない良さがありますが…。質問者さんがなんとかしたいと思うのであれば、ということで。
お話に展開がないからポエムのように感じられている…ということはないですかね? 展開というのは、変化とも言えますが、最初AだったものがBというきっかけでCに変わった…とか、そういうのです。もちろん変化のない物語もありますが、わかりやすい例として。なんらかの変化を描いたお話を考えてみては?

サヤカ:
シンプルに失礼じゃない?人の書くものに…そんな…そんな人には書いたもの見せなくていい!!怒
もしもご自分でも気になるようなら、たぶんストーリーというか「時間の流れ」と「出来事」がないからかな?と思います。なんかこの答えばっかりになっちゃいますが、書き始める前にプロットをたててみてください。
でも私はポエムとかモノローグとか大好きです!

ひらかわ:
情景描写がないとポエムになるの?(情景描写という概念のことまったく理解してなくてすまん)ポエムでもいいじゃん!!!!
作風!!!!!!
脱却したいのなら自分で自覚している心理描写と一人称メインという部分を意識的に避けて書いてみればいいと思います。
でも作風が!!!! あるから!!!!!!! 作風を大事に!!!!!!!


私は自カプに美味しいご飯を食べてもらいたい腐女子なのですが、美味しいご飯の描写が冗長になってしまい全然美味しくなさそうです。シズル感強めの、美味しそうな描写をしてみたいと思うのですが、何かコツはあるでしょうか?

emu:
書き手の主観を入れないに尽きると思います。
「美味しそう」「飲みやすい」「食べやすい」みたいな描写は排除し、完全に客観で見たままを書いていった方が、読み手が自由に行間や奥行きを想像してくれるから共感を得やすいと感じています。グルメ情報誌とかが良い例かと!(でも私は食事描写を殆どしないな〜と回答考えてる時に思いました 感想)
あと、単純にメニュー名の羅列(サーモンと枝豆のクリームパスタ、キャロットラペと◯◯豚のパテ、みたいな)だけでも食欲唆られる!

ことは:
小説でご飯美味しそう、は、けっこうハードル高くないですか…!?
擬音語とか擬態語を多用するくらいしか思いつきません…。よく冷えたビール、より、キンキンに冷えたビール、みたいな。格調高い文章より大衆的な言い回しの方が伝わる気はします。これは私が庶民だからかもしれません。

サヤカ:
そもそも文字による食レポ系ってとても難しいことだと思っています…。
キャラの感じた順番に沿って五感の描写をするのはどうかな~? まず匂いとか見た目で掴んで、そこから音とか食感とかで、最後に味…。実際に同じ物食べてみて自分の感想をメモっておくとか…?

ひらかわ:
私も知りたい。。。。。。。。
他の人が書いた「おいしそうだな~」という描写を、なぜそう思うのか分析するところから掘り下げるしかないと思います。香りの描写があるからか、見た目の描写があるからか、材料が書いてあるからか、濃厚とか淡いくちどけとかそういう唇や舌で触れたときの感覚の描写があるからか。。。。。

※こちらの質問はスペース中にひらかわさんより「食事の前後の描写も重要かも。お腹をペコペコにさせている、という前提をしっかり書いておけば、おにぎり一つ食べるだけでもとても美味しそうに思える」との意見も出ました。


私はとにかくエロを書くのが苦手です。エロ自体は大好きなのですが、エロく書けません…。ヌケるエロなるものが書いてみたいです。
エロをエロく書くために必要な技術を教えていただきたいです。切実です😭

※R-18系の質問の為、18才未満の方は飛ばしてください。

emu:
好みによりすぎるからこれ!というものはないんですが、「ヌケるエロ」であればセリフは受けにも攻めにもバカみたいにエロいこと言わせるべきだし(AV参考にするとか)♡乱舞させるとテンション上がるし、射精は無限にすべきだし、受けがわけわかんなくなって攻めに誘導され言うつもりなかったこと言わされるべきだし、奥の壁コンコンされて結腸抜かされ潮も吹かされましょう!
そういうエロ大好き〜〜百万回読みたい〜〜!
あと単純に、体位の説明や情景描写が多いと気が逸れちゃうのでほぼ入れなくていいと思います。

ことは:
私も知りたいです!!
でもやっぱり個人の好みというのは如実に文章にあらわれると思います。好きなプレイのシーンだと熱が入って描写が濃いめになってしまいますし…それがエロいかどうかは置いておいて。好きなプレイを中心に流れを考えてみるとかですかねえ…。
ちなみに私は実況系が好きですね。攻めでも受けでも。

サヤカ:
これはまじで私が聞きたい…。何をエロいと思うかは人それぞれなので自分がエロいと思う文章を研究するしかないかも…。ちなみに私は行為そのものより行為中の会話にエロさを感じます。

ひらかわ:
擬音を入れるようにしています。
エロマンガにもずぷっずぷっ♥ぬっこぬっこ♥どぴゅ♥っていっぱい書いてあるのは抜けるからだと思う。
あと登場人物の期待とか不安、焦り、そういう「平時では起こらない感情の変化」を入れると、わあ、スケベな場面なんだ!!! ってなるかもしれない!


イベント合わせで本を出そうと思い、イベントに向けて原稿を始めたところ、同CPの人気のある絵描きさんが自分が既に書いた内容のワンシーンと酷似したネタをTwitterにあげていました。偶然の被りとは言えパクったのでは無いかと思われないか不安が残ります。この状況下になった場合、皆さんならそのエピソードをカットして、別のエピソードを追加しますか?私は結局そのエピソードはカットせずに本を出し、誰からも何も言われる事はなかったのですが、また同じような事があった際に頭を抱えそうなので質問させて頂きました。該当の事が締め切りまで余裕がある時と、あまり余裕のない時に起きた時、皆さんはどうしているのでしょうか?

emu:
気にしたことマジでないです。
みんな同じものに萌えてるんだから同じ設定とかに行き着きませんかね?

