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昼寝

昼寝

君は今どんな夢を見てるのかな。
閉じた瞼の中で動く眼球、普段そんな動き方をしない鼻の動きに、よく見ると耳まで動いている。
でも心なしか笑顔で時々ん〜といつもより少し高い声で鳴いている君の顔を見ながら痺れてきた左腕を抜こうとするともぞもぞと胸の中に入ってこようとする。

日曜日の昼さがり。久しぶりに遠出でもしようと話していると、君がちょっとだけ寝たいと言ったからちょっとだけねとアラームをかけて2人ベッドに横になって2時間が経っていた。
ぼやけた視界を晴らすために枕元に置いたメガネを手に取って時計を見たとき、隣で眠る君を叩き起こそうとしたけどその寝顔に見惚れてしまいそのまま10分ほど寝顔を見ていた。残りの設定のアラームを消す。

夏といっても空は少し暗くなってきて今からどこかに遠出するのは億劫だなと思いながら、胸の中で眠る子猫のような君を反対側に寝返らせる。
私はその空いた君の胸元に顔を埋めると自然と手が私の頭を撫でた。

あと10分だけ。10分だけこうしていよう。目を覚ましたら君はびっくりするだろうな。部屋の外に見える空がいつのまにか暗くなっていることに。

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