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現場看護師が教える!ChatGPT実践活用ガイド 第4回:オンライン研修を攻略!看護師のためのレポート作成術

前回に引き続き、今回はオンライン研修での時短レポート作成術です。

昨今のオンライン研修では、研修資料がファイル形式で提供される場合が多いですが、ChatGPT4.0(有料版)は、これをアップロードすることで直接研修内容を理解し、レポート作成までを行うことが機能としては可能です。

しかしこの時に気をつけたいのが、個人情報保護法と著作権法の兼ね合いです。今回はこれの解釈も交えて、レポートをいかに効率的に作成していくのか、考えていきたいと思います。


個人情報保護法の観点から考える

ChatGPTに研修資料を読み込ませる際、個人情報保護法に留意する必要があります。研修資料に含まれる個人情報(例えば患者の名前や健康情報)は、厳格に保護されるべきです。
ChatGPTのような外部AIツールにこれらの情報を提供する場合、データの匿名化や擬似化を行うなどして、個人が特定されないようにすることが重要です。特に、患者のプライバシーに関わる情報は慎重に取り扱う必要があります。

著作権法の観点から考える

研修資料が著作物として保護される場合(例えば講義スライドや教材など)、これをChatGPTに読み込ませる行為は著作権法に抵触する可能性があります。ただし、日本の著作権法では「私的使用のための複製」や「引用」が一定の条件下で許容されています。

・私的使用のための複製:
研修受講者が個人的な学習や理解を深める目的で資料の一部を複製する場合、これは私的使用に該当し、著作権法上問題ない可能性があります。

・引用:
研修資料からの直接的な引用をレポートに含める場合は、引用のルールを遵守する必要があります。これには、引用する部分が公正な範囲内であること、出典の明示などが含まれます。

特に、資料の複製や公開が著作権者の許可なく行われると、法的な問題が生じる恐れがあります。そのため、研修資料を使用する前には著作権者から適切な許諾を得るか、または利用が許諾されている範囲内でのみ使用することが必要です。

配布資料をChatGPTに読み込ませ、そのレポートを作成する行為は大丈夫なの?

研修資料の内容をレポート作成のために抜粋し、その内容をまとめて病院に提出する場合の法解釈について、個人的にChatGPTに関連法規を提示した状態で議論をした結果では、安全な利用方法としては、一旦自分自身で必要部分をコピペ(全部をコピーしたら複製になりますからね)して、これをWORDとかに貼って、それをChaGPTにアップロードし、レポートを作成させる場合は、私的使用のための複製になるのではないかとの結論になりました。

これをどこか外部に、例えば学会など公的な場で自分の成果として発表するならば、資料の作成元の許諾の範囲内での運用で行う必要があると思います。

資料を読み込ませた後はどうする?

資料を読み込ませたのちに、ChatGPTへ以下の情報を提示するとよいでしょう。

  • どこに提出するのか

  • 提出先で想定されるレポートを見る相手の特徴

  • レポートで最低限入れたい文言

  • レポートで必要な文字数

これらを提示することで、素案を作ってくれます。詳しいレポート作成のポイントはこのシリーズの「第2回」で解説しておりますので、あらためてご覧ください。

レポート作成の実例

ここからのレポート作成例は、実際にこれでレポートを書いた時のデータです。とはいえ、研修名はだせませんので、このように進めていくとレポートが完成しますよという実例となります。

前準備

研修の核となる部分を明確にすることが重要です。著作権の問題に注意しつつ、研修資料から重要な部分を抜粋し、WORDなどの文書ファイルにコピペします。
ChatGPTの有料版を利用している場合は、この文書をアップロードして研修内容を読み込ませることが可能ですが、ここまでで書いてきたように、直接アップロードすると個人情報保護と著作権の問題が出るかもしれませんので、面倒ですけど抜粋をしましょう。

ChatGPTへの指示の事例

私は⚪︎⚪︎病棟に所属する看護師で、10年の経験があります。最近、看護協会の「⚪︎⚪︎」研修を受け、そのレポートを作成することになりました。目的は、研修内容を理解し、所属病院に学びを共有することです。

レポートの内容を抜粋し、ChatGPTにコピペすることで効率的なレポート作成を行いました。以下がそのプロセスです。

私: 「私は⚪︎⚪︎病棟に所属する看護師で、10年の経験があります。最近、看護協会の「⚪︎⚪︎」研修を受け、そのレポートを作成することになりました。目的は、研修内容を理解し、所属病院に学びを共有することです。
今から研修の内容を抜粋します。最後に『以上です』と入力しますので、それを確認したらレポート作成を始めてください。レポートの形式はA4サイズ1枚、⚪︎⚪︎文字程度です。質問はありますか?」

ChatGPT: 「大丈夫です。」

私: 「では、抜粋した文章を貼り付けていきます。」

※有料版ならWORDファイルを直接アップロードできます。無料版なら、抜粋した情報を適時貼っていってください。抜粋した文章を数回に分けて貼り付け、「以上です」と入力。この情報をもとにChatGPTがレポートを作成しました。

まとめ

ChatGPTで学会レポートを効率的に書きたいという方には、今回お話したような方法で行うと比較的短時間、かつそれなりの文章ができます。レポートにまとめたい部分を抜粋するのが面倒という人もいるかと思いますが、ChatGPTは提供されたデータを自身の学習に使用する可能性もありますので、万が一にも完全な複製がChatGPTのサーバに残らないようにするための配慮として、そこだけは手作業で頑張ってください。
ただ、キーワードを抜き出したら、あとは構成や文章を書くといった手間がなくなりますので、かなり楽になると思いますよ。

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