ことは:
あまりにも特殊なネタで世界に自分とその人しか書いてないんじゃないかと思うようなものでない限りそのまま出します。つまり大体そのまま出すと思います。ネタ被りとかよくあると思いますけどね。気にしてたらなんも書けなくなっちゃいますよ。

サヤカ:
なんも気にしないでそのまま本出します。二次創作でネタ被りはあるあるだし、自分で思うほど似てないってこともあるので。偶然見つけちゃったら悩むかもだけど、気づいてないところでネタ被りたくさんあると思うし…。(スペースでこれ言ったら誰かが「シュレーディンガーのネタ被り」って言ってた)

ひらかわ:
気にしません。
ワンシーンならなおさら気にしません。
同じ原作読んでるんだから同じ発想、出てくるでしょ、当然!


パソコンを開く才能が無くて一年近くパソコンを開いていません。どうしたらパソコンを開く才能が身につきますか?

emu:
スマホで書きな

ことは:
パソコンを開く才能という言葉を考え付く才能があるので、それをスマホとかで活かせばいいと思います。スマホなら寝っ転がっても書ける!

サヤカ:
もはや人生にPCが必要ないってことだから無理に才能身につけず寝転がってスマホで書きな

ひらかわ:
スマホで書きな
私はiテキストというアプリ使ってます


A5サイズ50pの本一冊書き上げるのにどれぐらい時間がかかりますか?

emu:
表紙制作とか含めて余裕もって一ヶ月ぐらいですかね。
でも何ページの本だろうと結局締め切り前の一週間が勝負みたいなところあるから…分からない…。

ことは:
本文50Pなら大体5万字ですかね。毎週末に1万字ずつ書いていって、5週間かな。正味でかける時間なら6~7時間/1万字なので、30~35時間くらい? でもまあ、平日は時間取れませんし、集中力が続かないので1か月以上はかかります。

サヤカ:
本文44ページくらいで40000字弱くらいかな?たぶん〆切1ヶ月前に5000字書いて最後の1週間で35000字書く…。私は駄目な人間なのでどれだけ〆切まで長くても同じことすると思います。

ひらかわ:
その長さの本を完成させるのにかける時間の分だけ体力と集中力が続きません。要するに私には書けない量です。本を出すときはいつも28ページくらいを目標に、2万字程度書ければヨシとしています。一ヶ月あればいけるか…?


小説を書かれるみなさまに質問です。
本の表紙はどうやって作られていますか?
使っているソフトや、素材(写真、イラスト、イメージ画像等)、デザインの作り方やこだわり、どのくらい時間がかかるか……など、表紙の作り方について、みなさまそれぞれのやり方を教えていただきたいです!

emu:
最近はもう自分でデザインする一択です。下手の横好きだけどデザインするのが好きなので。
ソフトはIllustratorとPhotoshopのみ。
素材は基本無料/有料のベクター素材を使っています。写真を使う場合は自分で撮っちゃうことが多いです。
時間さえあれば装丁は凝りたい派なので、ざっくりと話の筋を考えたら速攻でタイトル考えて、本文入る前に表紙作って終らせちゃいます。かける時間は1〜2日。
①ラフを描く
②イラレに取り込んでパスで線をなぞったり文字置いたりする(写真とかイラスト使うならフォトショで加工とかする)
③色々付け足して自宅プリンターで印刷、色の出方とかざっくり確認
④最終調整して終わり。全面箔する時とかは想像では限界があるので印刷所によるけど試し刷りすることもあります。
装丁については別記事も書いているのでご興味あれば〜

ことは:
ソフトは、Photoshop Elementsです。素材を使って自分でデザインする場合と友だちにお願いする場合とデザイナーさんにお願いする場合があります。自分で作るときのこだわりはたった一つ、ダサくならないように!ですが、達成できているかはわかりません。大体1日かけて作って、途中でもうええやろ!!ってなって終わりです。なんにも参考にならなくてすみません。

サヤカ:
・自分でデザインする
・emuちゃんにデザインしてもらう
・自分で絵を描く
マイナーカプのときはアピール?の意味で絵を描くこともありますが、たいてい恥ずかしくなって後悔するので最近はデザインにしています。絵を描くときはSAI、デザインや画像加工はPhotoshopCC。
自分で作るときは1日か2日で作っておいて〆切前に手直しします。シリアスな内容の本が多いのでポップで可愛くならないように、きれいめを心掛けています。
フリー写真サイトの「O-dan」オススメです。

ひらかわ:
GIMP2.0というフリーソフトで作っています。普段からツイッターで回ってくるお勧めフリーフォントをダウンロードしておいて、あとはでっかめにタイトル文字ドーン! をデザインと言い張っている。
写真を使うときは自分でスマホで撮ったものの中から加工します。
デザイン思い浮かばないときは「同人誌 表紙 デザイン」で画像検索してぼーっとしている。
表紙を作るという時間が本文作業の息抜きになることが多く、意外と楽しくやっています。

文章を書く時のツールを教えてください。PCなのか、iPadなのか、スマホなのか、Wordを使っているのか、メモ帳的なものなのか、家でやるのか外でやるのかなど。

emu:
テキストエディタ使ってPCで書いたりスマホで書いたり(クラウドに保存してるので外ではスマホ、家ではPCで書いてる)して、キリのいいところでInDesignに文字流し込んでバランス確認…の繰り返しです。基本原稿は家でやる!

ことは:
PCでWordを使っています。家でやります。Wordの自動字下げだけは絶対に解除しておきます。

サヤカ:
PCでword、横書きで書いていって最後に縦書きテンプレに流し込んでます。
コロナ前はカフェや深夜のファミレスでやることもありましたが結局作業効率的には自宅でPC用に向かってでかいキーボードで打つのが一番でした。
外で書きたかった頃iPad用の無線キーボードを買いましたがタイムラグが気持ち悪くてダメだったので有線を買い直しました。

ひらかわ:
ウェブに上げるくらいの短い話は最近ぜんぶスマホで書いちゃってます。iテキストというアプリ使ってます。スマホで家で寝っ転がって書く。
同人誌を作るときもDropboxにテキストファイル入れてPCからでもスマホからでも作業できるようにしています。
ポメラDM100を持ってルノアール行って書くことも多い。ルノアール、作業で長居している人が多く、気まずくないので。


