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『めつむれば生死曼陀羅春の海』

13回目の3・11を迎え、1月1日の能登半島地震について思うこと。元旦という、一年で最も希望に満ち、かつのんびりできるはずの日に大災害にあわれた方々には、軽々しく「がんばって」などとは言えませんが…。地形すら激変するような自然の力は人間にはどうしようもないけれど、「生活」はまた作り出せます。あとを片づけ、座って眠れる場所を整え、身をきれいに保って温かいものを食べる。まったくは元通りには戻らないでしょう。故郷を離れる人もいるでしょう。しかし、どこであれ再び長い時間をかけてふつうに暮らし続けること。それが土地に対する人間の愛情なのだと思います。もうすぐ春です。咲いた花を、芽吹いた草を愛でる心をどうぞ持ち続けて。

⇧ 漫画家のとりのなん子さんが先週発売された週刊モーニングに連載中の『とりぱん』欄外に書かれたコメント。


⇩ こちらは2017年。今も「極論を大声で押し通す人々」は増えている気がします。

また3・11がやってまいります。もう6年、まだ6年とも思います。あれからさらにあちこちで災害が起きました。そして昨今、極論を大声で押し通す人々が増えているようです。何か形の見えない危機感が、そのような風潮を生むのでしょう。しかしその不安は、なくなることはないのです。人種差別だのエセ科学だの、不安に具体的な形を与えてはいけません。明日また地が割れて海があふれるとしても、今日の日常をきちんと整えましょう。それが私たちの戻る場所になるからです。彼方の楽園ではなく、今のここに。

タイトルは玉崎千鶴子さんの遺俳集から……東日本大震災前のものです。


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