大陸(詩)

分厚い氷を割ってしまうような
大きな船に乗って奴はきたんだ

形を決められて育つ事に不満はなく
決められた関数を吐いていたけれど

ぶつかったその瞬間に　
脳みそが柔らかくなって
互いにバチっと合った目が
震えを予感させたんだ

そして僕はこう言うよ
本当は君のセリフだよ
けど敢えて言わせてよ
「大陸を見つけた！」

荒れた波を割ってしまうような
大きな船に乗って奴はきたんだ

現実は辛いけど悲しすぎる事もなく
他人のコピーとして演じてきたけれど

何か知っていくたびに
全部が嫌になっていき
それすら大切な傷になって
優しさだけ残してくんだ

そして僕はこう言うよ
本当は君のセリフだよ
けど敢えて言わせてよ
「大陸は広いな！」

大陸は続くよ　心の果てまで
無邪気に進んで　転び続けて

そしていつか　僕が船になって
新たな大陸　探しに出掛けて
見知らぬ誰か　目と目が合って
お互いきっと　同じ言葉叫ぶ

「大陸を見つけた！」

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