文章を書く時にこれは必要!というツールがあれば教えてください。お役立ちツールなども教えてもらえると嬉しいです。

emu:
・連想類語辞典
https://renso-ruigo.com/

・日本語表現インフォ
https://hyogen.info/

・goo辞書(アプリ版でざっくり校正もする)
https://dictionary.goo.ne.jp/

・インターネット
分からないことはとにかく検索する

・「感情ことば選び辞典」「てにをは辞典」「感情類語辞典」「トラウマ類語辞典」「性格類語辞典」
などの辞典関係はめっちゃ読みます。経験も語彙もマジで無いため。

・AppleMusic
インストゥメンタル系の曲ずっと流してる

ことは:
類語辞典や画像検索はよく使います。Wordで特に不満を感じないので、他のツールをあまり使ったことがありませんが、一時期Nolaを使ってましたね。プロットを細かく分けられて、順番を簡単に入れ替えられるのは便利でした。ブラウザ上で使用するものなので、前のPCがネットに繋がらなくなって、そのタイミングで使わなくなってしまった…。けどまた使ってみようかな。

サヤカ:
・辞書サイト
・連想類語辞典サイト
・校正サイト「Enno
・(必要に応じて)ネット検索
・(家に家族がいるとき)耳栓として密閉性の高いカナル型イヤホンと雨の音のBGM
・疲れ目用の高い目薬

Ennoは誤字脱字の指摘に加え、間違えやすい言葉も確認してくれます
たとえば「自身」って書くと「『自信』と誤変換しやすいから確認してね」って教えてくれます

ひらかわ:
・スマホ
・こういう表現あったっけ……と検索するときgoogleに入れて確認する(国語能力が低いため)
連想類語辞典もめちゃくちゃ頼る、そうでないと同じ表現が頻出しまくる。


伺いたいのが字書きの皆さん、読み返したい小説ってどのような小説だと思いますか?
何回くらい、好きな話を読み返しますか?ということです。
どうぞ宜しくお願い致します。

emu:
自分の萌えがそのまま出力された!みたいな、好みドンピシャ!な小説があると本当に無限に読み返しますね。ついこの前も6年前に買った神小説同人誌再録本(250p)全部読み返した〜〜〜
誇張無く100回以上読み返してる神小説(?)教えます。これです(怖くないけどホラー注意)→https://note.com/occultmm/n/n4d8d4fce3d42

ことは:
好みど真ん中の展開のお話だと繰り返し読みますね。ふと思い出したときに読むので…何回かはわかりませんが。

サヤカ:
どういう小説が読み返しやすいという法則はわかんない…「好き!」って思った話は商業でも同人でも20回も30回も読み返しますね~
まあ現実問題、100万字200万字の話は読むのにも時間と体力が必要なのでそこそこの長さの話のほうが(回数的に)よく読み返すってことはあるかもです。

ひらかわ:
印象的で独創的な盛り上がりのある小説、これはこの人にしか書いていない山場だ!!!! という小説は折に触れ読み返します。何回か、を意識したことはない……もう十年以上前に読んだ本の盛り上がりシーンをいまだに頭の中で反芻したりなどしている。


どうしたら沢山の人に読んでもらえますか?
私はずっと小説を書き続けているのですがフォロワー数も伸びず、小説をTwitterに投稿してもRTもいいねもほとんどつきません。
まずは知ってもらうところから、と思い色々なタグにも参加してしますが興味を持ってもらえないです。
皆さんは、どうやってジャンルの人に知ってもらいましたか?
ぜひ教えてほしいです。

※この質問、あまりにも分からなくて全員頭を抱えまくりました

emu:
分から〜〜〜ん!
Twitterに投稿する時、画像ってつけてますか?
体感でしかないんですが、個人的には画像をくっつけた方が目に留めてもらいやすい気がする…? から、もし文章が長いから画像全部はつけれないよって時は、pixivとかベッターのアドレス+冒頭4枚だけ、でも画像つけると違うかも。
私は「カップリング名 pic」で検索することが常なので、小説画像がそこで引っかかってくれるとほぼ100%読みます。凄く助かります!

ことは:
難しい…………。
これを好きな人読んでください!って力を入れたポイントをアピールするキャプションをつけるとかですかねえ……。
pixivに上げるなら表紙画像を自作するのもいいのかな? テンプレだと埋もれたり、前後の作品と同じ表紙になってしまったりするので…。

サヤカ:
難しいですね~~…読んでほしいよね…わかる…
ぱっと見の視覚情報は大事だと思うので、Twitterに投下するときあらすじやキメ台詞を書いた画像を1枚目につけるとかどうかな…? あと私はPixivキャプションに2~3行であらすじorセリフ付けてます。
ラノベみたいな「〇〇が××する話」ってタイトルは当社比で読んでもらえたので、作風に合うなら試してみるのもいいかも? 私もジャンル1冊目はそういうタイトルで投稿して、本にするときしれっと改題しました。

ひらかわ:
私も教えて欲しいです!
同人誌の宣伝するときは、キャッチーなツイートになるように、画像とかつけるようにしています。
でも難しいですね。小説、リンク踏んでもらわないとtwitterでは投稿しづらい、けどリンクを踏むという工程ひとつ挟まるだけで人は面倒になっちゃうものなので、画像投稿をするとか……もうしてたらごめん。
知ってもらう、読んでもらう、好きになってもらう、感想をもらう、いっぱい段階があって全部でつまづくよね~~~マジで!!!!


長い話を書く時のコツを教えてください。技術的な部分というよりは精神的な部分でのコツを聞きたいです。※全体プロットは立てられているものとする

emu:
「友達に監視してもらう」一択です

ことは:
〇時まで書く、って時間決めて、その間はスマホを手の届かない場所に置いて、集中して書く、ぐらいしか…。字数目標より時間設定の方が私は書ける。もちろん適宜休憩を挟み、ゲームとかやりつつ。昼寝を挟んでもいいかもしれない。ただし起きれる保証はありません。

サヤカ:
私が教えてほしい…。
〆切がないと絶対書けないタイプなので、同人イベントがある…〆切に間に合わないと新刊が出せない…という気持ちでなんとか書ききっています。
心の支えにしてるのは、あんまいい言葉じゃないかもだけど「出ない神本より出るクソ本」。
あと「原稿中は自分の書いてるものがめちゃくちゃつまらなく思える」という現象を理解しようと思っています。つまらなくない!これは一過性のもの!気にせず書ききるのだ!!

