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あなたのそういうところは好きなんだけど

ヨーグルはとても質素な人だ。
そして真面目で素直だ。一緒にいてつくづく思うのだが、とても性格がいい。ある意味、どういう育ち方をしたんだろう。
だから安心して一緒にいられる。意地の悪い言動が一度もないので、嫌な気持ちにさせられたことはない。

私をすごく大切にしてくれるし、変な言い方すると女性をお姫様扱いする人だ。私にだけそうなのか、女性みんなにそうなのかはわからないけど。

だから、ときどき他の男性に対して「こいつ、性格悪っ」と驚くことがあるが、おそらく彼らは性格が悪いわけではなく、ちょっとズルいだけなのだろう。
そういう小さなズルさは自分を守るために誰もが持っているものなんだと思う。むしろ、そういうズルさが全くないヨーグルのほうがきっと珍しいのだ。

さて、そんな彼だからすごく心配なことがある。
彼、実はすごく損してるんじゃないかなと思うのだ。

もちろん、彼の良すぎる性格は彼にいろんな恩恵をもたらしてると思う。
彼が小説家として書き続けられるのは、小説を書く才能があるのはもちろんだけど、彼が担当さんから深く愛されているからだと思う。
ある作家さんが、彼のことを「愛されキャラ」と評していたように。

そういえばサイン会や講演会に参加した読者さんが、そのときの様子をブログに書いてくださったものを何度か読んだことがあるけど「ものすごくいい人で驚いた」とか「紳士的で上品」とか「本人見たらますます好きになった」とあるのを読んで、彼にそういう印象をもつ人は多いのだなと感じた。
読んだ方の中には、それは表向きの顔だと思う方はいるかもしれないが、実生活も彼はそういう人なんですよ、と言いたい。

前置きが長くなった。
ちょっと疑問に感じることがあったのだが、私には情報がないので困っている。

ヨーグルの税理士さんの顧問料が月4万円になっている。
これ、私の感覚ではすごく高い気がするのだが、実際はどうなんだろう?

そもそも、こんなに高かったっけ?と不思議に思い、ヨーグルに事情をきくと「値上げしたい」と何度か交渉があり、そのたびに値上げしてたら、こういう値段になっていたという。まだ数年しか経っていないのに。ほぼ半年に一度、値上げ交渉があるのだ。
顧問料とは別に確定申告時には、また何十万と払う。

もし、それで丁寧な仕事をしてくれていたら納得もできるのだが、実は何度かミスがあり、私が指摘することもあったほどだ。
今回も書類を一つ出し忘れるというミスをやらかしたらしい。

例えば、税理士さんが彼のところへ定期的に訪問し、税金や彼の資産について丁寧に面倒をみてくれるといった何らかのフォローがあればいいのだが、実際は、一年に一回か二回だけ出版社からの支払い報告書と必要経費としてあげたレシートを彼自身が税理士事務所に持っていくだけだ。もちろん、相談も何もない。
そういう意味では、税理士さんのヨーグルに対する仕事は会社関係と比較して非常に単純な作業になってると思う。彼らの仕事は年に一度、確定申告するだけなのだ。

う~ん、これって妥当な金額なのか?
困っているのは、私を含め私の周囲はサラリーマンだらけで税理士報酬の相場がわからないことだ。
じゃあ、ヨーグルのお友達の小説家にきいてみたらいいと思うのだが……

「そういう話はしたことがないな。お金の話ってしたことがない」

あぁ、そうよね。あなたはそういう人なのよね。
私も、あなたが友達同士でお酒飲みながら金や女の話をしてるところなんて、全く想像できないわ。きっと小説か映画の話しかしてないんでしょうね。
あなたって、ほんと仙人みたいな人なんだもん。

こういうところが、すごく困るのだ。
彼はすごくいい人なんだけど、そこが私は大好きなんだけど、もっと俗な人になってほしい。

「仕事してない月がほとんどなのに、毎月の顧問料が4万円ってあんまりじゃない?」
「う~ん、でも何か困ったことがあればすぐに相談できるわけだし」
「その何かって何?今まで一度もないわよね?だいたい、ミスしたことの報告のあとに、恥ずかしげもなく『値上げしたい』ってどの口が言うのよ。図々しい」
「う~ん、でも書類についての出し忘れは僕も忘れてたわけだし」

なぜか税理士さんを庇うヨーグル。
本当にどこまで人がいいんだろう。
それにしても困ったな。伝手はないけれど、私が他に税理士さんを探すのがいいのか。それとも私のような人間はこういうことは口出さない方がいいのか。