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人の行動でコロナウィルスの感染力が変化する?

 名古屋大学などの複数の研究チームが従来株、アルファ株、デルタ株、オミクロン株に感染した計274人の臨床データを解析したところ、人が感染症から身を守るための行動がウィルスの感染力を変化させ進化に影響を与える可能性があることを、11月21日付の英オンライン科学誌「Nature Communications」に発表しました。
 
 この結果によれば、感染者が排出するウイルスのピーク量の増加に伴って感染力が高まるそうで、ピークに到達する時期も早まる傾向があるそうです。また、詳細な分析から感染後の早い段階で隔離されて接触機会が減少すると、より早い段階で感染力が高くなることがわかりました。
 
 この研究ではAI 技術によりウイルスの進化をシュミレーションしていて、自宅待機、3密回避、感染者隔離などの人の行動により、ウィルスが進化する可能性が示唆されています。短くなった潜伏期間や高くなった無症候率も、変異株を進化と密接に関連していることが判明しています。

 抗ウイルス薬やワクチンを使った感染症対策はいずれウイルスが進化する要因になるだろうと思っていましたが、人の行動に合わせてウィルスの感染力が高くなることに大変驚いています。ウィルスが人と共存を望むなら、人の身体によい作用を与えてくれる方向に進化してくれることを願います(H. S)
                                                                                                                                           
参照:日本経済新聞(2023年11月23日付)
国立研究開発法人 科学技術振興機構
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20231121-2/pdf/20231121-2.pdf