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パッチ型心電計を自分で装着できるルールに

 パッチ型心電計を患者自身や家族、介護士などが装着できるようになります。患者自身や家族が装着することは、医師の担う医療行為とみなされる可能性がありました。政府が不整脈などのデータを計測するパッチ型心電計について、病院に行かなくても自宅で検査できるようルールとして明示することにより、患者自身や家族、介護士による装着を認める方向のようです。近く公表予定の文書で医療行為に当たらないと位置付けるようです。

 パッチ型心電計は不整脈などの初期検査に使用されます。アステラス製薬など数社がこの心電計を販売し、2020年頃から普及しています。パッチ型心電計を含む24時間計測可能な心電計の検査件数は年間約150万件と推定されています。機種によって異なりますが、データの取得期間は24時間〜14日程度までです。
 通常の心電図検査は短い時間で行われるため、不整脈などの症状が現れない場合、疾患を見逃す場合があります。一方、パッチ型心電計は長時間にわたってデータを収集できるため、病気の予兆を捉えやすくなります。

 不整脈の患者数は、その原因の一つと言われている心房細動だけでも100万人以上と推定されています。心房細動の症状は個人差が大きく、症状がない人から脈の乱れを自覚している人、突然倒れる人までさまざまで早期発見が難しいという特徴があります。
 パッチ型心電計の使用によって高齢者などの検査頻度を高め、健康管理が支援されることで健康寿命の向上につながることが期待されています。高齢者に限らず、全ての人が健康で幸福度の高い生活ができることを願います。(H. S)
 
参照:日本経済新聞(2023年7月31日付)