両想い切符
昔、両想い切符ってのが流行った。
今もある文化なのかどうか。
そんなもの、
とっくに信じていないのに。
最近、電車に乗る度に発券される。
そして毎回、少し嬉しくなってしまう。
何枚か発券されているのだけれど、
それがまた、全て良いパーセントで。
信じてしまう。馬鹿げている。
昨日も今日も、
君にそんな素振りはなかった。
分かってる。
君の中に私は居ないということ。
君なら切符の数字なんて目にも留めない。
留めたとて、君の中に私は居ない。
分かってる。
けれどきっと今だけだから、
君が私の中に居ること、許してほしい。
今日もお疲れさま。おやすみなさい。