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篝火(詩)

夜闇の中でひとつ音がする
何もないよりも痛みがある

君の生き方を知っているけど 
僕とは相容れないみたいだね
それがとても悲しくて 掌を握ったりする

僕を癒すこの篝火も
君を焼き尽くすものだった

手を取るなんて言えない
ただ見送るしかできない

三日月はただ見てる 患った神経痛
炎は今死んでいく 鳴り止まぬ心電図

夜闇の中で飛ぶコノハズク
羽をそっと頭上に落とした

世界のカケラと思っていた物は
偉い人を崇めるだけの肖像画
そんなのに騙されて 掌を握ったりする

僕の思いを篝火に
入れて焼き尽くしてしまえば

新しい気持ちが今
心の奥底に咲いた

三日月はただ見てる 患った神経痛
今も僕は試験中 人間としての試験中

僕の生き方を篝火に
委ねてみても仕方ないよな

新しい気持ちがほら
心に満開で咲いた

三日月はもう消える 洗い立ての朝が来る
君をただ知りたくなる 火を消して歩き出す

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