渋沢栄一に学ぶシステム思考

はじめに

現在、大河ドラマ「青天を衝け」|NHKオンラインが大いに視聴率を挙げている。幕末から明治を駆け抜けた実業家・渋沢栄一の一代記である。
シナリオの大半はパーソナルな側面、人となりと人物交流を占めているが、実業界の側面に深堀はしていない。
日本の資本主義の基礎を築いた実業家を経営者のシステム思考という切り口で研究してみるのも一考だろう。
渋沢栄一像について、以下のキーワードで評価したらどうなるだろうか?経営学、リーダーシップ、経営管理、政策論、ビジネスモデル、システム思考、デザイン思考などを評価因子としてみる。
史実というエビデンスに基づく評価はさておき、独断と偏見でしか判断できないが、中でも興味があるのは、渋沢のシステム思考である。


渋沢栄一をSWOT分析で評価する

今までの足跡を整理して、日本の資本主義を築いてきたフレームワークを一覧にまとめたら面白いだろう。そこでSWOT分析をためしてみた。
一般的に企業や経営者を評価する分析手法にSWOT分析がある。すなわち、SWOT分析の「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの視点で導き出された情報をまずは整理する。次に各々の分析軸を掛け合わせることで、かれらの経営戦略の方向性を見極める。
「強み(Strengths)」
・人:情熱家、理想家、先見性    ・もの:日本の物産を重視
・金:金融の要を築く        ・インフラ:欧米のビジネスモデルを日本に拓殖

「弱み(Weaknesses)」
・人:英雄色を好む、無類の女好    ・もの:浪費家
・金:宵越しの金を持たぬ       ・インフラ:金融以外の産業過剰投資、広く浅く

「機会(Opportunity)」
・人:富裕層、実業界に人脈      ・もの:日本インフラ整備目指
・金:合本主義、証券界の発足     ・インフラ:欧米のビジネスモデル、
成功事例をマスター、社会福祉の普及

「脅威(Threat)」
・人:理想論者と他人から敵視される、 身内の継承者に恵まれず
・もの:内需拡大の偏り        ・金:自社グループの柱?
・インフラ:欧米の事例研究重視だが偏見も

スライド1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?