ようこそ!アマゾネス☆ポケット編集部へ 2

私の好きなジェントルメン中村先生の単行本、講談社のtreeというサイトで現在
ようこそ!アマゾネス☆ポケット編集部へNOWというタイトルで連載中の作品の単行本第2巻!買ってソッコー読んで、その後も何度も読み返しています。だって一度読んだだけじゃ、とてもじゃないが受け止めきれないぐらいのパワーと圧と迫力がギッシリ詰まっているから……なんのこっちゃわからん人は是非、連載中の本編をご覧になってください。私の言ってることがウソじゃないってわかるから。
https://tree-novel.com/works/a656c0b03ba33430a5c0edda2455ce82.html
凄い圧力でしょ、こんな漫画があるんだってぐらい。
本当なんです!信じてください!!
北斗、お前は二週間の謹慎だ!

無事に超獣攻撃隊を謹慎処分になったところで本をめくりますと。
この漫画はアマゾネス☆ポケットというだけあって登場人物の殆どが女性。豪談社のアウト・ポケットという雑誌の編集部が舞台。コレは以前、講談社からイン・ポケットという雑誌が出ていてそこで連載されていたことによる。アウト・ポケットどころかポケットを突き破りそうな濃厚かつ屈強な編集部員(アマゾネス)の皆さんによって日々運営されているのだ。
で編集部の皆さんが濃厚なら出てくる作家や書店員、同じ豪談社の他部署のメンバーまで、みんな濃い。濃すぎるのだ。しかしそのコールタールのような濃いお話を猛烈なエンジンで突き進めてしまう、それがジェントルメン中村先生の持つ奇想天外な発想力。
筆の進まない作家には独創的な激励や差し入れを、売り場の展示に悩む編集部員には泥臭いまでのサポートを、さらに編集部員の忙しくも明るく楽しい私生活も。余すところなく描き出してイキイキと動き回る。舞台はビルの中の一室だけど、そこから無限に広がるそれぞれの物語。それは漫画でありながら小説のように、小さな糸切れを逃さず拾い上げてたくし込んでいく作業に似ていて。文学的かつ戦闘的。ジェントルメン中村先生おなじみのルビ芸も加速して、もうフリガナも熟語も何でもアリだけどフレーズとしての説得力は抜群。
全部例を挙げてアレもコレもと説明したいぐらいだけど、そんな野暮なこともないと思うので…カッコいい女性、可愛い女の子、忙しいママ、それぞれにドラマを抱えたアマゾネスたちの生き様が詰まった単行本(タマシイ)が、手元にあるっていう感じです。

幕間にはコラム的に、古今東西の読書についてのイラストが挟まれててこれがまた可愛い。歴戦の猛者である才堂編集長と新人の紀之子ちゃんの対比がわかりやすく出ていて、最後に未来の読書まで付け加えているところがまた。

この第2巻を通して、マリーと魔法の岩という作品が単行本化され売り出しのアイデアが練られ、さらには重版までかかり……そこにそれぞれ関わり合った人間のドラマが重なるという流れもある。勿論同時進行的に他の作品や作者、売り場にかかわるエピソードも盛り込まれて、多忙でもやりがいのある仕事っぷりが伺える。一人の新米編集者(アマゾネス)の視線を通して見る出版の世界。時に突拍子もなく、時に人間臭い、この濃密な物語は、やっぱり紙の本で欲しいなと思って単行本を買いました。
この圧に負けないように読むには、こっちも力いっぱいグワッと挑む必要がある!
と、常々思っていたからです。ジェントルメン中村先生の他作品でも、やはりこの

が重要で、こいつが心のツボにグッとかかることで読み手のエンジンがボッと燃える。心に灯がともる。元気の出る一冊です。皆さんも是非。

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