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景色
正午頃。
1時間半ほど、電車に揺られた。
賃貸がある街と、実家がある町を繋ぐ電車に。
今回は賃貸がある街へ向かう電車に乗った。
毎回、ヘッドフォンから音楽を流しながら、
1時間半の間、窓の外を眺める。
今日は少し変わって、
電車でnoteを書こうと朝から決めていた。
しかし、気づけば、いつの間にか
スマートフォンから離れ、窓の外を眺めている。
毎回同じ電車で、同じ線路を走るのに、
山の天気も、街の雰囲気も、車の量も、
川の水位も、木々の色合いも、毎回全て違う。
そのせいで、
窓の外の景色から目が離せなくなるのだ。
結局ずっと窓の外を眺めていたので、
帰宅後、少し休んでからnoteをまとめる。
今日は色々見た。
───
電車より高い位置に、知らない公園があった。
そこに、赤ちゃんを抱いた母親が居た。
こちらを指さして、赤ちゃんと笑顔で話す。
自分も小さい頃、走る電車を親と見た。
電車側から見ると、ああ見えるのか
と、少し感動した。
電車って、ワクワクするもんね。
電車から見る母親と赤ちゃんの笑顔、良かった。
───
いくつか、マンションが目に留まった。
バルコニーの形がまん丸で近未来的だったり、
真っ白なのに、ドアだけ綺麗な青緑だったり、
ベランダの壁の色が一部屋ずつ違っていたり。
凝ったデザインのマンションには、
毎回、見惚れてしまう。
建物自体は四角いのに、
壁やバルコニーに曲線がある。
そんなマンションが好みのようだ。
そういえば、
マンションではなかったが、
壁がオレンジで屋根の縁が黄緑の
マスクメロンみたいな一軒家も見つけた。
───
十字架だらけのキリスト教の墓場も見た。
最近、死霊館/アナベルシリーズを見たばかりで、
十字架の墓を見て声が出そうになった。
実話を映画化した回もある、
アメリカの有名なホラー映画である。
何度も乗ったことのある電車なのに、
今日、初めてキリスト教の墓場を見つけた。
あまりにタイムリーで、怖くなりかけた。
しかし、よく考えると、
自分はキリスト教徒ではないことに気づく。
つまり、シスターの霊を見ることも、
悪魔に憑依されることもないだろう、多分。
という、IQ30ほどの考えで怖さを払拭した。
───
あと、これは自分だけかもしれない。
田舎の田んぼ道などによくある、
長さが1m程しかない二つ足のガードレール。
あれが毎回ヤギに見える、今回も見えた。
ヤギだとしたら6匹は居た。等間隔に。
───
電車の窓から見る街では、
少年2人が狭い道で自転車を漕いでいた。
交通整理の人が赤旗と白旗を上手に扱っていた。
降りた駅では、
金の髪に澄んだ青の目の女の子が、
同じ目色の父親とアイスクリームを食べていた。
自分は片手に珈琲を持ち、
肩には大事なベースを担いで駅を歩いた。
「今日、ベース(又はギター)弾きを見たんだ。」
と、誰かしらの目に自分が映り、
今日の印象に残っていたら、面白いなと思う。
暖かく、良い日だった。