ひらかわ:
夜、薬で酩酊している間に書きまくる。
翌朝見ると知らんうちに本文が伸びており、嬉しい。
↑でもこれせいぜい二万字の話だからな


小説を書く時に決めているルールがあれば教えてください。例:絶対に「ひとり」の字をひらがなにするなど

emu:
一作の中でわざとじゃない部分以外の表記は揃える…ことを最近覚えました。「筈」と「はず」が混在しないようにするなど。
あと「達」は「たち」、「お前」は「おまえ」など、漢字表記や表現は原作準拠にしてます。あと細かい表現も…「僕ら」じゃなくて「僕たち」にするなど。

ことは:
会話文は文法とか多少間違っててもいいけど、地の文では極力間違いのないようにしています。
例えば、会話や心情部分では「~なんじゃないか?」と書くところを、地の文では「~なのではないか?」にする、みたいな。

サヤカ:
特にないな…?一人称を原作に合わせることくらい…。原作が「オレ」って書いてるなら「俺」じゃなく「オレ」に合わせるとか。あと読みにくそうな漢字はひらくとか…ルールってほどではないです。あと「こと・もの・ところ・とき」は原則的にひらがなで書きます。

ひらかわ:
特になし。「からだ」は「身体」で変換しがち、そのほうがエッチな気がするので(?)


小説を書いている時の、最も楽しい瞬間と最も苦しい瞬間を教えてください。

emu:
楽→キャラが言いそうだわ〜!ってセリフ思いついた時、エロ書いてる時
苦→キャラが言いそうにないわぁ…ってセリフ以外思いつかない時

ことは:
最も楽しいのは、キャラが傷ついているときの心情描写と、好きなエロシーンのプレイを書いているとき。
苦しいのは、書いても書いても終わりが見えないとき。立てたプロットの半分くらいにきたときが一番苦しい。

サヤカ:
(楽)最後の一文がいい感じに思いついてエモく終われそうなとき
(苦)エッチなシーンを書いてるとき
それならエッチなシーン書かなきゃいいと思うじゃん!?書きたいんだよ!この二人にはそういう”事実”があるということをちゃんと書きたいんです!!ハァハァ

ひらかわ:
たのしい) エンドマークをつけたとき
くるしい) 見せ場、山場を書き終わったのにエンドマークをつけるために書き進めなきゃいけないとき


同人誌で好きなサイズ(A5/新書/B6/文庫など)とその理由は?
出す側として、読む側としてそれぞれ教えてほしい~

emu:
装丁を凝ろうとするとA5が圧倒的に出来ることが多くて選びがちです。本文用紙はキンマリ大好き。
読む側としてはA5もB6も新書も文庫もなんでも! 中身がすべてです!!!

ことは:
出す側としてはA5一択ですね。一番ページ数を抑えられるし、つまり印刷価格と頒布価格を抑えられるから。読む側としての好みはまったくないです。なんでもいい。大事なのは内容なので。

サヤカ:
ずっとA5でしたが今のジャンルは全部文庫です。小さくて持ちやすいのがいいし、背表紙にもデザイン入れられるので並べたとき満足感がある…。でもまだまだできる装丁に制限があるし印刷代も高いよね~
読み手としてはまじでなんでもいいです!

ひらかわ:
B6サイズにハマってました! 持ちやすいし表紙デザインもこじんまりしたやつでキマるので。読むぶんには好きな書き手さんの本なら何も気にしない、A5サイズ1段組みでも良い本は良いと思いました。強いて言うなら字の大きさが読みやすいと嬉しい。


みなさんは起承転結、エンタメ性の高い文章を書くときどうしていますか?
私も文字書きなのですが、起承転結が弱く、ストーリー性より心理描写をとりがちです。その弱点を克服したいので、ぜひ、教えていただきたいです。

emu:
わかるよ〜!
心理描写に重きを置きすぎると、起承転結じゃなくて起止まりでオチちゃうことありませんか? なんか…なんも動かんかったな、話…。みたいな…。
と、いうことで、そういう時は無理やり場転するといいですよ。物語の時系列自体を進めちゃうという荒業を使うんだ!!
エンタメ性に関しては、驚かせることも勿論のこと、「ここでこの展開が来て欲しい」を忠実に再現してあげるのも一種のエンタメ性なのかなと思います。
あとはPREP法使うとか? 結論最初に持ってきてそれを紐解いていくストーリーもエンタメ感あって好きです。転起承転結!

ことは:
エンタメ性の高い文章が書けているのかはわかりませんが、自分では長い話を書くときドラマっぽい演出を意識しています。次回への引きが強いシーンで一旦場面転換をするとかです。

サヤカ:
起承転結が弱いと思う場合は「起承転転結」にしてみるとかどうですか?
あのですね…「イナズマイレブン2 脅威の侵略者」って作品がありましてね…
宇宙人にいきなり学校壊されて(起)、長い旅路(承)の果てに宇宙からの侵略者をやっと倒して(転1)、母校に帰ったら元チームメイトたちが全員闇落ちして闘いを挑んでくる(転2)のには度肝を抜かれました。
転のあとにまた転があるの、エンタメ性高くないですか?

