ずっちの空白

さて、「ずっちのこと」は2003年に差し掛かったところです。ずっちと知り合ってから、はや8年が経とうとしています。

ずっちは相変わらずひとりで外へ出かけていき、その日かその次の日か、その次の次の日に帰ってくるようになりました。

わたしのほうは、大手出版社でフリーランスとして働くことになり、常勤で校正の仕事をするようになりました。新たな場所で、新たな出会いがあり、ずっちがいつ帰ってきたかわからなくなるほどの多忙と乱脈に陥り、そしてそのまま、病院の掻破台に上がることになりました。

手元の写真ボックスを確認しますと、2003年だけ、ただの一枚も写真を撮っていないのがわかります。ずっちの写真が一枚もないのです。

ずっちが一番と言いながら、どれほど自分のことにかまけていたのでしょう。

そんなわけで、今回は写真を掲げなかったのです。



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