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れすゼミ3時間目_売上と現金?

前回までの復習、「日次決算とは毎日、数値と向き合い、改善を爆速させること」でした。
計画→実行→評価→改善のPDCAと毎日向き合うのが重要ということです。
PDCAやOODAループなどを用いて実現したい経営を実現するというのが大事なことを学びました。

それでは3時間目も講師の安部さんに、「売上と現金」について教えてもらいましょう!
ぜひ、れすゼミ3時間目の動画や資料も一緒に合わせてご覧ください。

今日は「売上と現金」について学んでいきます!

皆さんは売上とキャッシュフローの違いはわかりますか?
売上の計上と現金が入るタイミングは違います。
飲食で言えば一番わかりやすいのはカード支払いです。
売上は当日に計上されるのですが、カードで支払われたため、カード会社からお金が支払われるのはその翌月です。
つまり、会計上の売上は当月に計上されますが、あなたの銀行口座に振り込まれるのはその翌月となるので、儲かった気分になっていても実際のお金は入ってきていない状態です。

店舗PLとC/Fを見て学んでみよう

それでは店舗のPLを一緒に見て学んでいきましょう!
この表を見たときに一番最初に皆さんはどこを見ますか?

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PLをみるときに一番最初に気にして欲しいのは一番右側の赤枠のくくり(累計の部分)で、全体感を掴むことが大事です。
表は、5月に新規OPENしたお店の、月次推移PLです。
売上が500万円に対して、営業利益が65.8万円と13.2%も営業利益が残る優良店舗だと思います。

では、キャッシュ(お金の出入り)の情報はどうなっているか見ていきましょう。

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この新規オープンした店舗のお金の出入りをCF表でみると、PL上の営業利益率13.2%から8.0%になっています。
お金が溜まりづらい状況と考えられます。

次に借金と税金について見ていきましょう。

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借金や税金を返済しなければなりません。
100万円借入しているので、借入返済と利息がで月1.76万円を毎月支払います。
また、100万円を借り入れたけれども、店舗賃貸の保証金を90万円払っています。
それによって4月には既に残金10万円からのスタートです。
そして、6ヶ月置きに払う(中間納付)法人税や消費税などがあり、税金のことを忘れてしまうと結構お金がないという話に陥りがちになってしまいます。
店舗運営にかかる現金は、フードコストや設備などにかかるもの以外にもありますね。

店舗CFに借入と税金を足したキャッシュフロー表を見てみると

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最終的に残るお金は、店舗CFで見ていた8%からさらに2.3%に下がっています。借入返済や税金を支払ったからですね。

店舗運営はさらに厳しい追い討ちが待っています。

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しかし店をやめようと思っても、やめるまでに時間がかかります。
そこにお金もさらにかかります。
やめられたとしても店を現状復帰(スケルトン戻し)しなければなりません。
それを保証金でまかなうと保証金は満額返ってきません。
逆に店舗が大きくなればなるほど税金が上がったりもします。
さらに、売上金の盗難が起こったり、残業未払いが発覚したら追徴で払わなければならなくなったり、どんどんお金が残らない状態になります。

そもそもPL上で見たときの営業利益は13.2%あったものがお金の流れだけを見たC/Fでみると2.3%まで落ちています。
結構厳しい現実ですね。

まとめ!

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本日の学びは、売上と現金は必ずしも一致しません(商売の取引形態上、お金が入ってくるタイミングと支払うタイミングは売上計上月と必ずしも一致しないから)。
なので、売上を上げることと同じくらい支出を抑えることは大事です!(PL上の原価や販管費を下げる努力もそうですが、C/F観点で見たときに支払うタイミングを遅らせる努力も必要)

今回いろいろ学んできましたが、飲食店って儲からない?と思うかもしれませんがそんなことはありません。

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営業CFを増やすには、店舗売上を客数と客単価で分解し、それぞれをどのように引きあげていくかが重要です。

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上の図は別の考えで売上を分解したときの表です。
売上づくりは「飲食売上」が大事ですが、このコロナ禍のご時世、空き時間を活用して飲食売上以外に、店舗スペースや設備等を活用した売上をつくれるように工夫して頑張っていくというのが大事です(ここでは店舗をシェアリングサービスに提供して収益を上げる等の「シェア売上」として表現しています。)

なかなか厳しい現実を見てきましたが、儲からないと思うのではなく、今の現状を構造的に理解しどのような施策を打てばいいのかをしっかり考え、実行していくのが飲食店経営のおもしろいところですね!

次回はいよいよ「FLARO」について学んでいきます!

■3時間目 配信URL(YouTube)

■3時間目 資料(Speaker Deck)



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