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新生児の赤ちゃんは感情だけでは泣かない

赤ちゃんが泣く理由について検索してみると様々な情報が出てきますが、お腹が空いた、げっぷがしたい、おむつが汚れている、暑い寒いなどの生理的欲求に加えて、以下のような「精神的理由」があげられることがあります。

- 眠い、疲れた
- 寂しい、甘えたい、抱っこして欲しい
- ストレスを発散したい
- 怒っている

これを見ても特に違和感を感じない方も多いと思いますが、新生児の赤ちゃんに限って言えば「精神的理由」が主な原因となって泣くことはないと考えます。以下にその理由を説明しますが、まずその前に、「①眠い、疲れた」を「精神的な理由」から除外したいと思います。

「眠い、疲れた」は「精神的な理由」ではなく「生理的な欲求」です。眠ることは人間にとって基本的なニーズであり、睡眠によって体(もちろん脳を含む)を休ませることは、赤ちゃんの生命維持に必要不可欠な基本的欲求であると理解してください。

それでは本題に入ります。

生まれて間もない赤ちゃんが精神的な理由で泣かない理由はズバリ、まだ感情を表現する能力が備わっていないからです。新生児の赤ちゃんは、自分の意思の力で体をコントロールすることができません。それでは新生児の赤ちゃんがどうやって体を動かしたり泣いたりするのかといえば、「原始反射」によって行われています。原始反射とは、赤ちゃんが生まれ持った能力で、特定の刺激に対し、反射的に引き起こされる動作や姿勢のことです。反射的に引き起こされる、ということはつまり、赤ちゃんの意志とは関係なく行われている、ということです。

例えば、赤ちゃんのお腹が減ってから母乳を飲むまでの間、乳首を探し当てる探索反射、母乳を口にくわえる捕捉反射、乳首を吸う吸啜反射、母乳を飲み込む嚥下反射が働きます。これらは赤ちゃんが意識して行っているわけではなく、体が無意識のうちに勝手に行っています

つまり、新生児のうちはまだ自分の意思で体を動かすことができないため、意識しなくても体が勝手に動く反射作用に頼って生命を維持しているのです。よって、新生児の赤ちゃんが泣くのは、基本的に原始反射に関係しており、基本的なニーズを満たすためである、と考えることができます。

赤ちゃんはこのように原始反射で体を動かすことや、五感からの刺激、そして周りの人との関わりを経験することなどにより、脳内の神経細胞間のシナプスを発達させ、だんだんと自分の意思で体を動かすこと(随意運動)ができるようになっていきます。生後1〜2ヶ月からは、微笑むなど、顔の表情も豊かになってきます。

赤ちゃんの後追いは半年〜9ヶ月くらいから始まります。お母さんの姿が見えないと「お母さんがいない。そんなの嫌だ。そうだ、泣けば来てくれる。」と思って泣き始めます。お母さんという存在を認識し、お母さんがここにいない、という事実を理解し、自分が泣けばお母さんが来てくれるというパターンを学習し、自分で体をコントロールして泣き始める。この一連の思考と行動は原始反射よりももっと高度な働きによって可能になるのです。

新生児の赤ちゃんにも感情がある

そうはいっても、生まれたばかりの赤ちゃんにも赤ちゃんにも感情があるはず。

と思われる方もいると思います。

はい、その通りで、生まれたばかりの赤ちゃんにも感情があります。もっと言えば、赤ちゃんには胎内にいる時から感情があります。ですので妊娠中、そしてまだ上手に感情を表現できない新生児の時期から、精神面、感情面での関わりを大切にしていく必要があります。抱っこする、話しかける、歌を歌う、一緒に遊ぶ、などの関わりは、赤ちゃんが周りの大人との愛着を形成するのを可能にし、様々な面での成長、発達に好影響を与えます。

新生児にストレスや怒りはある?

こればっかりは当人にしか分かりませんが、ストレスや怒りは基本的に生理的欲求が満たされないことから来る場合が多いと推測されます。月齢が上がって精神的にも成長していくうちに様々な感情が芽ばえ、生理的欲求とは別の要因で泣くことも増えてきます。

多くの人がしている勘違い

泣いている時に赤ちゃんを抱っこしてあげると泣き止むことが多いので、やはり甘えているのではないか

と思われる方もいると思います。これも新生児の赤ちゃんにかぎって言えば、「寂しいから泣く→抱っこしてもらって解決したので泣き止んだ」といういより、「生理的欲求が満たされない不快感のために泣く→抱っこしてもらって不快感がやわらいだので泣き止んだ」の方が近いのです。

その証拠に、赤ちゃんをベッドなどに寝かせるとすぐにまた泣き始めてしまうという場合が多いですよね。親が隣にいるので寂しいわけではないのに、なぜ下ろすと泣くかといえば、それは泣く理由が他にあるからです。つまり、「甘えているから抱っこされていないと泣いてしまう」のではなく、「生理的欲求が満たされていないから抱っこされていないと泣いてしまう」のです。

「抱っこしないと泣いてしまう」=「赤ちゃんが欲求しているのは抱っこ」と勘違いしてしまうと、ひたすら長時間抱っこしなければならなくなり、お世話する人にとって本当に大変です。赤ちゃんにとっても、抱っこによって不快感が和らぐのは確かですが、根本的な解決にはなりません。

それでは泣いた時にどうすればよい?

生理的欲求を満たしてあげる

ことが解決策です。もちろん抱っこをして落ち着かせてあげることも大切ですが、それだけではなく、なぜ泣いているかを判別し、生理的な欲求に応えてあげることが根本的な解決策になります。

その時に大活躍するのが、赤ちゃんの泣き声聞き分けメソッドのダンスタン・ベビー・ランゲージです。

理由が分からずにおっぱいかな、おむつかな、といろいろ試していると、その間に赤ちゃんがストレスを感じすぎてギャン泣きになってしまい、泣き止ませるのが大変になってしまうため、本格的に泣き始める前に理由を判別できるようにすることがポイントです。

ダンスタン・ベビー・ランゲージについての詳細はぜひ他の記事をお読みいただければと思います。

まとめ

新生児の赤ちゃんは寂しい、などの精神的な理由だけでは泣きません。抱っこしていないと泣いてしまうという場合は泣いている原因を判別し、その生理的欲求を満たしてあげる必要があります。

最後までお読みくださりありがとうございました。これらの情報によって赤ちゃんのお世話が少しでも楽になれば幸いです。

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