見出し画像

まるっと縁起でプロジェクトを理解する

この記事で伝えたいこと

プロジェクトの価値を引き出す思考法をプロジェクトと縁起の関係から理解する。

縁起とはなにか

縁起は縁が起きると書き、すべての事柄は相互に関係しあっていることを意味します。この関係は複雑な関係の網の目としてつくられていきます。

例えば、私という存在は、母親から生まれ、親元で育ち、学校では先生がいて友達がいて、バイト先では店長や同僚がいて、お店に行けば店員さんと客としての自分がいます。
ただ生きているで様々な人と関わりあって生活しています。関わりあうことで、私という存在ができているともいえます。この関わり合いが縁起となります。人と人だけでなく、人と物事、物事と物事の間にも縁起が成り立ちます。

縁起によって世界を成り立つ一方で、現代は縁起以上に言語と論理的思考か重視される時代でもあります。コミュニケーションといえば暗黙的に言語が前提となり、人に説明する時は論理的であることを求めます。言語と論理が世界の全てだと勘違いしてしまうほどに。

論理的思考だけが思考と勘違いしてしまいますが、そうではなく古来からみれば呪術的思考や神話的思考が存在し、縁起もまた縁起的思考として存在します。この縁起的思考について書かれているのが中沢新一著のレンマ学という本になります。

レンマ学ではロゴス(論理・理性)とレンマ(縁起・知性)を対比させながら、縁起的思考について考えを深めています。

現代の生活で重視している論理的思考は、ある前提のもと演算(論理記号)を用いて正解を導き出すことを得意とします。科学的思考と相まって、便利で物質的に豊かな社会を形成しています。

万能とも見える論理的思考は、一方で大量の変数がある状態や変数の定義が曖昧な問題に対しては正解を導くことが困難になります。縁起的思考はそれを補完する思考でもあります。
ただ、論理的思考は主で縁起的思考が従という意味ではなく、もともと両者はひとつであり、主従ではないのです。

ただ、論理的思考ばかりスポットライトが当たる現代で、論理的思考偏重によって取りこぼされている問題をすくい上げるためにも縁起的思考を呼び覚ますことが大事なのではと考えます。

プロジェクトと縁起の関係

日本においてここ100年あまり様々な変化がおこり、現代においても様々な問題が起きています。その問題を解決していく営みに名前をつけるなら
「プロジェクト」という名前がつく
でしょう。
このプロジェクトはひとりではできず、

人、環境、リソース、時間、文化 

とこれらが縁起として網の目のように関わり合っています。
いままでのプロジェクトはQCD(品質・コスト・納期)のお題目の下で特定の人だけが受益することを前提に行われました。

縁起の思考を取り入れることで特定の誰かが得するプロジェクトから、皆にとって価値あるプロジェクトへ。ひいては社会全体にとって価値あるプロジェクトへと発展を遂げていけるのではと考えます。

縁起の思考をプロジェクトをどのようにプロジェクトに活かすのか考えてみます。縁起時代はなにか手順を踏んで出力するようなものではないですが、
様々な関係に思考をめぐらせながら、(自分が考える)全体にとって良いものを直感的に取り出します。
焦って取り出さず、思考をめぐらせながら良いと思える結果が出るまで待つ。計算量も計算過程も見えないところが厄介だが、その結果はしっくりくるのが縁起的思考の特徴となります。
なぜその結果になるのかと問われると、全体を考えた結果これがよいと思った程度の説明しかできないでしょう。後付けで、論理的思考で根拠づけできたとしても。

縁起的思考を実践するために

縁起の知性を磨くために、全体を丸っと理解することに取り組んでみましょう。ここ数年、関わっているプ譜が利用できるのではと考えます。

https://note.com/dyamashita/n/n2bbe220b0573

プ譜では人、環境、リソース、時間といった事柄を各場所があります。
改めて考えると。そもそもプ譜が縁起を扱っているのではないかと思うほどです。
まずはプロジェクト全体を丸っと理解するプ譜を書いみること。可能であるなら、自分以外のひとと共有し合うことで縁起の思考を磨けるのではと考えます。

縁起の思考とプ譜

流れとしては、
さまざまな関係を思い浮かべな、様々な関係の中で、ちょうどいい目標や施策を探りながらプ譜を書いてみる。
実際に行動して理解が深まったら、コメントを書いたり、プ譜をアップデートしたりしてみる。
もし、同じチームの人で書いたことを見せあったり、一緒に話しながら書いたりすることでより理解が深まる。
こういった流れを踏むことで縁起的思考によってプロジェクトを磨いていけるでしょう。

ただプ譜に現れるのは、思考の中で言語化できた氷山の一角に過ぎず、縁起の思考は広く深いことは心に留めておくのがよいです。

論理と縁起の両輪によって、より豊かな活動できることを広げていきたいです。

縁起の思考はAIが真似できない思考でもあり、
またまだAIには負けていられないと思う次第です。

この直感的で縁起の思考はYOASOBIの群青とどこか似ている気がします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?