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『思考の整理学』

前回読んだ『頭のいい人が考える前に話すこと』の中にこの本のことが書かれてあって、気になって手に取ってみた。
今から101年前に生誕した外山滋比古さんという方が書いた本だが、今の時代に読んでも十分に響いてくる内容だった。
32に分かれたテーマは、1つ1つがだいたい5ページ程度でとっつきやすい。どれも非常に端的にまとめられていてわかりやすく、大きな説得力がある。

この本全体を通して筆者が言っているのは、これまでの日本の学校教育で多くが陥ってきた、断片的な既知情報の記憶のみに頼った受動的思考から、それらを活かして独自の創造的思考に発展させる重要さ。

そして、その創造的思考を育むための、理想的な時間帯や情報収集・整理の方法、良い話し相手の存在など、有用になるヒントがたくさん書かれている。

その中で特に印象的に残ったのは、「忘れる」ことがいかに重要かということ。
そう言われてみると、スポーツでも一定期間続けた後にしばらくブランクをあけてから再開すると、パフォーマンスが予想以上に良くなることが少なくない。多分、ブランクの間に運動神経がリセットされて、筋肉を動かすたびに研ぎ澄まされたような感覚が脳に伝わってきて、以前の悪い癖がそぎ落とされているからかも、とは思っていた。思考においても、忘れる時間を作ることで、これと同じようなことが起こっているのだと思う。

書かれてあることは、どれもちょっと意識しさえすれば実行するのは難しくないはず。
2024年の抱負として、常にメモを取ることと、建設的な仲間を増やすことを掲げたいと思う。

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