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【詩】ライトシアンの風

ぽつんとひとり道に立って
僕は空を見上げている

君のいない この景色に
代わりに何を描けばいい

空の色はライトシアンを水で薄めて
白い雲は そのまま白紙でいい

やがてマゼンタに染まりゆく
今はまだ 透き通った蒼

手を伸ばしても届かなくて
いくつもの思い出が揺らめく

君の声が聞こえた気がして振り返る
風に揺れて  星が瞬く
それとも星の瞬きが風になったのか

しがない水彩画家の恋は
油絵のように塗り替えられないようだ

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