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日々の想いや心遣いの積み重ねから




駅前で待ち合わせをした。
中野くんは相変わらずかっこいい。私はちょっと離れた場所からでもすぐに中野くんを見つけることができる。いつもはSNSや写真の中の中野くんを見ているから、待ち合わせではいつも心の第一声が「本物の中野くんだぁ!」で、テンションがあがる。


私は伸ばした髪を束ねて行った。そんな私を見て「綺麗だね」と言いながら手を繋いでくれたけど、まあまあ人通りのある駅のロータリーでは照れ臭くてギュッと握り返して私から手を離した。そして、手を離した事を後で後悔したりする。



中野くんは私に挿入した状態がとても幸せな時間だと言ってくれる。「イキたくない。もっと長くこうして繋がっていたい」と言ってくれる。



セックス中に中野くんが繋がったまま動きを止めると、私の粘膜はまた違った気持ちよさを感じ始める。その気持ちよさにじっとしていられなくなり、少し腰を動かすとまた新しい気持ちよさにあたる。中野くんが私の中に入っているときは、どの位置からでもそれぞれの違った気持ちよさがある。 



セックスは相性や体調や感情や環境やいろいろな繊細な条件が重なって、生まれる感覚は一つではなくて本当に奥が深いと思う。ブランクはあるけれど知り合って5年の私たちにはお互いの信頼が加わって2人だけで作り出せる世界があると思っている。歳の差を含め、暮らしている場所が離れていること、連絡の頻度が低いこと、デート費用の負担の割合、プライベートを知りすぎていない事、着る服の好み、言葉の選び方、さまざまな条件が程よいのだと思う。



好きでもっと近づきたくなるけれど、それではこの関係が続かなくなる可能性があると思う。



そしてこの身体の相性が永遠ではないこともわかっている。



だからこそ、連絡ひとつひとつ、会える日1日1日、繋がっている一瞬を大切にしたい。



駅の改札でじゃあねと小さく手を振ってお互い違った電車に乗って、私たちはまた違った生活を続けていく。







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