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【第11回】SaxoTradersGoの使い方

みなさん、こんにちは!いつも、こちらのnoteをご覧いただきましてありがとうございます。

前回までで、ホイール戦略に必要なキャッシュ・セキュアード・プットとカバード・コールについて説明をしてきました。これでほぼ今回の講座でお伝えする内容は完了しているのですが、今回は実際の取引ツールを利用して、どのように注文をしていけばよいかについて解説をしたいと思います。

1)前回までのおさらい

まずは、前回までに説明したホイール戦略について復習しておきましょう。

要するに「プット売りして現物株を取得したらコール売る」これを繰り返すわけですね。

2)米国株オプション取引の準備

米国株オプション取引可能な証券会社

米国株オプション取引を実施するためには、証券会社にオプション取引専用口座の開設が必要となります。現在、米国株オプション取引を取り扱っている証券会社は下記2社に実質限定されております。

  • サクソバンク証券

  • インタラクティブ・ブローカーズ証券(IB証券)

ただし、IB証券は現時点で海外口座の開設を休止しているため、今回はサクソバンク証券を利用して取引する方法を説明したいと思います。

サクソバンク証券の口座開設方法

サクソバンク証券の口座開設方法については概ね下記のような流れとなります。

サクソバンク証券に口座を開設していない方は、デフォルトは基本口座の開設になってますので「オプション口座を追加する」にチェックして、必ずオプション口座を開設するようにしてください。※オプション口座を開設しないと米国株オプション取引はできません。

口座開設方法については、今後変更となる可能性もございますので、サクソバンク証券のHPを確認して行って下さいね。

3)SaxoTraderGoの使い方

サクソバンク証券のオプション口座の開設が完了しましたら、SaxoTraderGoという取引ツールを利用して取引を行います。SaxoTraderGoはパソコン、スマホ等でも取引が可能です。

SaxoTraderGoの使い方をすべてお伝えするのは不可能なので、取引するための最低限の使い方を説明させていただきます。詳細はサクソバンク証券が発行している「外国株式オプション取引ガイド」をご覧下さい。

SaxoTraderGoの画面概要

SaxoTraderGoにログインしますと、下記のような初期画面が表示されます。

SaxoTraderGoの初期画面の設定は、画面右上の三本線をクリックして「取引ツールの各種選定・ヘルプ」を選択すれば色々と変更が可能です。デフォルトの画面はダークモードで背景が黒色なのですが、私は白色を選択しておりますので、上図のような感じになってます。

SaxoTraderGoの初期画面は、大きく下記3つの部分で構成されております。

  • A:ウオッチリスト・スクリーナ・プライスアラート。私はウオッチリストを自分で作成して表示させております。

  • B:銘柄詳細・チャート・オプションチェーン。この部分で株式のチャートや銘柄のファンダメンタルズの情報を確認できます。また、米国株オプション取引の際に使用するオプションチェーン(※後ほど説明)も表示します。

  • C:建玉管理・注文管理・約定管理・決済済み建玉。こちらで実際自分がトレードにより獲得した建玉(現物株でいう所有株のようなもの)を確認できます。

ちなみに、建玉(たてぎょく)は、オプション取引ならでは言葉かな?オプションを買うことを「玉(ぎょく)を建てる」とか言ったりします。

取引商品の「外国株式オプション」の選択

まず、SaxoTraderGoにログインした際、現状のままでは米国株オプション取引ができない状態になってますので、これを使えるように設定しなければなりません。SaxoTraderGoの設定画面で取引商品の「外国株式オプション」をチェックして選択する必要があります。

メニュー(右上3本線)>取引ツールの各種設定・ヘルプ>取引商品>「外国株式オプション」にチェックをしてください。

私のSaxoTraderGoはすでにチェックがされているので、下記のような画面の表示になります。

これで設定は完了です。

外国株式オプション(P)口座への資金振替

サクソバンク証券は取引ごとに口座が異なり、下記口座が開設されております。

口座開設後に入金を実施すると、外国株式オプション(P)口座にには入金されてませんので、こちらの外国株式オプション(P)口座に資金を振替る必要があります。

メニュー(右上3本線)>取引ツールの各種設定・ヘルプ>資金振替(取引口座間)をクリックしてください。

下記のような画面が表示されたと思います。振替元口座に入金されている口座を選択し、振替先に外国株式オプション(P)口座を選択してください。そして、振替金額を入力して振替完了です。

有料価格情報配信サービスの購読

日本の証券会社ではほぼありませんが、海外の証券会社では、リアルタイムの株価の情報は有料であることが一般的です。(日本の証券会社は手数料等にその費用を含めていると考えることもできますが。)

米国株オプション取引を実施するためには、下記オプションチェーンと呼ばれるものを利用するのですが、ここに提示される気配(下記緑枠)も、現状では遅延(約15分)が発生しておりますので、トレードする際には、有料のリアルタイム情報を購読する必要があります。(購読しなくてもトレードは可能ですが、購読した方がよいです。)

米国株オプション取引に必要なオプションプレミアムをリアルタイムを表示するには「OPRA Data」の購入(7ドル/月)が必要です。また、オプションプレミアム以外のデータ(例えば株価等)のリアルタイムを表示する場合は、さらに別途費用が必要となります。

私の場合は株価のリアルタイム情報はTreading Viewという別のツールを利用して確認しておりますのでSaxoTraderGoでは「OPRA Data」のみを購入しております。

