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【2022年10月最新版】🇷🇺ロシア入国の印象と実際に生活してみて感じる3つの気づき

3ヶ月弱のキルギス滞在を経て、筆者はロシアに入国した。

「なぜこのタイミングで?」と思われる方もいるだろうが、ロシア人の彼女との婚姻届の提出と共同生活のために、何ヶ月も前から計画していた渡航だった。

本来であれば5月頃にロシアへ行く予定だった。しかし、なんだかんだで(笑)、色々と先が見通せない情勢ということもあり、しばらくの間はトルコやキルギスなどの国々で彼女と会っていた経緯がある。

しかし、「この状況下でいつ会えなくなるかもわからない」という判断で、ロシア渡航を決意したのだった。

正直、不安な気持ちがない訳ではなかったが、現地で暮らしている外国人とも連絡を取り合った上で、大丈夫そうだと判断した上での決断だった。

この記事では、ロシア入国の際のエピソードや実際に生活してみて感じた3つのポイントについて紹介しようと思う。

「こんな人もいるんだな」と思って、気軽に読んでもらえるとありがたい。

実際はどう?ロシアに入国してみて

ロシア"ドモデボボ空港"にて

キルギスのビシュケクからモスクワに到着すると、すぐに入国審査のイミグレに通された。いつもの入国審査と決定的に違うのは、検閲官の人数の多さ。

パスポートをチェックする人の後ろに、無表情のお姉さんが2人棒立ちしていた。

このお姉さんたち。とにかく無表情でしゃべらない。「何で君たちそこにいるの?」と喉元まで出かかったが、幸い言葉には出さなかった。危ない。危ない。

きっと外国人の入国チェックを検閲官の人員を増員をすることで、セキュリティを"強化"するように、上から命令されて仕方なく仕事しているのだろう。


「ちっ。めんどくせぇな」という感情がわかりやすく顔に書いてある。


パスポートチェックで質問された内容は、「ロシアに入国する目的は?」だけだった。正直に「彼女に会うためだ!!」と満面の笑みで答えたが問題はなかった。

「何を聞かれるのだろう?」、「非友好国からの渡航で数時間は拘束されるかも?」と不安だったが、そんな心配は杞憂に終わったようだ。

検閲官が増員されたことで、普段なら30分くらい並んで通過するイミグレも、5分程度で素早く通過できた。この素早さは普通にありがたい。

むしろ、いつもより早く入国できたのは意外すぎたが笑。


ちなみに、筆者は5年間有効なロシアのビジネスビザで入国したのだが、「ビジネス」について聞かれることはなかった。

ビジネスビザはロシアビザの代行業者経由で取得したもので、180日間で90日間までの滞在が認められる「90日ルール」がある。

モスクワの雰囲気はいつもと変わらない。移民が多い首都の雰囲気で、空港内ではビジネスマンや家族が、忙しなく搭乗口に向かって走っている光景があった。

「モスクワ市街に出ると、また雰囲気が違うのだろうか」と想像したが。

ロシアで2週間弱生活してみて感じる3つの気づき

滞在先のカリーニングラード

モスクワでロシア入国を果たした筆者は、彼女と両親が暮らすロシアの飛び地"カリーニングラード"へ向かった。

カリーニングラードの空港はとても小さく、荷物を受け取って3分もあればタクシー乗り場までたどり着ける。

カリーニングラードで生活し始めて2週間弱が経過したが、気づいた点が3点ある。

  • 聞いていたほど物価は上がっていない(円建てにすると高く感じるだけ)

  • 治安悪化が心配されているが、普段と変わらない治安

  • ただ、現地住民の間に動揺が広がっていることはたしか

この章では、これらのポイントについて書いていこうと思う。

結構意外かも?物価はそこまで上がっていない

写真はキルギスのスーパー。内装はほぼ同じ。

ロシアに滞在していて驚いたのは、意外にも物価がそこまで上がっていない点だ。

たしかに、輸入フルーツや米、そばの実に関しては2倍〜3倍近くになっている。

また、旧ソ連圏ではお馴染みのケバブサンド"シャウルマ"に関しても、1年前に120ルーブルくらいだったものが、200ルーブルくらいに値上がりしていた。
(1ルーブル=2.4円)

ロシアのストリートフードといえばシャウルマだったので、この値上がりは地味に辛いが、中央アジア風のサモサもあるのでそっちに逃げている。


サモサは1個50ルーブルくらいとお値打ち価格なので貧乏人にも優しい。


ただし、全体的な物価で見ると、あまりインフレは感じない。生鮮食料品に関していうと、10%くらいのインフレ率だろうか。インフレ率の高さで言うと、ヨーロッパやトルコ、日本の方がより激しい印象だ。

経済制裁の影響でクレジットカードが使えず、予算が限られている中でのロシア滞在なので、インフレがあまり進んでいない点には助けられた。

治安はいつも通り。ただし、警官や治安維持隊は増えた

イマニュエル・カント大聖堂

これはモスクワでも感じたことだが、目に見える治安の悪化は感じないというのが率直な感想である。

現地在住のロシア人とも会話したが、今のところ動員された人もいないと聞く。

かの動員については州によって状況が違うらしいが、ことカリーニングラードに関しては、あまり動員数は多くないらしい。少なくとも今の段階では。

ただし、普段の日常とは違う点もある。それが、警官や治安維持隊は増えた。

中央広場や中央市場など、街の中心部を巡回する人数が目に見えて増えている。

何かあったら怖いので、見つけたらさりげなく遠ざかるようにしているが、彼らの数が多いために、街の治安が維持されている側面も強いのかもしれないと感じた。

治安は安定しているが、実際はみんな動揺している

恋人たちの愛の証である南京錠

彼女の両親や筆者の友人に聞いても、「かなり動揺している」という声は数多く聞く。正直、明日の未来さえ見通せない不安な日々を送っているようだ。

言論の自由がない国で、不満の声を上げることは人生の終わりを意味する。ある行動をとるだけで、一生を棒に振るような緊迫した状況がそこにはある。

ロシアに恋をして、ロシア語を勉強し始めた筆者だからこそ、平穏なロシアに戻って欲しいという思いは強い。

しかし、だからといってロシア人たちが行動すれば何かが変わるのかといえば現実は難しい。時の政権が変わっても、政権の中枢にいる人間の本質は同じだ。

ロシアの友人や彼女の家族が、また平穏な日々を送れることを願うばかりである。

続く。

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