らしくなくても好きな人に好きって言いたい

今までの私はさ、
結婚に興味がなくて、自分はこのまま1人で寂しさを抱えながら生きていくんだろうなって思ってた。誰かと付き合ってもどうせ別れるのにと諦めてて、実際別れるたびにほらねと確信に変わっていった。
自分のことは大事だけど、自分の人生なのにどこか他人事で、どうでもよくて、ふらふらしてて、地に足がついてなくて、1年後すらどうなってるか分からない危うい毎日だった。

でも、今の人と付き合い始めてからさ、
結婚には興味はないけど、この人とする結婚なら興味あるなとか、一緒に住むのも楽しそうだなとか思い始めちゃって、なんかもうほんと今まで感じたことのなかった気持ちばかり生まれてるんだ。今だけかもしれないって分かってるけど、こんな気持ち初めてすぎて戸惑っちゃう。
学生時代すごく好きな人がいて、その恋愛が私にとってめちゃくちゃ大きくて、「もうきっとこれ以上の恋はすることないんだろうな」ってずっと思ってたのに、まさか全く形を変えてそれを超えた恋愛をするとは思わなかった。
緩やかで穏やかで愛おしくて、なんだか本当にずっとらしくない。

今までずっと、1人で生きる選択ばかりしてきて、それに寂しさはあったけど後悔はなかった。でも、誰かといる未来を見据えた選択をしてもいいのかな。
誰かの存在を感じるといつもすごく臆病になる。誰かのせいにできてしまう、存在に甘えてしまう。私はもうずっと誰かといるのが怖い。

“らしくない”と言う言葉を思い浮かべると、いつも「大豆田とわ子と3人の元夫」の中村慎森の言葉を思い出す。

自分らしくて好きな人に好きって言えないなら自分らしくなくても好きな人に好きって言いたい。そうやって続けていけば、それも僕らしくなっていくだろうし。

この言葉がすごく大切で、すごく勇気が出る。らしくないなって苦笑いしてやりたいこと諦めて、どこかでずっと変わりたいって思ってる。
誰かと生きようとするなんてらしくないけど、らしくなくても誰かと生きてみたい。そうやって続けていけばいつかそれも私らしくなっていくだろうし。
こういうことに限らずね、何にでも同じことが言えるのですよ。

自分を大事にするとか、自分を認めるとか、自分の言葉に耳を傾けるとか結構難しい。それができたら苦労しない。けど、確かに少しずつ「あ、自分のこと大事にできるな」って変わっていく実感があって、それがすごく嬉しい。いつもじゃないし、持続的に感じるものでもない。それでもそういう瞬間が少しでも多ければ多いほどいいなと思う。

前、付き合ってる人が「恋してよかったです」って電話越しに呟いてた。
そんな素敵なセリフ、私だって思ってる。恋してよかった。好きになって本当によかった。その相手があなたで本当に良かった。
これからもできるだけ長くこの気持ちが続いていけば嬉しいなと思う。

おわり