見出し画像

映画『HOKUSAI』を見た

葛飾北斎の展覧会は何度か見に行ったことがある。特に平成3年に名古屋市で開かれた『北斎 不屈の画人魂』展は時に印象に残っている。展示内容を見る限り、間違いなく彼は時代を超えた国際人であったと思う。世界を飛び回っているから国際人というわけでは無い。住居はほとんど両国で、不動であっても、彼が表現した物、生き方そのものが世界で通用し、評価されているから国際人なのである。

今月号の雑誌「ムー」に妙見信仰についての記事があった。北斎という雅号の由来も北極星にあるという。不動でぶれない存在。そのような生き方に彼は憧れたのであろうか。映画では、理不尽な取り締まりや命令に不服従を貫く登場人物の姿が描かれている。今日でも2021年6月現在、SNSなどで言論統制をやっているので似たような世相だけれど、言葉や絵で真実を表現しようとする個人の芸術的な試みはいつの時代も変わらないようだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?