SaxoTraderGoの中央上部にある口座管理>各種設定・問合わ>有料価格情報配信サービスをクリック。

先物およびオプションをクリックしてください。利用可能なサブスクリプションに「OPRA Data」が表示されていると思います。こちらの「申込む」をクリックして完了です。

私の画面はすで購読を実施しているので、Active subscriptionに表示されてますね。

キャッシュ・セキュアード・プットの取引方法

これで米国株オプション取引の準備が完了しました!では、早速取引していきましょう!ホイール戦略では、まず第1戦略であるキャッシュ・セキュアード・プットを実行するのでしたね。早速、プット売りを仕掛けていきましょう。

まずは銘柄選択ですね。銘柄はウオッチリストを作成していればそこをクリックすればOKですが、まずは検索して選択してみましょう。

銘柄はエクソンモービル(XOM)にしてみましょうか。XOMも配当貴族銘柄です。2022年はエネルギーセクターが好調で、大きく株価を上昇させましたね。

まずは、エクソンモービルのティッカーコードである「XOM」を検索窓に入力して、下記のとおり「XOMの株式オプション」を選択してみましょう。

そうすると、初期画面の「B」の部分にオプションチェーンが表示されます。とりあえず、下記赤枠の満期(2023年1月5日)を選択した画面が下記となります。

こちらがオプションチェーンと呼ばれるものになり、ここからオプションの注文が可能です。真ん中に書かれている数値が権利行使価格になります。そして、権利行使価格の左にコールオプション(青枠)のプレミアム、右にプットオプションのプレミアム(緑枠)が表示されています。

中央に青の点線の横棒があると思いますが、そのラインがちょうどATMの値になります。この青点線からコール側では上、プット側では下に薄青色がついてますよね?これはこの権利行使価格がITMであることを示しております。

権利行使価格の両サイドの価格(現在値)は、最新の約定したプレミアムの価格、ビッドとアスクの数値は、それぞれ「買い気配」「売り気配」を表します。

XOMの株価は383.76ドル(上図の左上)であるので、ATMのプットを売ってみましょう。現在の株価に近い権利行使価格は383ドルか384ドルになりますので、383ドルのプットを売ってみることにします。

下図をご覧ください。権利行使価格383ドルのプットの部分を拡大してみました。

現在、XOMの383Pの最新の約定した価格が1.22ドルであり、買い気配が1.27ドル、売り気配が1.29ドルということになります。もし、今すぐにXOMの383Pを売りたいと考えた場合は、買い気配の数値(1.27)で指値をすればすぐにプットを売ることが可能です。

それでは、383Pを売ってみましょう。まず、383Pのビッド欄(1.27の部分)をクリックすると、下記のような取引チケットが表示されます。※もし、売りではなく、買い場合は、アスクをクリックになります。(ただ、注文前に変更は可能です)

上記の情報に間違いないか確認をしてください。私もたまにやるのですが、コールを買おうとしたのに、コールを売ったりすることがありますので、もし、間違いがあれば、それぞれの項目の「< >」を押して、適切なものを選択してください。

また、下の方の青枠に必要な証拠金の記載もあります。キャッシュ・セキュアード・プットは株の購入に必要が現金を確保しているのが前提ですので、証拠金の額は重要ではありませんが、一応、確認しておいてください。

当然ですが、これがITMとなった場合は株を購入することになりますので、資金として383ドル×100株=38,300ドル(約500万円)の資金は必要ということですよ!今回は値嵩株になりましたので、資金に応じて、購入可能な株を選択してください。

上記チケットの発注(赤色部分)を押せば、すぐに約定となり、383P@1.27(-1枚)という建玉が初期画面の「C」の部分に表示されるわけです。

もし、中値(ビッドとアスクの中央値)の1.28ドルで売りたければ、価格欄に1.28と入力して発注ボタンを押せばOKです。しばらくすれば約定するでしょう。

また、注文タイプの「< >」をクリックすれば、成行も選択可能ですし、注文有効期限では、当日中、週末等の注文の期限を変更することも可能です。

簡単でしょ?

XOM株価が上昇して383PがOTMとなった場合は、1.27ドル(127ドル)が利益となりますので、再び、キャッシュ・セキュアード・プットを仕掛けて下さい。

無事、ITMになりましたら、XOMの100株を取得価格383ドルで所有することになります。その玉は初期画面の「C」の部分に表示されてます。

その後は、カバード・コールに移りますが、コール売りの注文の仕方はプット売りと同じです。コール側で同じことをすればよいだけです。

4)まとめ

今回は、SaxoTraderGoを利用してオプションを取引する方法について簡単に説明しました。SaxoTraderGo自体はさほど難しくなく、直感的に操作可能ですので、色々と使いながら操作方法を取得してみてください。

不明点に関しては、右上の「?」からカスタマーサービスに連絡することが可能です。外資系企業ですので、日系企業のよりは多少時間がかかるのですが、回答はいただけるのでありがたいです。

以上で、ホイール戦略については取引が可能となりますが、やはり、オプション取引に足を踏み込んでいただいたので、ボラティリティやギリシャ文字(グリークス)についても簡単に勉強したいですよね。次回からこのあたりの話をしていきたいと思います。

本日も最後まで御覧いただきましてありがとうございました。次回の記事も御覧いただければ幸いでございます!

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ありがとうございました!