「笑顔がかわいい」は褒め言葉か?
今では、海外の女性にも広く認知・共感され、世界共通語となりつつある日本語「カワイイ」。
ちひさきものは みなうつくし
これは、平安時代に清少納言が書き残した随筆「枕草子」に出てくる一文です。実は、「かわいい」の元祖は、枕草子なのだとか。
様々な対象を、「〇〇ってかわいいよね~」と称賛している清少納言が、もし現代に生きていたら、さしずめインスタ女王といったところでしょうね。
「キレイ」と「かわいい」。
あなたが人から言われて嬉しいのは、どちらの言葉ですか?
ほぼ半々!? キレイ派とかわいい派
20代・30代の働く女性を対象にした、とあるアンケ―ト結果によると、「キレイ」と「かわいい」のどちらが褒め言葉として嬉しいかという質問の回答は、ほぼ半々だったそうです。
キレイ派からは、大人の女性として見られたい、「かわいい」は誰にでも言えるけど「キレイ」はなかなか言えない、などの理由が挙げられています。
一方、かわいい派は、「キレイ」は容姿限定な感じだけど「かわいい」は性格やしぐさも含めて褒められている印象だから、といった意見のようです。
「笑顔がかわいい」と言われたら嬉しい?
「〇〇さんのチャームポイントは~」「彼女のどんなところが好き?」
こんな風に訊かれた時、「笑顔がかわいい」と答える人、結構いますよね。
私、昔から疑問に感じていたんですが、これって言われて嬉しいですか?
褒められている気がします?
だいたい、笑顔って赤ちゃんからお年寄りまで、もともとの容姿の美醜に関わらず、誰でもそれなりにかわいいものでしょ?
笑ってもかわいくない人なんているんですか?
もし、笑ってもかわいくないとしたら、それこそ褒めようがないってことですよね?
泣いていても、怒っていても、ふくれっ面でも褒めてもらえるのは、もともとの美人だけ。
それでも、笑っただけで美人にはなれないけれど、誰だって笑わないよりは笑った方がかわいくなれるはず。
他に何か褒めるところ無いの?
と思ってしまう私は、ひねくれ者なのでしょうか?
モテ男は褒め上手
私は、決して容姿を褒められるタイプではなく、多くの人とお付き合いした経験もなく、褒められ慣れているなんてことはありません。むしろ、褒められ下手だと思います。
そんな私がこれまでに出会った中で、究極の褒め上手だなぁと感じた男性は、呆れるほどにピンポイントで具体的なパーツを褒めてくる人でした。
このような場所に、文字で書くのは憚られるような会話なのですが、セクシー系のネタがお嫌でなければ、どうぞお読みください。
そうした話題が不快だという方は、ここから先は読まずに画面を閉じられることを、強くお勧めします。
エッチの最中、彼はニヤニヤしながら話しかけてきました。
彼:「〇〇(私の本名)ちゃんの一番キレイなとこ、どこか知ってるか?」
私:「えー? 何? 知らんわ」
彼:「あんなぁ、●●の△△がキレイな××色してるとこ♡」
私:「そんなこと言われても、褒められてるんかどうかようわからんわ」
彼:「お世辞ちゃうで。その歳でなかなかおらへん」
伏字の部分は、ご想像にお任せします。お察しください。
「18禁」のセクシーワード満載なので、さすがにそのまま書く勇気はありません。
もちろん、担当している深夜枠のラジオでも、いくら深夜とは言え電波には乗せられませんでした。(母親も聴いていますしね)
心の中で、「いったい、どれだけの人数を脳内比較して言うてんねん! そんなこと言われても、確かめようがないし」と思わなかったわけではありませんが、不思議と悪い気はしませんでした。
要するに何が言いたかったかというと、「モテる男は、目の前の相手に応じて、細かいパーツを褒める才能がある」のがよくわかった瞬間だった、ということです。
褒める時は具体的に
話を笑顔に戻しましょう。
もし、本当に笑顔が素敵だと思っているわけではなく、褒めるところがパッと見つけられず、「とりあえず笑顔を褒めておこう」というような、安易なチョイスで褒めたフリをするのは危険です。
相手が素直に喜んでくれるタイプの人ならいいですが、私のように「それって褒め言葉に聞こえませんけど」と感じるような人なら、とても気まずい空気が流れかねません。
もし、本当に心から「この人の笑顔はかわいい」と感じたのであれば、ぜひ具体的に褒めましょう。
例えば、
「笑った時にちらりと見える八重歯がかわいいね」
「大きなエクボがかわいい」
など、できるだけ具体的に褒めることを強くお勧めします。
褒められた相手は、「ちゃんと自分のことを見たうえで言ってくれているんだなぁ」と感じるものです。
うわべだけでテキトーに褒めたフリを装っているのならいざ知らず、本気で思っているのに気持ちが伝わらないなんて、残念でもったいないと思いませんか?
ボキャブラリーが貧困なために、素直な気持ちで発した褒め言葉すら悪意に取られてしまうなんて、お互いに不幸だし、悲しすぎます。
そんな地雷リスクは、努力で回避しましょうよ。
褒める相手との関係性に気をつけよう
具体的に褒めるのは、心から褒めていることが伝わり、素直に喜ばれるとても有効な褒め方です。
ただし、「相手との関係性が、それなりにできている場合」に限ります。
たいして親しくもない人から、細かすぎる褒め方をされたら、気持ち悪く感じる可能性がありますからね。
特に、身体的なパーツに関しては、セクハラ認定を受けかねませんので、くれぐれも用法用量を守って、正しくお使いくださいませ。
ライターは、喩え上手&褒め上手であるべし
ここまでエラそうに、つらつらと書いておきながら言うのもなんですが、毒舌ライターの私は人を褒めるのがあまり得意ではありません。
だからこそ、自戒の念を込めてあえて言わせてもらうと、言葉を扱うのを生業にしているライターは、やはり喩え上手&褒め上手でありたいし、そうあるべきだとも思うのです。
「この人、ライターのくせに、褒め言葉のボキャブラリーが少ないなぁ」と思われるのは、やっぱり悔しくて恥ずかしいですから。
決して、美辞麗句を並べ立てた心にもないお世辞や嘘くさい褒め言葉ではなく、本当に心から称賛しているのが相手にちゃんと伝わり、グッとくる褒め方を身につけたいですね。
これからコツコツ精進します!
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