ひらかわ:
イナズマイレブン2 驚異の侵略者は、ラストバトルだ!!!と思って挑んだ戦いがめちゃくちゃ難しくて、あーでもやっとクリアした!!!学校帰ってエンディングだ!!!のところで闇落ち仲間と再会、マジ絶望だったよね。
エンタメ性ってそういう、度肝を抜くような展開、「転」のインパクト勝負ではないでしょうか。
キスする話だと思わせておいて、登場人物も片方がそう思っていて、さあやるぞやるぞ、と「承」まで引っ張って、いよいよキスか!??!? となった場面で、もう片方の人物が思いきり唇にグーパンチ浴びせて歯をへし折るとか。
えっ!??!? 何が起こったの!???!! てびっくりしますよね。
何が起こったのかは私も知りませんが……そこをこじつけるストーリーを作れば楽しいと思う……。
そんで最後に、わ~血が出てるよ。って唇の血を舐めてあげればキスのノルマも達成、嘘じゃないです。
この場合、虫が止まってたとかすぐ思いつく理由じゃなくて、マジで殴られた方には理解できない理由が存在するといいと思います。完全に私の好みじゃんね。


値段設定ってどう計算されますか?
ページ数で決めると漫画に比べてどうしても割高になりますし、いつも悩んでいるので参考にさせてもらえたら…!

emu:
装丁爆盛にしようが関係なくページ数×10です
漫画に比べて割高ってことありますかね? それって漫画に対して小説は文字だけだから……みたいなことでしょうか?
かけた時間は同じ、情熱も同じ、それなのに卑下することなんて一個もないと思いますよ! 全然見当違いのこと言ってたらすみません!

ことは:
私は古の同人書きなので、以前から言われていた「ページ数×10円」をベースに印刷費用と照らし合わせて考えます(印刷代がかかったからといって価格に上乗せするという意味ではなく、安くなる方に合わせる感じです)。並外れて安いとか高いとかでない限りは適当に決めていいんじゃないですかね。

サヤカ:
基本はページ数×10で、文庫の場合はA5の文字数と同換算にしてます。
A5/60Pなら600円、文庫/120Pでも600円。
印刷代いくらかかったかとかは値段には反映していません。

ひらかわ:
26ページから36ページくらいまでなら300円、みたいな感じでぼんやり決めてます。印刷代で割り算とかはしないです。常に赤字。趣味ってお金を出すものなので…(そんなに部数の出ないサークルなのもあります)
漫画と比べることに意味あるかな? 価格低すぎても手に取りづらい不思議な心理ってあるし、自分で堂々と決めちゃえばいいと思うよ〜


字書きさんはどんな時に話を思いつくのか(ふとした時に思いつくのか、何かを見た時に思いつくのか…などなど)をお聞きしたいです!

emu:
音楽を聴いてる時、小説を読んでる時、短歌を読んでる時、が比較的多いですが、イメソン文化とかちゃんと触れたのかなり最近なので、基本的には「考えるぞ!」と気合い入れてます。降ってくることとか全然ありません!

ことは:
過去の印象的な経験をふと思い出したときや、二次創作やBL作品などであるあるネタ(記憶喪失とか転生ものとか)を目にしたとき、これを自カプにあてはめるとどうなるかな~って考えます。

サヤカ:
お風呂で髪を洗ってるとき、お皿を洗ってるとき、ウォーキングしてるとき、ガーデンスケイプ(中毒性の高いパズルゲーム)をしてるとき…たぶん身体が動いてて頭が空っぽなときに思いつくんだと思います。なのでアイディアがわかないときはお風呂に入ります。

ひらかわ:
ハマりたてて情熱がいっぱいの頃は書いても書いても次が思いついていました。何をしてても考えてる。じっくり腰を据えて同人誌書こう…というときも、一日中あれこれ考えてることが多いので、こういう時! ってのはないかなと。


みなさんに聞いてみたい質問なのですが、小説を書くときに、出来事の時系列や、登場人物の感情の流れなど、辻褄が合うように整理したり、書き出したりされますか?
それとも感覚で一気に書く派でしょうか。

emu:
5000字未満:書き出さない
5000字以上:書き出す(プロット作る)
これを書いていて思ったんですが、プロットじゃなくてもエクセルで
[ 時間 キャラ 心情 行動 ]
みたいな感じで表にして書き出せば辻褄合わせることに関してはやりやすそうですよね。やってみよかな?

ことは:
プロットのことですよね。立てますね。私は両片思いすれ違いからのハピエンが大好きなので、すれ違いやそれを解決する流れを不自然じゃないように一生懸命考えます。そうはならんやろって書きながら思うときは読んでる人も絶対思うだろうな…とわかっているので、矛盾や齟齬がないようにします。

サヤカ:
プロットの質問と被りますが、私は短い話でも長い話でもプロットたてる派です~!

ひらかわ:
ウェブに上げる短い話のときは頭の中でだいたいの流れだけ組み立てています。同人誌作るときは出来事とそれに伴う登場人物の心情の変化をノートに書き出します。むかしは勢いだけで書いていました。今は先に考えておかないと辻褄を合わせる体力なくなっちゃった。


「文章を書く時にこれだけはしないようにしてる」ことってありますか?
逆に言うと、それさえしなければ文章がなんとかなるよみたいな裏技というか……。
もしあればぜひ教えてほしいです!

emu:
説明しすぎないように、ある程度余白が残るように書くことにしています。(ことはさんと真逆!)
理由は簡単、説明文がマジで下手なので冗長になりがちで、機動力及び求心力がクソ落ちることが分かっているからです……。
これ私が「できない」から「やらない」って話だな?
「しないようにしてる」だと、モブ視点の話を書く時に、モブに名前をつけないようにしてる…かな? これはただの好みです。読み手の時も、モブの完全一人称で名前呼ばれたりもしない話が凄く好き〜

ことは:
分かる人だけわかればいい、と思わないようにしています。なにが起こっているのか、キャラクターがなにを考えているのか、絶対伝わるように書きます。(そうするとめちゃくちゃ説明しまくって話がどんどん長くなるんですが、説明するのが好きなのでもう仕方ないと思ってます)
あと、過去形と過去形、現在形と現在形が重ならないようにしてます。
「〜した。」の後は「〜する。」そうするとなんか読みやすい。

サヤカ:
書かなくてもいいことは書かないように心がけてます。特にキャラの心理描写において、たとえば「Aはうつむいて唇を噛み締めた。悔しかったのだ」の二文目みたいなのは書かず、 悔しかったのか歯痒かったのか笑いを堪えたのかは読み手に委ねたいと思ってます。
あと二次創作において、原作の基本的設定とか公式ストーリーそのまま書き起こすとか、「読み手が既に知ってる情報」は長々読まされるとストレスかな~と思うので可能な限り書かないようにしています。

