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FINAL FANTASY XIV という、今や超ビッグタイトルに成長したゲームの素晴らしい点について紹介する【ストーリー編】

皆さん、おはこんばんにちは。
E-kan株式会社 エンジニアの尾上です。

前回はざっくりと、私の愛する『FINAL FANTASY XIV』(以降FF14)とはどんなゲームなのかをご紹介しました。
今回からは「具体的にどんな点が素晴らしい、魅力的なのか」を語っていきたいと思います! 例によって長くなりすぎて収まらないので、今回は特にストーリーについてお話しします(それでも相当長くなりました。よろしければお付き合いください…)。

◆RPGとしてのストーリーが秀逸

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FF14はオンライン専用ゲームであるため、性質上どうしても「他プレイヤーとの交流云々」という点が注目されがちですが、そもそもFF14は「ファイナルファンタジー(以下FF)」というビッグタイトルの正統ナンバリング作品として名を連ねるRPGであり、他のナンバリング作品がそうであるように、FF14にも重厚かつ骨太なストーリーが用意されています。

<大まかで抽象的なあらすじ>
プレイヤーは、舞台となるエオルゼアという世界に冒険者として降り立ち、各国の住人や要人から依頼を受けて解決を図ることを生業とし、報酬を得るために依頼をこなしていきますが、その過程で神秘的な存在と邂逅し、この世界が存亡の危機に晒されていることを知ります。プレイヤーは、冒険者としての旅の過程で様々な人と出会い、依頼を解決していくうちに、この世界の秘密に深く関わり、やがて世界を滅ぼさんとする強大な敵と対峙する集団の中心人物となって、世界の危機に立ち向かっていくことになるのです。

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これだけ聞くと、確かに軸となるストーリーはよくある王道的な話ではあるのですが、以下の要素が、FF14のストーリーに、他に類を見ないほどの重厚さをもたらしています。
緻密かつ壮大でリアリティに富んだ世界設定
FF14の世界設定の緻密さは、他のゲームの比ではありません。それは広辞苑かと見紛うほどの設定資料集が、数冊刊行されていることからも伺えます。
しかも驚くべきは、その内容がぶっ飛んだ「ザ・フィクション」ではなく、「ひょっとしたら実在するのかも…?」と思わされるほどリアルであることです。
例えば、国家には(現実の国家がそうであるように)長く深い歴史があり、その過程で生み出された多彩な文化や習慣、また人種や貧富の差に基づく根の深い軋轢が存在します。また様々なキャラクターには(現実で私たちがそうであるように)各々に固有の人生経験、個性、信念があります。
まるで現実世界のように生々しくて、ある種泥臭い…そんなリアルな設定が
ストーリーに強い臨場感と緊迫感を与えていると感じます。
ファンタジー要素が盛りだくさん
剣と盾、魔法、ドラゴン、空に浮かぶ島…等のいわゆるファンタジー要素、加えてクリスタル、チョコボ、モーグリ、召喚獣、飛空艇…等々のいわゆる「FFらしさ」を感じられる要素が、ゲーム内には随所に散りばめられています。そして、これまた驚くべきは、これらのフィクションにも前述のように細かな設定が与えられており、さも現実であるかのような筋の通った背景が存在することです。
あらゆる事柄に、FF14の世界における設定付けが事細かくされていて、その徹底ぶりは例えば、しばしば実施される他のゲームとのコラボイベントにおいても、その中で他のゲームに登場した場所が使われるにあたり「なぜその場所がFF14の世界に存在するのか」をきっちり決めて落としてくるという点からも窺えます。
ゲームをプレイ中に、「設定が甘いな」等のメタ的な印象を抱かせる余地を与えない、FF14の世界観への没入感を損なうまいとする地道な取り組みが、
まさにストーリーへの没入感へも繋がっていると思います。

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膨大な設定を反映させた美麗グラフィックで描かれる世界
上記の通り、緻密かつ壮大でリアリティのある設定が在るからこそ、描かれる世界もまた、とてもリアルで説得力があります。美しいグラフィックが、そのリアルさに拍車をかけています。
ご都合主義の存在しないリアルなストーリー展開
FF14のストーリーは、よくありがちな、物語だからと「都合よくシンプルで何はともあれハッピー」な展開を見せることは、ほとんどありません。
例えば、戦争は一旦終結したとしても、国家や種族間の軋轢は根深く残りますし、復興に至る過程は険しく厳しいものです。また、個人としても、身体的な負傷はいずれ治るにせよ、心に受けた傷はそう簡単に癒されるものではありません。衣食住を含め、元の生活に戻るには短くない時間が必要になるでしょう。
このような、ともすれば作り手によってはネガティブな印象を与えかねないためにあえて描かず濁して通り過ぎたいと思うかもしれないような場面も、FF14においては、時間をかけてしっかりと描かれます。だからこそ、やがてストーリー中でそのような苦難を乗り越える時を迎えた瞬間は、他のゲームでは味わえないような達成感や感動が得られます。
ご都合主義では描かない、それは言うは易しですが、実際は少なくないネガティブな要素やリスクが想定でき、それをあえて選択するのは難しいことだと思います。それをあえて貫き、意図して物語全体に陰影をもたらすことが結果的にポジティブな要素をも、より強く感じさせることに成功しており、その挑戦的な姿勢には感嘆するばかりです。
 作中BGMが素晴らしい
常に主張しすぎずに、それでいてプレイヤーの気持ちに寄り添い高めようとするスタンスで流れる作中BGMは、どこまでも目論見通りに私たちの気持ちを高めてくれます。
FF14の作中BGMは、その収録数が最も多いゲームであるとしてギネス記録にも認定されています。これはいかに場面に合わせて細かくBGMが用意されているかということであり、前述のスタンス…信念を強く感じますね。
曲を聴くだけで、その時々の情景が思い出され、胸が熱くなります。それはもちろん素晴らしいストーリーをはじめとするゲーム体験ありきではありますが、その体験をより格別なものにするのに、作中BGMが一役買っているのは間違いありません。

