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見込のない事業からの勇気ある撤退



何でも気になって手を出してしまいがちな性格の私ですが、30年間倒れずにやってこれたのは「時代のニーズ」に乗った事業をいくつかやれたことと「見込みのない事業からの撤退」ができたこと要因の一つだと評価しています。

ベンチャー経営者として自身が何をしたいではなく、お客さんが何を求めていくかを追求してきたつもりで「この事業お客さん喜びそう、やったら伸びるそう、稼げそう」と事業に取り掛かります。

はじめた事業が当初の想定通りに伸びれば最高ですが、そのようなケースは本当に稀であり、ユニクロ柳井さんがおっしゃる「一勝九敗」も覚悟しなければならない厳しい世界です。

見込みのない事業からの撤退は経営者の必須スキル

一つの事業で何十年も継続できるのは理想ですが、中々そうならないものです。
インターネットの普及で流行りも早いが廃れるのも早いデザインなら一年持つかどうかサービスでも数年持たないものも多い、もし長期的に会社を継続するなら稼げる事業があるうちに次の柱を立ていていくことを継続的に行う必要があります。

その為には限られた資金、人的リソースが伸びない事業で拘束されている・社長が伸びない事業に時間を使っているようでは新しいことをはじめるチャンスを失うことになります。 経営のスタートからこのことばかり考えるのは早すぎるとしても社員が10名も超えてきたらスキルとして身につけたいところ。


これまで辞めた事業は数えきれないほど

・携帯電話買取、販売業
・マンション太陽光
・訪問看護ステーション
・ウェブ制作
・データベース管理
etc

はじめる前に需要予測を行う。

需要が本当にあるのか、費用を払うだけのペインがお客さんにあるのかなどを調べてから本格参入をする方法をお勧めします。
サービスのランディングページを広告してみてCV数、CV単価が既定の数字をクリアしなければ本格参入しないなど基準があれば安心です。
あと、他社が成功している事業でも自社に成功させる人材、顧客基盤などアセットがない場合太刀打ちできないこともあります。

この見極めができなかったケースでは火傷をしました。

撤退基準に関して

先日ソーシャルゲーム会社のメンバーと話していて、スマホゲームをローンチして撤退までを判断するのにどれくらいの期間をかけているか聞いたところ、早い時は数日で判断し、数ヶ月でゲームを終了するとのことそれくらい初速が大事でじわじわ伸びることが少ないとのことでした。因みにゲーム開発だけで数億円かけたタイトルでも短命に終わることも多いとのこと、見込みがなければ貴重な開発リソースを早々に次のタイトルに動かし、広告費も温存すると業界でのノウハウが溜まってきているのだと感じました。

なんでもすぐに諦めるとの意味ではない

注意すべきはPL に捉われすぎて本来の伸びる可能性がある事業を早々に諦めてしまうこともあります。特に本業が調子が良く、ちょっと試しにのような形で本業で成果の出ない人材で立ち上げてみるも上手くいかず、短期間で諦めてしまう。
この様な事では一生今の事業の次の成長エンジンは作ることはできないでしょう。
責任者には考えられる限り可能性の高い優秀な人材を置き、撤退基準になるまでは勝負する覚悟は必要だと思います。

撤退のタイミング

期間では1、2年間など事業投資や難易度で設定することなどケースバイケースですが、想定していた顧客ニーズがないなど社内でコントロールできないことはさっさと辞めるべきでニーズはあるが、サービスの質、価格、セールスなど自社の努力でコントロールすることができる要素で可能性あれば挑戦をづづける選択が良いかもしれません。(程度はありますが)

挑戦したメンバーが報われる環境

撤退時に気をつけるべきこととして責任者やメンバーは傷つきますので、
次の活躍の場所を補償しておくことが大切です。

チャレンジたが失敗した人はチャレンジしない人より評価することで
心理的安全性を保った状態で挑戦できると思います。
この点はサイバーエージェントの取り組みを参考にすると良いと思います。

結局は経営者が決めるしかない

多くの場合立ち上げ直ぐに「これは無理かも?」と頭によぎるが、投資回収したい、判断ミスを認めたくないなどの理由で後伸ばしに。結果手遅れになることも。経営者のプライドや見栄により会社が倒産するほどのリスクを負ったケースも沢山みてきました。
需要は確かにあっても、今回のコロナ禍のように終息時期が見えない場合、耐えて残存者利益を取るか、早々に撤退して体力を温存しタイミングを見て再度出直すのか経営判断がありました。 どちらが正しかったかは後からしかわかりませんが、よほどの大企業でない限り、資金調達余力は大きくないと思いますので基本、早めに撤退して小さくなることが吉になったと思います。

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