ひらかわ:
読み手に余計な負担をかけないために、誰のセリフなのか分からない書き方はしない、シーンの時系列は明確にしておく(回想を入れるなら始まりと終わりが読者に伝わるようにする)、とか気をつけています。
基本的に素人の書いたもの読むの絶対ダルいだろうから負担を少なく…の精神です。場所や風景の説明もストーリーを進める上で必要なことしか残さない。これって地の文というより単なる解説じゃん…みたいな文章も削るようにしています。具体例が難しいんですが、書き手(私)の単なる思い入れとか理屈の部分は邪魔で、それを書かなくても伝わるストーリー作ったはずなので消します。


書いてるときに映像や静止画が見えていたりしますか?自由に巻き戻しや一時停止、ズームなどできますか?
それとも言葉や文章が浮かんできてそれを書きとめるかんじですか?(他にもいろんなパターンがあると思いますが)
私は映像が見えてそれを実況するように書くときに筆が乗ります。

emu:
完全に映像や静止画派です。映像を見てそれを実況するような感じ……というかキャラが喋っているのでそれを書き起こしていくイメージです。なので、送り主さんと一緒ですね! 言葉や文章が浮かぶパターンの方もいらっしゃるとは聞くのですが、全然想像がつかない!

ことは:
私も映像派ですね。カメラが長回しされているような感じで、場面によってはカメラを切り替えたりズームしたり。

サヤカ:
映像、静止画、あと漫画っぽいこともあります。うまく言えないけどたまにコマが割られてることがある…。映像のときは巻き戻しや一時停止、ズームなどもしようと思えばできるかな?と思います。

ひらかわ:
まず書きたい山場のところを映像で想像して、それが書けるようなストーリーを考えます。なので映像ですかね。本当に部分的だけど…。「このセリフを絶対に言わせたい!」というフレーズが浮かんでそこを目標に、というパターンもあるかな。色々です!


私はたまーに文字書きをするのですが、きっかけはいくらでも浮かぶのに、オチがいつも迷子です。なんなら最初から所在不明のままスタートします。
みなさんは、まずオチがあってから書き始めるか、書いているうちに浮かび上がってくるか、なんとかして捻り出すか、どの時点でオチが決まりますか…?

emu:
基本はオチを思いついたタイミングで話を書きます。プロットを立てずに書いてしまった場合、思うようなオチにならないこともあるので(特に5000字を超える話)、基本はプロット立ててから書いた方が良いように思います。

ことは:
私の場合、オチはとにかくハピエン!なので、すでに決まっていると言っても過言ではなく…。そこにどう辿り着くかの道筋のことだったら、全部ありますね。きっちり決めて書く場合、ぼんやり決めている場合、なんも浮かんでない場合。まあ書いているうちに大体書きたいところが増えるので、決めていた通りに書けるとは限りません。

サヤカ:
私はガチガチにプロット立てて書く派なので、書き始める前にオチも考えますね~。いい感じのストーリーができたけどしっくりくるオチが思いつかない…ってときは思いつくまで考えて、どーーーーしても思いつかないときは書くのを断念することもあります…。

ひらかわ:
オチを考えてから書き始めないと絶対に終わらない! プロットたてなくてもオチだけはだけは考えておこう。「○○が○○して○○になる話」くらいのざっくりさでいい。


文章を書くときにこだわっていることはありますか??
超自己満だけどこれは絶対やってる、みたいなこともあれば教えてください。

emu:
瞳の色の表現を、出来るだけ和名で書いてます。薄縹(うすはなだ)色とか躑躅(つづじ)色とか榛(はしばみ)色とか。そう書くとパッと思い浮かばないから検索かけてくれるかも→全く同じ色を書き手と読み手が思い浮かべた状態で読み進めてもらうことが出来るかも……という結構よこしまな理由ですが、そもそも和名が綺麗すぎて好きというのがあります!
ターコイズより浅葱色(あさなぎいろ)派。でも普通にブルーグレーとか書く時もある。8割和名って感じです。
あとは難読漢字を使わないことは意識しています。

ことは:
読みやすく!というのは拘っています。読みやすいというのは、難しい言葉を使わないとか、婉曲な表現をしないとかではなくて、文字通りの意味です。これは自分の感覚でしかないのですが、読んでいてちゃんと「流れる」か、「おさまりがいい」かどうかを意識していて、ちょっとでも引っかかりを感じると単語を言い換えたり語尾を調整したり句読点を入れたりします。五七五の文章が読みやすいのと同じようなものだと思ってもらえれば。

サヤカ:
漢字にするかひらくかの判断はけっこう悩みながらやっています。優等生のキャラが言うなら「駄目」、チャラ男が言うなら「ダメ」、地の文では「何か」、セリフでは「なにか」みたいな…。そのときどきの雰囲気で…。
あとは文章のリズムかな~。気持ちよく音読できるような575の文字数を取り入れつつ、長い文と短い文のバランス取ったり…なるべくストレスなく読んでほしい~

ひらかわ:
なるべく印象的な書き出しができるようにしたい! そうなりたい! て思っています。一行目から興味を惹くような…いや難しいんだけど! ここに躓いて全然かけないこと、あります。


二次創作を書くとき、原作の媒体によって文章の雰囲気?文体?が自然と変わることがあります。
台詞メインの原作(CDやゲームや漫画など台詞で進行するもの)だと台詞の分量が多くなったり、小説原作だと地の文が多めになったり。たぶん原作のテイスト(話の方向性ではなく表現方法の)になんとなく寄ってしまうんだと思いますが、皆さんは文体は一定ですか? あえて変えたり、意図しなくても変わることもありますか?(自分で認識/意識できている範囲と、皆さんお互いにどう見えてるかが聞けたら嬉しいです)

emu:
仰る通り、小説原作では地の文が多くなるなどの現象はめっちゃ…あることだと思います!出来るだけ原作に添いたいという気持ちがありますよね。
私は今のジャンルからは「一人称(たまに三人称)のコメディ風」「三人称のシリアス風」「一人称or三人称のポエム」の3種類を、その時の話のノリや気分で変えて書いてます。でもポエムそんな沢山は書かないから、最初の二つが主かな? 長めの話だと三人称の方が書きやすいので、文字数の最終目標によっても変えたりしてます。

