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サバイバルの時代

今年は東日本大震災からちょうど10年にあたる。震災当日、私は東京の会社の事務所で打ち合わせをしていた。東京では地震は良くあるので、そのときもすぐに収まるものだと軽い気持ちで考えていた。が、そうではなかった。事務所は最新の耐震設計が施されたビルだったので、まさか倒壊することはないだろうと思ったが、揺れは続き次第に激しくなり、空間がねじれ、壁が液状化したような、それまで経験したことのない命の危険を感じた体験だった。

一瞬にして東京の風景が変わった

揺れは収まったものの、余震の危険があるということで退去命令が出たため、事務所近くの同僚のマンションへ避難した。とりあえず水と食料を買うためにコンビニに寄ったが、食料品はほぼ売り切れ、道路には多くの人が長い列をなして歩いていた。サイクルショップでは自転車が全て売れてしまい、目の前にはこれまで見たことのない風景が漂っていた。

あれから10年、今現在はコロナという目に見えない存在に日々、翻弄されている。

「コロナブラック」という新しい価値基準

この1年、コロナ禍でさまざまな変化があった。国の問題、行政の問題、デジタル化の問題、あらゆる方面であらゆる産業が影響を受け、我々の日常生活も大きく変わらざるを得なくなってきた。

最近、「コロナブラック」という言葉が出てきている。例えば、企業が賃貸するオフィスなど、これからは各フロア毎にCO2測定用のIoTセンサーが設置され、CO2濃度の定点観測が行われるだろう。そして一定の閾値を超える場合には空調システムと連動し、強制換気が行われるようなオフィス環境が求められる。そういった「パンデミック対応」のテナントビルへのニーズが大きくなると予想される。

そうなると、不動産の価値基準に新しいパラメーターが加わることになり、テナントは新しい基準に適合したオフィスを選択するようになるだろう。

これらに対応しないテナントは「コロナブラック」と呼ばれ、そういうテナントを賃貸する企業でなければ、「コロナブラック企業」としての烙印を押されるようになるだろう。

今後は、新たな基準に対応するためのテナント改装ニーズが増えると予想される。

コロナ禍は単なるプロローグに過ぎない

これからの時代、毎年のようにウィルスはやってくる。コロナウィルスよりもさらに致死率が高いウィルスが蔓延することも考えられる。

もはや今日と同じ明日が来るという前提は捨てた方が良い。東日本大震災のように昨日までの平穏な日常が一瞬にして変貌してしまう時代が到来している。

「持続可能性」の観点から、企業はBCPの検討をするべきである。特に遅れている中小企業は目先の運転資金の工面はもとより、将来的な視点で企業運営を検討せざるを得ないだろう。なにせ、「今日と同じ明日が来る」という前提を変えなければ持続可能性は期待できないからだ。

目の前のことに一生懸命になる時代は終わった

このように、これまでの常識はもはや常識ではない。毎日、これまでと同じ考えで、目の前のことを一生懸命に考え、活動するだけでは立ちゆかないことをよく考えておくべきだろう。もっと別の角度から考えておく必要がある。

これから私たちはこれまでの常識を捨て、新しい常識や価値観を持たねばならない。まさに「サバイバルな時代」に突入している。

そういう前提に立って、そろそろ「平和ボケ」した頭を切り替えるべきではないだろうか。

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