想い続ければ叶う




10日後に会う約束をしている私たち。本当に会えるのか少し不安だ。その間に当然中野くんは彼女とたくさん話し合うだろう。浮気がバレる度に話し合いはしていると思うけれど、これで私の存在は不要だと気付き、会う事をやめるかもしれない。そうしたらそれでも私はいいと思っている、と先日の電話で伝えた。



好きな人が本当に好きな人を大切にして、その彼女が幸せになることが自然なことだから。



中野くんに同棲する彼女がいると初めてわかって、しばらく会えずにいた2年前のお正月に家族で行った初詣でひいたおみくじの恋愛の欄には「想い続ければ叶う」と書かれていた。7月に“失恋”したが想いはすぐには断ち切れず、1月に引いたおみくじに書かれていた、“想いは叶う”。


「いつか中野くんが自分とだけ付き合えますように」という意味の“叶う”ではなく、“想っていてもいいんだよ”というメッセージをどこからか受け取ったような気持ちになった。


人を好きだと思う気持ちは大切にしたい。この年齢でこの先こんなにも人を好きになる事はないだろうから、この想いは自然に薄れるまで大切にしよう、とこのおみくじをひいてから決心した。


それからこのおみくじを捨てられないでいる。リビングルームの一角にある私だけが使う文房具と一緒にしまってある。畳まれたおみくじを時々開いて「まだこの想いは健在ですよ」などと思ってみたりする。


もしも本当に会えなくなったら私の気持ちはどうなるのだろう。好きな気持ちは段々と薄れるのだろうか。そして会いたいと思わなくなった時、このおみくじを神社に結びに行くかもしれない。








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