私から見た三人は、コメディ・シリアス共にそこまでガッツリ文体変えてるイメージはないかな? どれを読んでもちゃんと「その人が書いた」ものだと認識出来るから凄いな〜と思います。とても好きな文章を書かれるお三方です。

ことは:
あんまり意識したことないですね。小説が原作だと引っ張られる可能性は十分あると思いますが…小説ジャンルで創作したことがないのでわからんです。
他の三人もあんまり変わってる印象ないですね。文体そのものより書いている内容によって、あ~好きだよねこういうの~~私も好き!みたいに思ってる。

サヤカ:
わりとあります!40年ほど前の小説原作にハマったときは文体を少し寄せました…というか、原作のキャラの口調や出てくる単語を使ってるとどうしても普段より重く固い感じになりました。原作を参考にしていたので地の文多め、情景描写多めだった気がします。

他の三人は原作によって全然違う!ってことはないんですが、多少ある感じです。私から見ると、ことはさんはわりと文体が変わらず、ひらかわさんとエムちゃんはジャンルでちょっと変わるな~って印象があります。でも原作に寄せてるというより一人称の視点キャラに寄せてる(または寄ってる)ほうが大きいかも?

ひらかわ:
意図して変えられるほど文体が豊富でないので変えてないし、変わってないと思います。ただ普段は意識的に多用を避けている、ダーシを使って間をとる方法や、ルビの使用は、原作で頻出する場合は解禁しています。自分から見た他の三人もそんなに大きく変わっている印象はないかな〜と。どのジャンルでも、あ!!! 趣味でてるね!!! って感じる文章です。文体ってどういう部分で判断しているんだろうね…。


小説を書くときに参考にしている資料などありますか?
それと、参考にしたり好きな小説家さんはいますか?

emu:
公式ガイドブックと、自ジャンルには「キャラと自分がLINEする」というカドストのようなものがあるのでそれをスクショして各フォルダに保存、適宜確認してます。あとあのキャラは何歳の時に家を出て…とかまとめてるシート+全キャラ一人称と三人称まとめたシートも作ったのでそれも絶対見ます。間違えまくるので……。
参考にしてる小説家の人はいません。好きな小説家は最近はもっぱら澤村伊智!!!一生読み返すリストには藤沢周平と髙田郁が入ってます

ことは:
ジャンル公式のガイドブックとかは見ますが、それ以外は特に…。類語辞典とかはウェブ上で使いますね。
好きな小説家は、以前はたくさんいましたが、今はあんまり読みませんね。ミステリが好きなので、宮部みゆきさんとか伊坂幸太郎さんとか有栖川有栖さんとかをよく読んでいました。

サヤカ:
ジャンルの公式ガイドブックに全キャラの呼称表があってめちゃ重宝してます!小説家は特にこの人の影響!というのはないけど、ホラーとミステリをたくさん読んでいるので、なんとなく起承転結のリズムに影響を受けてるかもしれないと思います。全作品大好きってわけじゃないんですが、山本周五郎、宮部みゆき、中島らも、江國香織、米澤穂信あたりをよく読んでます。本屋大賞とかの話題作も読みます。

ひらかわ:
原作を参考にしています……。口調とか、仕草とか……。なるべく参考にするようにしている……。
好きな小説家を挙げられるほど熱心な読書家ではなく……これ私このスペース参加して本当に大丈夫?


過去書いた中で一番長い小説は何文字でしたか?
その際、どれぐらいの時間がかかりましたか?

emu:
前前前前前ジャンルで最後に出した本が18万字弱でした!(200p弱)
確か3ヶ月はかかったな……。何が辛いって校正が地獄で自分の文章に飽きすぎて一回本気で泣いた記憶あります。今となってはいい思い出です。

ことは:
現ジャンルで昨年出した本ですね。12万字くらいでした。でもこれだけを書いていたわけじゃないので、正味どのくらい時間がかかったのかわかりません…。次点が10万字で、これは最近なので覚えてます。一か月くらいで書きました。

サヤカ:
75000字くらいが最長みたいで、1ヶ月くらいで書いたと思います。書くのはともかく、校正・誤字チェックのために読み直すのは体力と精神力的にこのくらいが限界かも…。

ひらかわ:
4万字くらいの本を出して、めちゃくちゃ疲れたのでもうやらないと決めました。本編の余白を埋めるタイプの話作りだったから時間はそんなにかからなかったです。1ヶ月くらい…?


質問なのですが、「世の中的によく間違われてる言葉」を教えてください。自分も間違って覚えていそうで、小説で書いてしまったら恥ずかしいと思いまして。よろしくお願いします。

emu:
大団円(だいだんえん)を「だいえんだん」、「押しも押されもせぬ」を「押しも押されぬ」と発声してる例は結構ある気がします。
私はつい最近まで「〜にもかかわらず」を「〜にも関わらず」と書いてました…正解は「拘らず」だね……。

ことは:
「自分には荷が重い」という意味で使ってる「役不足」は比較的よく見るかも。正しくは「力不足」。
※役不足=役目が実力不相応に”軽い”こと

サヤカ:
「あくどい商売」の「あくどい」は「悪どい」ではないことを最近知りました…。やりすぎ、しつこい、どぎついという意味で、食べ物の渋みやえぐみの「灰汁」からきているそうです。
あと「声を荒げる」だと思ってたんですが正しくは「荒らげる」でした。
他にもたくさん間違えて覚えてそうでこわいね…。

ひらかわ:
「永遠と」が「延々と」の意味で使われてんのかな〜て表現をTwitterなどでもよく見かけるけど、言葉はそうやって変化してゆくものだし意味が通れば自分はあんまり気にしない(ので多分いっぱい間違えてる)。「ひざま”づ”く」じゃなくて「ひざま”ず”く」なんだ〜ってのは最近の発見です。


字書き御用達印刷所のオススメお願いします!

