恋人への愛、家族への愛




昨日遅い時間に中野くんから電話がかかってきた。
外出先からかけてくれて、私は帰宅途中だったので家族にバレずにゆっくり話すことができた。


いつもより少し深く話せてよかった。中野くんは私が離婚できないことを踏まえて自分の人生を考えているという。そして、私を愛してると言いながらどうして彼女を大切にするのかという私の質問にも普段思っているそのままを答えてくれた。


「eが旦那さんと暮らしながら僕を愛してくれる事と、僕が彼女と暮らしながらeを愛する事は同じだよ」と言う。彼女と別れずに私に愛してると言う中野くんを心の中で信じられないでいた自分が恥ずかしい。ドキッとした。愛はふたつでもいい、と中野くんは言う。


私達はお互いに“大切にしなければいけない人”がいて、別の場所に“愛する人”もいる。愛がふたつ。



中野くんは本当に私を好きだと言ってくれて、会えなくなるのは考えられないという。携帯を同期されメールは完全に監視状態なので連絡は取りづらいけれど会い続けたいという。連絡手段を決めて電話を切った。


電話を切り家に帰る途中、映画マディソン郡の橋をふと思い出した。中野くんから自分の気持ちを交えて感想を聞きNetflixで初めて観て涙が止まらなかった映画だ。メリル・ストリープが心の葛藤に苦しむシーンは観ると辛くなる。思い浮かべるだけでも心が痛くなる。


昨日、電話での話の内容は重かったけれど、私のどんな質問にも考えたり言葉を選んだりせずにすぐに答える中野くんをやっぱり好きだと改めて思った。




だから、中野くんに会いたい。








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