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オーストラリア4 驚きの世界

とはいえ、すぐには決断が出来なかった。
しばらくすると疑いが出てきた。
本当に大丈夫なのか。
何も調べていない状態で大丈夫なのか。
そんな不安から、ひとまず仕事の確保をしようと、バイロンベイでタイマッサージ店はないか調べて連絡を取り始めた。
そこで働くかどうかは分からないけど、ひとまずの安心感は欲しかった。

そして、彼女との出会いをきっかけに「仕事に缶詰ではなく、もっと楽しいことをしたい」という欲求が出てきた。
思ったことが用意されるスピードが速くなって来ていた。(今振り返るとだが)少し外れたところで先住民アボリジニが住むコミュニティーがあり、そこで年に一度大きなフェスが行われることを知った。
やはり私は、「行きたい」と思った。

そこはバスも出ておらず車で行くしかないと。しかし友達がいない。
そこで私は数あるバッパーの掲示板に貼り紙をしようと思いついた。誰かシェアしていきたい人がいるはずだ!

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下書きに描いたものが残っていた。
丁寧な英語表記の文章を一緒に住んでいたアリスの旦那さんに訂正してもらったものだ。
こういったところも恵まれている。
まだまだ心が窮屈だった私は、そんな人から受け取る豊かさをしっかりと感じることができていなかったと思う。
今になってははっきりとわかる。何かや誰かに対して不満があるのなら、それは全て自己責任。嫌なら変えようとすればいい、変えればいい、変えられる力を持っている。
この頃は何に向き合って、何を感じて、どうすればいいのか。そんな対応をしてあげれる、なんて思いつかなかったと思う。とにかく突っ走っていた。

翌日、紙を印刷してバッパー巡りをした。レセプションの人に許可を取って、貼らせてもらってを繰り返す。
そして、驚くことに数時間後貼り紙を見たと電話がかかってきた!
なんと早い!
内容を聞くと、フェスティバルで出店するブースを手伝う代わりに、チケット、交通費はいらないという。
よく分からないが、他の旅人たちもいてなんだか楽しそうだ。
即答でOKした。

出発当日。とても楽しみだったと思う。
店を休む事も許可をもらえた。

出店すると聞いていたので、出発まで一仕事がある。
ブース用の機材等を車に積み込む。スイカを売っていたんだっけ。記憶がない。
一緒に行く子たちはヨーロピアンが多かった。みんな若い。ドイツ人の子達が多かったような気がするが、なんかしっかりしている印象を受けた。

長い道のりだった。どんな話をみんなとしたのか覚えてはいないが、他の国からの旅人たちに囲まれている事が居心地よかった。
一人一人の個性が全く違くて面白い。

どのくらい車を走らせたのだろう。
早朝に出て、真夜中についた覚えがある。みんなヘロヘロだ。
一人用のテントを用意してくれていたようで、ありがたかった。
真っ暗の中テントを組み立て、寝付きの悪かった私はあっと今に意識が飛んだ。
これから数日間キャンプ生活が始まる。


お手伝いのスケジュールは結構密だった。
10人ほどいたので、交代しながら店番をした。
ただ、私は思った以上に自由な時間がなくて、イライラし始める。
「もっと遊びたいし、見てまわってみたい」
でもみんな文句も言わずに働いているし…
その感情を抑えながら作業を続けたが…
何がきっかけでそうなったのか覚えていないのだが、爆発した。
リーダーに泣きながら訴えた。もっと自由時間が欲しいと。こんなに拘束されるなんて思っていなかった。
気持ちを告げたら、わかったわかった、遊んでおいでと言ってくれたのだ。それが特別だったのか、それもうる覚えなのだが。

この時から、感情を出すことを徐々に体験していくきっかけだったのかもしれない。

お祭りはとにかく物珍しいものが沢山あった。アボリジニ伝統の踊り、歌、楽器、アクティビティ…人気があるのも頷ける。

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朝から昼までプログラムが満載だ。
なんて楽しいところなのだろう。

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アボリジニ伝統楽器として有名なディジュリドゥを作る体験コーナーもあって参加した。
木が空洞になっていて音が出る仕組みなのだが、この穴はなんとアリが食べてできるものなのだという!それには驚いた。
ノーザンテリトリー州で有名なもの一つはあり塚だ。

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モコモコなオブジェのような形をしている。
これを初めて見た時も驚いた。
あんなちっちゃい蟻たちがなす驚きの技がこの一帯には広がっている。
ホントにありさんたちが?
これは何度見ても驚きの景色だ。なんと100年前から作られているものもある。
知らないことを知ったり見たりするのも旅にはまる一つの理由だ。

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