見出し画像

note creator meetup #2に行ってきた

ちょっと日が経ってしまいましたが、先日参加した『note creator meetup #2 』に行った時のことを書いてみようと思います。

前半の無料部分では、レポート(というか自分メモ的なもの)を書きます。後半の有料部分では懇親会での田中圭一先生との会話(+α)を書きます。

『note creater meetup』は今回で2回目の開催です。前回参加してみてとても楽しかったので、無料だし今回も行ってみるかーという軽いノリで行ってみました。今回のゲストは田中圭一先生とながしまひろみさんです。ちなみに前回参加した時の様子はこんな感じでした↓

まず、場所は前回同様、渋谷の「hoops link tokyo」。渋谷駅から徒歩5分くらいの場所です。三井住友銀行の中のエレベーターに乗る必要があるのでちょっと戸惑います(笑)6階に上がり扉が開くとそこにはオサレ空間が広がっております。

受付を済ませると…
スタッフの方「お好きなものをどうぞー。」
『…!』

こんなんもらったら惚れてまうやろ…。

空いてる席に腰を下ろし、開始まで待機します。時間になり、司会の方の案内で今回のゲストである田中圭一先生とながしまひろみさんが登場しました。田中先生はウエストポーチが印象的でした。

以下、みなさんPCで入力されるなかアナログのメモ帳を駆使して記録した内容をお伝えしようと思います。もし間違った情報ありましたらご指摘頂けたら嬉しいです。

田中圭一先生のお話

『うつヌケ』は2014年12月3日に「文芸カドカワ」とnoteで同時に始まった。

<同時連載の経緯>
自身がうつ病を脱出した経験を漫画にしようと思い立つ。

Twitterで編集者を募集する。

ツイートから30分もたたずにKADOKAWAから連絡があった(その編集者の方も、うつ病の経験があった)。しかし、提示された原稿料では制作費をまかなう事が難しかった。

note代表の加藤さんから連絡があり、KADOKAWAとの話し合いの結果、お互いの読者の食い合いはないだろうという判断により「文芸カドカワ」とnoteで同時に連載することになった。

noteでの売り上げが基準を下回った場合、noteが保証する取り決めをする。

制作費を調達出来たので、ウェブ用のカラー版と単行本用の白黒版を同時進行で制作することが可能になった。


<noteでどれくらい売れたのか>
1話と2話を同時に公開した。1話は無料。2話は200円で販売した。

その結果、1500人くらいに買ってもらえた。全20話で、ピーク時は1話あたり2000人くらいに買ってもらえたが、後半は減っていった。


<単行本を何部刷るか>
noteでの売り上げを参考に、単行本を購入するのは2000人程度であると予想し、初版は8千部に決まった(黒字化するための最低ラインが5千部と言われている)。ちなみに、田中先生の経歴の中で初版が1万部を下回ることは無かった。

結果として、現在までに34万部を売り上げる大ヒットとなった。


<売れるコンテンツとは>
『うつヌケ』は、1話100円で販売したが、200円でも良かったと思っている。300円~500円でも良い。なぜなら、刺さる人には刺さる内容であり、それらの人にとってはお金を払ってでも読みたいものであるから。

よってクリエイターは、そのコンテンツが読者がお金を出してでも読みたいものなのかを考えるべきであり、読者にとって価値のあるものを提供する必要がある。


<売るための工夫>
当時、1ページ目がサムネイルとして表示される仕様であった。玩具メーカーで働いた経験から、単に漫画の1ページ目を見せるだけでは買ってもらうことは難しいと考え、1ページ目はその回のダイジェストを作成して内容が分かるようにした。

現在では、何ページまで無料で見せるかを自由に設定できる。現在の仕様であれば、8ページの漫画であれば3~4ページまでは見せる。16ページの漫画であれば12ページまで無料でも良い(残りの4ページに自信があれば)。

中身が見たくなる扉ページを作ることは重要。


<売れるジャンルとは>
田中先生の著作であるトーチ連載の『Gのサムライ』は、この作品のためにサーバーを増強するほどのアクセス数を誇った。しかしながら、単行本の売り上げとしては2万部程度だった。

ショートギャグやオムニバス(キャラが変わる)だと売るのが難しい。

海外ドラマのような引きがあると良い。


<キャラクターの重要性>
キャラクターを好きになってもらうことが重要である。『こぐまのケーキ屋さん』がヒットした背景には、グッズとして本を買いたいという読者の心理がある。

キャラクターが人気の例として、『しかるねこ』があるが、単行本の売り上げは『こぐまのケーキ屋さん』には及ばなかった。その理由として、以下のことが考えられる。

『しかるねこ』→ストーリーが無い
『こぐまのケーキ屋さん』→ストーリーがある


<これからの編集者の役割>
編集者はプロデューサー、漫画家はディレクターであると考えている。

今の時代、デジタルデータを直接売ることが出来る。そのため出版社はいらないという考え方もあるが、出版社には漫画家をプロデュースするノウハウの蓄積がある。

編集者はこれまで、黒子に徹するのが美徳とされてきたが、これからはもっと前に出てきて欲しい。それによって、優秀な編集者には漫画家が集まってくるようになる。編集者が共同制作という形で関わったのであればその分はリターンがあってしかるべきである(関わった人の名前も出るべき)。

『うつヌケ』の担当編集者は、文芸部分の能力があったため、インタビューにおいてキーワードの選定をすることが出来た。また、漫画編集のキャリアもあったのでコマ割りなどの指導を受けることもあった。


<SNSでの立ち回り方>
発言がすぐ炎上するのでやりにくさはある。特に政治的な発言など。

その上で必要とされるのは、メンタルの強さ。いかに気にしないか。ケチをつける人は一定数はいると認識すること。


<読者との関係性の作り方>
単行本の書影をTwitterにアップしてくれた人全員に対して、下ネタ応援ツイートをした。バーチャルサイン会的役割ととらえている。


以上がレポートとなります。

以下、懇親会での田中圭一先生との個人的な会話(+α)です。

ここから先は

3,753字 / 2画像

¥ 200

夕飯が豪華になります。