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4年3ヶ月ぶりの漫画(エッセイ)

ニコニコ漫画というアプリがある。

その名の通り、漫画を読むためのアプリなのだが、特徴がある。ユーザーが、自分の漫画を投稿する事が出来るのだ。商業漫画の一部が公開されているケースもあるので、ランキングはプロとアマチュアが混ざり合う、異質な空間になっている。ここで注目されて、プロになるケースもある。

さて、アマチュアの方にありがちなのが、更新が不安定であるという事だ。アマチュアである以上、日常生活というものがある。仕事が忙しくなったり、家庭環境が変わったり、新しい趣味を見つけたりと、事情は様々だ。お気に入りリストに入った漫画は、大体更新順に並んでいくので、リストに入っていても更新が滞った漫画は、記憶から薄れていってしまう。

ニコニコ漫画の作品は、手に取る事も本棚に並べる事も出来ない。だから、背表紙を見てこんなのもあったなあ、と思い出す事も出来ない。好きな漫画は、自分で覚えておくか、関連グッズを買ってそれを記憶の媒介にするしかない。しかし、全ての作品でそう出来る訳ではない。何だか、とても現代らしい悩みだなあと思う。

何故こんな事を書いているのかというと、今日ニコニコ漫画でとんでもない事があったからだ。自分のリストの中に入っていた作品が、何と4年3ヶ月ぶりに更新されたのである。

正直、そこまで間が空いているとは思っていなかった。タイトルを見た時も、久しぶりの更新だなあくらいにしか思わなかった。しかし、いざ見てみると、見覚えはあるけどキャラの名前が思い出せない。あれ、これ最後に読んだのいつだっけ、となりながら読み進めると、備考欄に4年3ヶ月ぶりの更新とあった。驚きすぎて、目玉が飛び出そうになった。

最後の更新は2017年2月。アカデミー賞で、ララランドとムーンライトの間違い事件があった辺りだ。そこから今まで、作者は漫画を描いてこなかったらしい。何があったのか。というか、その間自分は一体何をしてきたのか?つい自問自答してしまった。

商業漫画では、こういう事はほぼあり得ない。ハンターハンターだって、年に一回くらいは連載されている。4年間ほっといたら、流石にクビにされる。

商業漫画も大好きだ。でもこの、時間の概念が存在しないような、自由さも好きだ。4年間をひとっ飛びしてしまう、自由さ。描きたくなれば描けばいいし、嫌ならやめればいい。ニコニコ漫画には、そういう漫画家一年生のような、自由気ままさがあると思う。

毎週漫画が読める事は、素晴らしい事だ。けれど、たまにはこの自由さに浸かってみてもいいかもしれない。まあ、ここまで心穏やかでいられるのは、おそらく無料だからだろうけど。ケチ臭い人間でごめんなさい。

https://seiga.nicovideo.jp/comic/22980
↑4年3ヶ月ぶりの更新をした漫画です。

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