ケロちゃんのコールは鳴りやまない。

昭和黄金時代から平成のドームプロレス時代の新日本プロレスファンにはお馴染みの、ケロちゃんこと田中リングアナウンサーが闘病中とのことで……
ついこの前まで、この病気に負けないようにと私たちを励ましてくれていたというのに…

がんばれケロさん、私はインディープロレスファンとして言いたいこともあったけど、やっぱり生まれて初めて見たプロレスでリングアナウンサーをしていたのがあなたで、自分が最も熱く新日本プロレスを見つめていた時の語り部でもあった。
まだまだこれからじゃないですか。選手が現役を退き世代が変わった時、その戦いぶりや生き方を間近で見て来たあなたの存在意義はあまりに大きい。

いやもう正直いうけど寂しいからいかないでくれ…!

家に、ケロちゃんの旅日記シリーズも揃えてたんだよ。幾つかは今も残ってるよ。
この戦いに勝って、また元気な声を聞かせて欲しい。

あの軽妙過ぎてマッハで読めちゃう旅日記が大好きで、本屋さんを幾つもハシゴして揃えたんだ。おばあちゃんに小遣い貰ったりした時に。
いま我が家の本棚を漁ったら二冊だけ残っていた。そのうちの一冊は、読み過ぎて表紙がボロボロになってしまったので剥がしている。子供の頃から延々と読んでたせいで、こんな風になっちゃってまあ

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手元の色んな本に写真が無いかと思ってザっと漁ったけど、あんまり残ってなかった。
アントニオ猪木さんの記念ムックに、小さな写真があった。
とても若い頃だ。
あれから30年?40年近く経っているかもしれない。

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それでもついこの間まで元気だった人が、いま懸命な治療を受けているという。本当に恐ろしいウィルスだし、それでも世の中を、誰かの求める正常に近い形で動かし続けなくちゃならないことが、もっと恐ろしい。でも、そんな最中に励ましてくれたり、安心させてくれる、一時それを忘れさせてくれるのが娯楽の力であり、魅力なわけで。

私は、その辛かったときや悔しかったときのことも、プロレスを見て大いに楽しめたことも、本気で怒ったり嘆いたりしたことも覚えているし、それをかつての選手や関係者の方々が欠片でも知っていてくれたら嬉しいと思っている。

ケロさんのコールで始まった試合が、ケロさんのコールで終わる。
ドーム大会の衣装、派手だったね
前口上、しびれたね
たまに本部席も乱闘に巻き込まれて流血、椅子から転げ落ちたりもしてたね
インディープロレスにとっては敵だったね

リングアナウンサーっていう役職、キャラクターを変えた人だと思うし、その日に行われるプロレスリングという文化の世界観を支える名脇役であり続けた。
舞台が変わり役者が揃って始まる暴走の、その火ぶたを切って落とすのがケロさんのコールだった。

こんな凄い人だからスカウトされても無理はないけど
まだまだ向こうでリングアナウンサーやるのは早いよ
ケロさんのコールが、また聞きたい。
戻ってきてくれ、頑張れケロさん……!!

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