このように、総じて徹底したリアリティをもって語られるストーリーは実に強烈な喜怒哀楽に満ちていて本当に素晴らしいものです。歴代ナンバリング作品のファンの方もそうでない方も、プレイしてみれば無数の方向から感情を揺さぶられて、これは凄い…と漏らすことになるのは間違いありません。

ただし、FF14のストーリーは、従来のゲーム作品の枠には収まりません。
というのも、このFF14のストーリーはかれこれ12年間という時間をかけて描かれ"続けて"いる(今現在も進行中)ものだからです。

2. MMORPGならではのストーリーの重厚さ

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FF14はオンライン専用ゲームであり、その内容は12年間途切れることなく定期的に(3~4ヶ月に1回のペースで)アップデートされ続けていて、かつ2~3年おきに拡張パッケージが発売されています。ストーリーもそのアップデートや拡張パッケージ発売のたびに新しい展開が用意され、物語が進展しているのです。
ちなみに、FF14のストーリーボリュームや進行状況は、海外ドラマに例えて説明されることがよくあるのですが、それで言うならば現在は前日譚1~2シーズン、(合間に映画を5本挟みつつ)本編4シーズンが完結し、現在5シーズン目に突入したところ、という状況です。

ストーリーが12年も継続・進行している…ということは、すなわちどういうことでしょうか。

単純に圧倒的なボリューム=それだけ奥深く内容が厚い
前述の前日譚(=初期FF14、いわゆる「無印」「旧」「根性版」)を除いた、それ以降のシーズン(シリーズタイトル「新生エオルゼア」以降の内容)で換算すると、そのボリュームは、体感ですが通常のRPG(メインストーリーの進行のみで40~50時間で終わるもの)の実に10本分前後に相当します。サブストーリーやサイドクエストを含めると、さらにその2~3倍以上にはなるでしょう。
一般的なRPGがこのボリュームで語られる(しかもすべて同一の世界・時間軸で展開される一連の物語)ことは、まずあり得ません。そう考えると、
いかに深く広く物語を楽しむことができるかということは明らかでしょう。
■ 12年という時間の重み
これは(分からない方はすみませんが)近年に非常に人気のある、アイアンマン等が登場する、マーベル・ユニバースとして展開される一連の映画群と似ています。マーベルの映画は、各タイトル内で特定のキャラクターが活躍しますが、その物語の中には必ず「これはどのように続いていくことになるんだろう…」「こんなキャラクターが出てきたということは、ひょっとして次はこんな展開が…?」といったことを想起させる、ある種の「匂わせ」な要素がふんだんに盛り込まれています。各タイトルの主人公は違うものの、話としては一連の物語が展開されているのです。そして、それが数タイトル続いた後に「アベンジャーズ」という形で、それまで登場した各タイトルの主人公が全員集合し、その時点での一定の答えを(大暴れの末に)導いて、ひとつのシーズンを終えるのです(またそこで新しい問題が提起されたりはしますが…)。そして数年前、アイアンマンから10年近く続いた、複数シーズンからなる一定の物語は「エンドゲーム」というタイトルをもって、ひとまずの完結を迎えました。10年間ファンとしてともに歩み、その進展を見守り続けてきたその物語が、これまでの様々な問題(匂わせ)を見事にすべて回収しつつ各キャラクターの大活躍の末、ついに大団円を迎えたその瞬間は今までどの映画を観ても味わったことのない、とんでもなく大きな満足感と感慨に包まれたものでした。

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前述の通り、FF14のストーリーも、3~4ヶ月おきのアップデートで少しずつ進展していきます(少しずつとは言うものの、アップデートのボリュームも結構なものがありますが…)。そして、ストーリーはその都度進展しますが、その時点で解決する事項もあれば、解決を見ず持ち越しになる事項もあり、さらにまた新しい事項が増えたりもするのです。つまり、プレイヤーは常に「ああ、このことは今回で解決して良かったね。でも、この問題がまだ解決せず残っているよね。そして、今回また新しい謎が増えてしまったけどこれらは一体、どういうふうに解決していくんだろう…」という気持ちで、次のストーリーの進展を待つのです。複雑な問題や謎は、解決に至るまでに(現実においての)数年を要することもあります。ですが、そうやって現実の時間をも共に過ごしながら物語の進展を見守り、ついにその問題が解決した時の感慨深さや充足感は、言い表すことが難しいほどに大きなものです。この感覚は、他のゲームでは到底味わうことはできません。
実は最近、FF14においても、これまで続いてきた一連のストーリーがすべて解決し、大団円を迎えました。その感動、感慨たるや…とても言葉で言い表すことはできないほどでした。とある方がそれをこのような言葉で表現していました。
「12年間の重みが(私の情緒に)止めをささんとする勢いで全力で殴り掛かってくる」
ぜひ皆さんにもこの重み、感じていただきたいものです。

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大変長くなってしまいました。正直まだ書けそうな気はしますが、あまりに時間をかけすぎていることもあり、このへんで止めておこうと思います。
少しでもFF14のストーリーの良さについて皆さんに伝われば幸いです。
次回はまた、別のテーマでFF14についてご紹介します!

ここまで語らせるFF14、どんなゲームなんだ…と気になった方は、
ぜひ以下のリンクから公式サイトをご覧ください。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう!

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