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「ドラえもんのうた」に、なぜおもちゃの兵隊が選ばれているのだろう(エッセイ)

ずっと疑問に思ってる事がある。「ドラえもんのうた」についてだ。

曲について今更説明する事もないだろう。こんな事いいな出来たらいいな、のアレである。もはやアニソンを超えて童謡の域にすら達している感があるこの曲だが、どうしても違和感が拭えないので、この場を借りてお話しさせてもらう。

歌詞のパターンは1番から3番まで決まっていて、トラブル発生→ドラえもんが願いを叶えてくれるらしい→願いを言う→秘密道具→あんあんあんとっても大好きドラえもん、という具合である。例えば、空を飛びたい→タケコプターという感じで対応して、その結果大好きドラえもんとなるのだ。

ほとんどの人は説明されなくても分かるような、超有名パターンだ。というか、ドラえもんという作品自体が大体このパターンで進行している。そういう意味では、作品のダイジェスト的な役割も果たしている。

今回問題にしたいのは2番である。歌詞はまず、こう始まる。「宿題当番、試験にお使い あんな事こんな事大変だけれど」小学生らしい、ほのぼのとした悩みである。しかし、これらの事は子供を成長させるものでもあるので、道具で過度に楽をさせてもいけない。実は「特定意志薄弱児童監視指導員」という職業についているドラえもんの腕の見せ所である。

さて、2番を思い出すか、知らない人は予想して欲しい。このタイミングで出てくる道具を。とりよせバッグでお使いを済ませる?アンキパンで試験を乗り切る?それでは答え合わせだ。歌詞を見ていこう。「おもちゃの兵隊だ それ!突撃!」

おもちゃの兵隊。まさかのチョイスである。そかも突撃命令まで出している。武力。圧倒的武力。力の前では全ては無意味だと言いたいのか。ジャイアンも真っ青な軍事教育である。

ここで、「言っても、おもちゃの兵隊でしょ?大した事ないんじゃないの?」と思う悠長な方もいるだろう。では、下記の画像を見てもらおう。 

ドラえもん4巻より引用した画像である。

あひっ、ではない。ジャイアンが黒焦げになっている。宿題やお使いが大変というオーダーからすると、先生やママは今頃黒焦げになっている可能性が高い。それを操っているのがドラえもんというのも闇深い。

何故こんな歌詞なのか?タケコプターやどこでもドアが選ばれている中で、誰がおもちゃの兵隊なんて道具を選んだのか?だれもこの事態に疑問を持たなかったのか?謎は深まるばかりである。願わくば、生きている間にこの謎が解ける事を祈っている。

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