dYdX V3のガバナンスに関する考察

この記事は、dYdX Foundation（dYdX財団）の公式ブログ記事を一部編集して翻訳したものです。必ずこちらの原文を確認してください。

Learnings from v3 Governance

はじめに

この記事では、dYdX V3のガバナンスに関する経験を基にした考察を解説します。主な目的は、ガバナンスに関する知識をまとめ、dYdXコミュニティでガバナンスの改善について議論することです。

完全版のドキュメントは、こちらからご確認いただけます。

ガバナンスへの参加

dYdX V3では、平均30件の提案があり、2600万 DYDX(投票可能な供給量の~7.0%) と412件のユニークアドレス (投票可能かつ適格なウォレットの〜1.1%) が投票に参加しました。

また、仮想通貨市場は「冬の時代」であるにもかかわらず、dYdXガバナンスへの参加は、2022年、四半期ごとに増加しました。

過去6か月で、1950件のユニークアドレス (適格な全投票アドレスの約5.2%) および1610万 DYDX(投票可能な供給量の約4.3%) が、少なくとも1つのオフチェーンスナップショットもしくは1つのオンチェーン DIPに投票。投票に参加するユニークアドレスの数（​​DIP 4を除く）と投票されたDYDXトークン数には、一貫した増加が見られました。

オンチェーンの投票と比較して、より多くのユニークアドレスがオフチェーンの投票に参加しましたが、投票されたDYDXトークン数量は、オンチェーン投票の方が高い傾向にありました。これには、以下の2点が起因すると考えられます。

• オフチェーン投票が終了してからオンチェーン投票作成の間のリードタイムが長くなると、提案が勢いを失い、ユニークアドレスの投票が少なくなる可能性がある。

• Coinbase CustodyやAnchorageなどのカストディ（暗号資産保管）サービスを利用するトークン保有者は、オフチェーンのスナップショットに参加できない。

なお、ツイートやAMAセッションを通じて提案を明確にすることで、ガバナンスへの参加およびdYdXコミュニティへの参加者数の増加につながった可能性があると考えられます。

コンセンサスプロセスについて

提案のサイクル全体における、フォーラムディスカッションからスナップショット投票およびオンチェーン投票の作成の間のリードタイム（所要時間）は、それぞれ平均17日と48日です。

dYdXガバナンスの効率を向上させるために、dYdXコミュニティが、提案のプロセスを合理化する方法を検討することをお勧めします。これらの解決策の1つとして挙げられるのは、特定のパラメーターの意思決定権を専門のワーキンググループまたはサブDAOに委任することです。

デリゲート

2023年2月1日の時点で、25人のコミュニティメンバーが「Endorsed Delegate（承認済みデリゲート）」として参加しています。2022年2月11日に承認済みデリゲートプログラムが開始されて以降、特定の提案における承認済みデリゲートの投票比重は、平均41.43%を占めています。

現状では、投票権と提案権の配分に偏りが見られます。なお、9人の承認済みデリゲートが投票権と提案権の過半数を保持します。 

• 承認済みデリゲートの平均投票権と提案権: 160万 DYDX

• 承認済みデリゲートの最小投票権と提案権: 1 DYDX

• 承認済みデリゲートの最大投票権と提案権: 930万 DYDX

今後、より多くの承認済みデリゲートが活動し、より多くのDYDXトークン保有者が委任を行うことで、投票権と提案権がさらに分散され、全体の分散化に繋がることが期待されます。

dYdX V4（完全分散化）のメインネットリリースは、dYdXプロトコルの分散化およびガバナンスの転換点となります。dYdXプロトコルが、dYdXコミュニティによって完全に管理および制御される日が来るのを楽しみにしています。

完全版のドキュメントは、こちらからダウンロードできます。これらの情報に関するdYdXコミュニティからの意見やフィードバックをお寄せください。コミュニティがさらにガバナンスに関して議論することに期待しています。

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免責事項

dYdX Foundation（以下、dYdX財団）の目的は、コミュニティや開発者、分散型ガバナンスを促進し、dYdX プロトコルのエコシステムをサポートし、成長させることです。

この投稿の内容は、法律、財務、税金、またはその他のアドバイスとして、または誰かによる行動への指示または招待として使用または考慮されるべきではありません。dYdXコミュニティは、dYdX DAOによって採用されたガバナンス規則、原則、およびメカニズムに従って、随時自由に決定を下すことができる主権者です。この投稿の内容に関するコミュニティでの議論と交流が奨励されています。dYdX財団は、dYdXコミュニティによって行われるガバナンスの決定に直接参加することはありません。これには、ガバナンスの提案の作成および/または投票が含まれますが、これに限りません。dYdX財団は、将来、この投稿で表明された分析または意見を変更、更新、または補完する可能性があり、そのような変更または更新を公に開示する義務を負いません。