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ドローンツアー再び

昨年秋に引き続き、いよいよ、今週末ドローンツアーを催行することになった。コロナ禍で旅行会社のツアーはほぼ全滅の状況下、少人数とはいえ催行になるということはとても嬉しいニュースだ。

新しい観光の切り口をひねり出す

そもそも、ドローンツアーを企画したのは、ドローンを広めることのみを目的としたわけではない。一昨年まではまちの中心部はインバウンドで溢れかえっており、オーバーツーリズムであることは目に見えていた。そして小さなまちは1日もあれば周遊できてしまい、高速道路が整備されたことで日帰り観光客も増え、インバウンドも1泊が多かったのである。ロングスティ型の観光が増えれば宿泊施設も粗利の改善や安定したリピート客の確保につながる。そのためには周辺観光や着地型観光といった地元をもっと広域に活用した観光開発の必要性があると思っている。

狭い観光エリアから観光客を引っ張り出し、周辺の美しい自然を楽しむ新しい観光のあり方を考えるうえで、今回のドローンツアーはとてもわかりやすいシンボリックな存在になると考えたのである。

コロナに強い観光を考える

このまちは、昔から観光産業が盛んであり、このまちのGDPの多くを支えている。ここ数年、大雨や台風などの災害により幹線道路が遮断され、観光にも大きな影響を及ぼした。加えて今回のコロナである。

関係者は、観光産業がいかにこれらの災害に弱く脆い産業かということを痛いほど思い知ったはずである。経済損失は大きくもはや1私企業で支えられるものではない。だから財政出動に頼るほかない状況にまで追い込まれている。

しかし、今後は第二、第三のパンデミックが発生する可能性は否定できないし、毎年、パンデミックがやってくるとするならば、これらの災害に強い新たな観光のあり方を考える必要がある。なぜならそうしなければ観光産業自体がどんどん衰退してしまうからである。

一般の観光客をターゲットにした「一本足打法」的な観光からの発想の転換が必要なのである。

ドローンツアーの特徴

ではなぜ、今回、ドローンツアーが実現したのだろうか、その理由をいくつか挙げてみよう。

・少人数のツアーであるため参加者を募りやすい

・特定の少数でつながりの強いコミュニティが存在する

・比較的客単価を引き上げやすい

・周辺観光の充実がはかれる

・首都圏と違い、自由にフライトが可能な場所が利用できる

・フライトする場所の許可などの煩雑な手間がない

などなど、ドローン愛好家は全国で5万人程度と推察するが、愛好家同士の交流も盛んで比較的時間とお金に余裕のある方が多い。

つまり、団体旅行のように一度に大量の顧客を運び、宿泊し、といった大量生産型の観光ツアーとは真逆のコンセプトで企画されていることが特徴だ。

別にドローンでなくとも良いのだ。「カメラ女子の撮影ツアー」でも良いし、「歴女の史跡周遊ツアー」でも良い。「有名Youtuberと食す郷土料理の旅」でも良い。特定のコミュニティに刺さるテーマパーク型観光は、客を強く引きつける。

Withコロナ型観光のすすめ

このように、何も従来の観光資源にのみ頼る観光だけでは、Withコロナ時代の観光は描けなくなってくるのではないだろうか。パンデミック前提の新たな観光の発想を皆、もっと真剣に考える必要がありそうだ。

「ドローン×観光」は1つの切り口に過ぎない。しかし、ドローンの場合は、「ドローン×農業」「ドローン×土木業」「ドローン×物流」「ドローン×災害対策」など横の広がりが大きい。むしろドローンは横の広がりによって地元産業への貢献を果たす存在になると期待している。

悩むだけでは何も起こらない、考えて実行することで未来は作られる。

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