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えっ、嚥下体操しかやっていないの!?

こんにちは。ヒルムーです。
今日は、「えっ、嚥下体操しかやっていないの!?」ということで、嚥下訓練の質について書きたいと思います。
私は、以前嚥下に強い大学病院に勤めており、年間300件以上VE・V Fを行ってきました。「嚥下に強い病院」ということで様々なところから嚥下評価の依頼がありました。
基本的には、V E・V Fの評価のみ行い、推奨形態や食事の注意点をお伝えし終了する方が多いのですが、時折、短期間で訓練を行う方もいました。

その中である方の評価・訓練を担当することとなりました。
その方は、誤嚥性肺炎を繰り返し、1年近く絶食中で胃瘻も造設されていました。

VFでは、咽頭収縮力低下、食道入口部開大不全、頸椎前弯を認め、水分とろみでの直接訓練レベルでした。外来で訓練を継続したのですが、話を聞くと訪問リハでS Tも行っていたとのことです。
「訪問リハで何していたんですか?」と聞くと、

「血圧を図って、肩を揉んでもらって、ちょこっと口を動かしていただけです。今みたいなことは全くやっていないです」

と。もう少し詳しく聞いてみたのですが、リラクセーションと嚥下体操しかやっていませんでした。

「えっ嚥下体操しかやっていないの!?」状態です!!

訪問リハで嚥下体操しかやっていない例は、この方だけではありません。複数例あったのです(もちろん、しっかりリハビリされている訪問リハもあります)。
訪問リハの詳しい事情は分からないため、一概には言えませんが、リラクセーション、嚥下体操だけでよくなるのでしょうか!?
私の中では、嚥下体操はスポーツで言う、「準備体操」と思っています。


食事前に嚥下体操をやるのは、良いと思います。ただし、STの訓練のメインが嚥下体操になってしまうのはどうかなと思っています。
その方の訓練内容としては、以下の練習を行いました。

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もちろん、訪問リハと病院では、環境が違います。
バルーン訓練は、自宅で取り入れるのはハードルが高いかもしれません。

最終的には、全粥、ペースト粒あり食の楽しみ程度の経口摂取となりましたが、さすがにリラクセーションと嚥下体操だけで良くなるとは、到底思えない例でした。

しっかりと個別に問題点を挙げて、リハビリを実施していく必要があります。

私の場合、食べるのが一番の訓練と考えていますので、食べ方の指導は必須と思っています。1回1回の嚥下をしっかり指導する、それも嚥下訓練の超重要な因子と考えています。

皆さん、どうでしょうか!?
嚥下訓練はマンネリ化していないでしょうか!?生活期でも良くなる例はたくさんいます。

しっかりと評価して訓練、再評価→訓練とSTの強みを生かしていかないといけません。

本日は、以上になります。さようなら〜!!

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