emu:
・とにかく安価に仕上げたいなら『ちょ古っ都製本工房』
https://www.chokotto.jp/

・安価かつ箔押しぐらいまではしたいなら『丸正インキ』
https://www.marusho-ink.co.jp/

・文庫サイズ+カバー付きなら『コミックモール』
https://comicmall.jp/wiki.cgi

・オンデマなら『日光企画』もクオリティが安定していて安め
https://www.nikko-pc.com/

・オンデマで凝りたくサポート手厚い方が安心出来るなら『STAR BOOKS』
https://www.starbooks.jp/

・装丁爆盛りしたい+お任せ装丁にしてみたいなら『プリントオン』(300部以下)
https://www.print-on.jp/doujin/doujin_index.htm

・装丁爆盛りしたい+部数が300部以上なら緑陽社
https://www.ryokuyou.co.jp/

私はなんやかんやで日光のお世話になりっぱなしです。
小説はオンデマでも全然問題なく綺麗に刷れるな〜という印象です。昔よくあったインクのテカリとかもないように感じる。表紙オフセット+中身オンデマもよくやります。

ことは:
字書き御用達かどうかはわかりませんが、私がよくお願いしてるのはSATRBOOKSさんです。サポートが手厚い、箔の種類がめちゃ多い、などの利点がありますが、なにより仕事が早い!のでせっかちな私は重宝しています。入稿当日に表紙が印刷完了するスピード感、愛するしかない。
あとはプリントオンさんのデザインお任せセットはよく使わせてもらってます。デザインができないので…。

サヤカ:
日光企画
安くて〆切が遅いのでA5サイズ本のときはお願いしてたけど、文庫サイズはちょっと割高なので最近は使ってなかったかな。A5でそんなに装丁凝らないときはオススメ!

OTACLUB
翌日仕上げがあるということで2021年になって知ったのですが(現在はシステムが変わってます)、調べてみたら紙が豊富で安い!2回使ってみたけど印刷も綺麗で好きになりました。

プリントオン
いろいろできるので装丁に凝りたいときはとても良い~!お任せできるのも楽しい…早割に入れられないので最近使ってないけど…。

ちょ古っ都製本工房
1冊から安価で刷れるので、少部数再版したり自分用に1冊作ったりするときに愛用してます!

あとたまにコピー本を作るときは、本文はキンコーズで刷って表紙だけ印刷通販に頼んでいます。フルカラーコピーより安く綺麗でしっかりした紙に刷れるし紙の端まで印刷できるので…。その際使ってるのはプリントパックとか東京カラー印刷です。

ひらかわ:
安く仕上げたいならコミックモール。ただ初めての印刷所には向かないかもしれないです、連絡がとてもゆっくりなので。
自分がよく使うのはHOPE21、部数が出るならフライトセットなどで空押しが楽しめたりします。
少部数からの装丁爆盛りにはプリントオン、表紙が自分で作れなくても「わくわくドキドキおまかせセット」があるぞ!


今まで読んできた小説(商業でも二次創作でも)で、このセリフ好き!と思ったものがあれば教えて欲しいです。

emu:
割と最近読んだBL小説で、攻めが受けに嫌われそうになって精神がめちゃくちゃになり、高級時計印鑑通帳スマホ全部差し出して
「俺の全部を管理して」
って言ったのが、超いいな〜〜〜と思いました。支配したがるくせに管理されたがる攻め、ろくでもなくて大迷惑でとても可愛い! という気持ちからきているのだと思います。
一般商業小説だと、NHKでドラマにもなった森絵都『風に舞いあがるビニールシート』での、UNHCRに勤めるエドが言った言葉。
「風に舞いあがるビニールシートがあとを絶たないんだ。」
初めて読んだ時、完璧なタイトル回収と続くセリフに圧倒され、号泣したのを覚えています。

ことは:
emuさんと出したリレー小説の合同誌で、攻めの行動で傷ついた受けが、必死に謝ってくる攻め相手に
「信じられるかよ」ってつっぱねると、
「(受けに信じてもらうために)一生かけるしかないなあ」
っていうセリフ! ここ読んだときめちゃくちゃ感動したんですよね…。emuさん天才。
好きというか、印象的なセリフで思い出すのは、浅田次郎『月のしずく』の
「アリンコの子どもをまさかアリンコにはせんです」
説明すると長くなるので割愛しますが、物語、その登場人物の抱える背景、人柄、考えがすべて凝縮されたセリフで、すごく印象に残っています。

サヤカ:
劇団ひとり『陰日向に咲く』の中の『拝啓、僕のアイドル様』という短編。売れないアイドルを推してる男性ファンの一人称視点でひたすら推し活をしてる話で、最終的にアイドルは売れて男性はファンを卒業するんですが、一番最後のシーンでそのアイドルは男性の小学校の同級生で初恋の相手だということが明かされるんです。そのときの「ずっと昔から僕は君のファンだったね」というセリフ(正確にはモノローグ的なもの)はぐっときました…いやこれ説明しても全然ピンとこないと思うけど…。

ひらかわ:
なんだろ〜と色々考えていて思ったけど、自分、セリフよりもシーンや仕草を印象的だと思って好きになることが多いようです。
パッと思いつくのはアガサ・クリスティ『カリブ海の秘密』で、ミス・マープルが自身を復讐の女神だと言うセリフです。次作への伏線にもなっているのが格好いい。書き写します。
「ギリシャ人はこういう場合にぴったりの言葉を持っていましたわ。私の間違いでなければ、復讐の女神(ネメシス)という言葉ですよ」
うう〜めちゃいい。

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以上です! 回答が難しくお答えできなかった質問もあるのですが、本当に沢山のご協力、誠に有難うございました。
普段深く考えたり話し合う機会がないものばかりで、素人なりに回答を考えている時間は、ひたすらに楽しく有意義で、めちゃくちゃワクワクしました。

そして、沢山の疑問や質問に共に頭を抱え、『同人小説をどう書くか』を約二時間みっちりと話し合った結果、やはり「楽しんで書く」が最強で最高の執筆法なのだと改めて感じました。
これからも、最高の同人誌を求めネットの海を放浪し、最強の同人活動の為に頭と手を動かしていきましょうね。

この度はここまでお読みくださり、本当に有難うございました。
機会がありましたら、またどこかでお会いしましょう〜!